2020/02/23

今週の為替相場を考える(2月24~28日)

今週の為替相場を考える(2月24~28日)

先週は冒頭で、【新型コロナウイルスの感染は終息するのか、それとも拡大を続けるのか? その答えにより主要国の金融政策やさらには財政政策まで影響を与えかねず、為替相場にも当然ながら影響を及ぼすことになる。】と書いたが、今週も大枠で大きな違いはない。

日本はGDPの大幅なマイナスで、この数字は上方修正される可能性は残るも、昨年の自然災害、消費増税、そして、年初から続く新型肺炎の世界的な感染拡大は当然ながら世界経済にとってマイナス影響であることは間違いなく、特に日本国内での感染拡大は日本経済にとっては最悪。先週USDJPYが簡単に112円台に達し、昨年4月の高値112.40をとらえる位置まで急伸するとは、まさにサプライズ。ただし、日本株はそれほど大きく値を下げていないのが慰めで(もちろん今後は不明)、日銀の追加緩和を先取りした動きの可能性も。

2月に入り、タイ中銀利、インドネシア中銀、フィリピン中銀は利下げを実施し、シンガポール中銀は据え置くも情勢の変化で利下げする余地を示唆。欧州中銀、英中銀のみならず、カナダ中銀、豪中銀、NZ中銀も緩和スタンスに変化し、利下げか財政出動を期待する動きが今後は注目材料になりそうで、ドル高ムードを強めている。

FRBはタカ派とハト派の意見があるも、総じて金利据え置きを示唆する発言が目立つ。一方、CMEのFedWatch Toolでは4月以降で利下げ支持期待が残るも、米大統領選を11月に控え、中間層の減税措置の可能性など、トランプ政権の積極的な大統領選の再選措置が期待できドルに対してはプラス評価。ただし、米企業業績の悪化が顕在化すれば話は別。

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【USDJPY】
Dailyチャートでは、117.50~110.50のレンジ相場を上抜けし、新たなレンジ相場を模索中。

Weeklyチャートでは、昨年4月の高値112.40を視野に入れながら、111.00~112.50のレンジ入りとなるのか、それとも114.50の2018年10月の水準をめざすのか? 可能性は両方に。

【EURUSD】
Dailyチャートでは、昨年末の1.1240高値から続落傾向は止まらないが、先週末は一週間分の下げ幅が全戻しとなり、反発を期待したくなるが、1.0870台超の上値は重そう。

Weeklyチャートでは、2018年2月の高値1.2556からの下落傾向は止まらず、今年に入っても1.1200台を高値に上げ止まり安値を更新中で、ついに2017年4月の安値圏へ。下値リスクは変わらず。

【GBPUSD】
Dailyチャートでは、1.3500の大台から続く戻り売りの流れは変わらず。直近では1.2900割れをボトムに反発する動きも見られたが続かず、ボトムは1.2850に下方修正されただけ。1.2900割れの状態が継続すると1.26~1.2900の新たなベアレンジへ動く可能性もあるが、実需筋の買いが旺盛なのか急落度合いは少なく下落リスクは強くは感じられず。

Weeklyチャートでは、1.28~1.35のレンジの動きを継続中。2019年9月の1.1958をボトムに反発傾向も変わらず。

【AUDUSD】
Dailyチャートでは、昨年末の高値0.7030台から続く下落基調は変わらず。一時0.6660台で下げ止まり反発も見られたが、先週は逆に0.6600の大台を割り込み一時0.6586まで下落。ただし、下髭の長い転換線の可能性もあるので、0.6650をクリアに上抜けできるか、それとも失敗して続落なのか、分かれ目。

Weeklyチャートでは、続落傾向は変わらず、先週は週足で過去3週間のボトムを下回り、0.70台から続く下落傾向は変わらず。

【USDCAD】
Dailyチャートでは、1.2950をボトムに1.3330まで反発。直近は1.3200~1.3300のレンジに入り、他の主要国通貨で弱さが見える中では健闘している。

Weeklyチャートでは、年始に一時1.3000の大台を割り込み下落続かず、中銀の予想外の弱気姿勢に上昇しながらも、引き続き中期的に1.3~1.34のレンジが続く。

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