2020/02/12

2020年2月12日(水)昨日11日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2020年2月12日(水)昨日11日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

パウエルFRBの議会証言は大方の予想通りで、「COVID-19」と名付けられた「新型肺炎のリスクを警戒」と、「短期国債の購入の縮小を示唆」。新型肺炎の4月終息を先取りした動きなのか?欧州株は高値更新が目立つも、米株は上昇を維持できず失速し一時マイナス圏へ。米債利回りは上昇。トランプ大統領は相変わらずFRBを批判。

為替相場は総じてドル売りの流れが続くが、USDJPYの動きは鈍くJPYはクロスで全面安。新型肺炎の4月終息期待もあり欧州株は強く最高値を更新する動きも目立ち、米株も上昇からスタート。パウエルFRB議長の議会証言は新型肺炎のリスクの警戒感を示し、2019年10月から続く資金供給策を縮小する考えを表明し、国債購入の縮小時期を7月と示唆するも、サプライズは感じられず。

GBPUSDは、英貿易黒字額が拡大、英GDPの前期比は0.0%となんとかマイナスを脱したこともあり1.2895をボトムに反発し、欧米市場では底堅く推移し1.2960台まで上昇。

EURUSDは、前日の安値を割り込み一時1.0892まで下落するも、新型肺炎の4月終息見通しもあり欧州株は強く1.0920台まで値を戻すも限定的で上値の重さが目立つ。複数のユーロ圏関係者からECBが戦略検証作業急ぐとの報道もあり気になる。

USDJPYは、欧米株高や米株の動きに変動するも、終わってみれば109.74~96の約20ポイントレンジで、110の壁はまたしても破れず、109.70~80の水準で変わらず。

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パウエルFRB議長議会証言(下院金融サービス委員会)
①準備預金が潤沢になれば、短期国債の購入は減額するとし、2019年10月から続く資金供給策を縮小する考えを表明。国債購入の縮小時期を7月と示唆。→ 一部には資金供給策を「事実上の量的緩和」と受け止めてきただけに、先行きの相場に影響しそうだ。
②短期金利の乱高下などは収まったとの見方を強調。短期国債の購入は少なくとも4~6月期末まで続ける。民間銀行は20年中盤には準備預金が十分な水準に達するだろう
③FRBは足元の短期国債の購入を「短期金利の上昇を抑える技術的措置」と説明してきた。それで長期国債などは購入対象とせず、金融危機後の量的緩和とは異なると強調している。
④ただ、FRBのバランスシートは半年で4000億ドルも増大し、金融市場では「量的緩和第4弾」との受け止めもあった。資産購入の縮小規模や時期などを巡って、市場が再び混乱するリスクもある。
⑤貿易を巡る不確実性は和らぎ、世界経済が安定に向かう兆候がある。利下げを停止して政策金利を当面据え置く考えだ。
⑥先行きにリスク要因は残っていると強調。新型肺炎は中国に混乱をもたらし、世界経済にも影響するかもしれない。景気指標を当面注視する方針。

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WHO、新型コロナウイルス正式名称は「COVID-19」と発表

 感染症研究の第一人者で中国政府の専門家チームを率いる鐘南山氏(ロイター)
①中国国内における新型コロナウイルスの流行が2月にピークを迎え、4月ごろに終息する可能性がある

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複数のユーロ圏関係者(ECBが戦略検証作業急ぐ、インフレ目標変更は7月決定も)
①政策検証ではインフレなど中核的な議題から、気候変動や通商など比較的新しい問題まで、テーマごとに8つの分科会が設置された
②3月と4月の政策会合の直前にテーマ別のセミナーが開かれ、政策委員会メンバーが出席する予定
③現在のインフレ目標を変更する是非については、6月の会議で提案が出され、7月に決定する可能性もあるという。
④何も確定してはいないが、政策担当者の多くは夏までにインフレ目標に関する決定を下したいと考えている

ラガルドECB総裁
①金融政策だけが唯一の選択肢ではない、政策の副作用は時間ともに大きくなって行く。
②気候変動を政策に考慮する必要がある。

レーンECB専務理事
①中銀はマイナス金利の影響を注視

カーニーBOE総裁
①近い将来、金利は比較的低くなると予想
②金利の上サイドへの調整は控えめである可能性が高い
③英国が低成長、低金利環境から抜け出すには公共インフラと企業投資が必要

ハスケルBOE政策委員
①英中銀の限られた政策余地は利下げの必要性を意味する

EUのバルニエ首席交渉官
①欧州議会で、EU離脱後の英国は「金融サービスで全般的、かつ無期限のアクセスを失う」。これに関して、英国の一部の人々は虚言するのをやめるべきだ」と言明。EUは金融サービスのアクセスについて「制御を続け、自ら決定を下せる裁量権を維持する」
②英国とEUの通商交渉では、ロンドン金融街のEU市場アクセスが主な争点となる見通しで、。ロンドン金融街の銀行は、EU域内で自由に営業できる「パスポート」を失うことを懸念

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トランプ大統領
①米政策金利は高過ぎるとし、FRBを改めて批判した。さらに、パウエル議長の証言が米株価の上昇を阻害している可能性があると示唆

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
①米経済は欧州に比べて非常に魅力的に見える
②拡大する米財政赤字は最終的に投資家を抑制する可能性

ブラード・セントルイス連銀総裁
①今年、2%のインフレ目標回帰への進展を予想
②第1四半期の成長は依然として順調
③新型ウイルスに注意する必要。テールリスクがある

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フィリピン政府
①米軍に関する「訪問軍地位協定(VFA)」を破棄すると米国に通告

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