2018/08/11

2018年8月11日(土曜)昨日10日、海外市場の動き

2018年8月11日(土曜)昨日10日、海外市場の動き

週末金曜日はトルコリラが震源となり各地へ波紋が広がる。

為替市場では、新興国通貨安の影響にドル高でリスク回避に円高へと動き、株安+債券上昇(利回り低下)へ。英GDPと米CPIは予想通りなのか影は薄く、強かったカナダ雇用統計も瞬間芸で終わる。一日を終わってみれば、トルコ売り材料続出に前日比でUSDTRYは+15.63%、TRYJPY-13.69%と一時の20%近い変動からはやや低下。

主要国通貨ではEURUSDとAUDUSDが共に1%近く下落し目立った。EURUSDは、EURGBPの買いの支えも限界があり、ECBの銀行監督部門(SSM)が「スペイン、イタリア、フランスの市中銀行と、トルコのエクスポージャーを懸念」と報道。1.1500の大台を割り込み一時1.1388まで急落、EURJPYの売りも強かったのかEURJPYは一時126円まで続落し結局は126.43円と-1.26%下落し、EURUSDは1.1410台で終了。

AUDUSDは、引き続き米中貿易摩擦の解決にめどは立たず積極的なAUD買いは見られず、トルコリラ主導の新興国通貨下落のリスク回避にアジア市場の高値0.7380台→0.7300を割り込みストップの売りが加速し午後3時には0.7281まで急落、これをボトムに欧米市場は0.7300を中心に上下約20ポイントで停滞。

NZDUSDは前日に下落が目立ち共に1%近く下落。前日にハト派の中銀発言に急落したNZDUSDは-0.55%に下げにとどまる。

USDCADはカナダ雇用統計では失業率が予想外に低下、雇用者数も予想外に改善し、直後は1.3080台→1.3030台へ急落するも直ぐに値を戻し、NAFTA再交渉の期待感+原油価格上昇にも強さは感じられず前日比+0.66%と一時1.3153まで上昇していた。

USDJPYはリスク回避の円買いがテーマとなりドル高の中で孤軍奮闘の前日比-0.23%と円高を維持。トルコ急変が引き金となるも、結局は株価連動の動きで欧州序盤には一時110.61まで下落、米国市場に入り110.52まで下落。上下変動しながら終盤にかけては、セクロー氏(トランプ大統領の弁護士)がなぜなのかは不明ながらラジオインタビューで「米国人牧師の拘束問題が解決に近づいている可能性があると」発言したことを材料に値を戻し、結局は大枠110.50~111.20のレンジで推移。

前日比でUSDTRYは+15.63%、TRYJPY-13.69%。トルコリラは急落にも関わらず、エルドアン・トルコ大統領から「なんの方策もなし」と連想されるような「外貨や金をTRYに変えるとか、リラ安はトルコへの反対運動によるもので懸念せず、我々には国民と神がいる」などと発言。→ トランプ大統領がトルコに鉄鋼関税を50%・アルミ関税を20%と倍に引き上げるツィートを発したことが引き金となったが、米国はトルコのギュル法相とソイル内相に制裁を科し、トルコ政府代表団は対米関係改善を目指し米当局者と会談したが進展も確認できず。USDTRYは一時6.6496まで急伸、TRYJPYも最安値を更新し一時16.15台まで続落し、共に一時20%近くトルコリラ売りが強まった。→ 米国市場に入り、エルドアン大統領がTRY急落阻止に向け演説、アルバイラク財務相が新たな経済計画を公表、トルコ貿易相の対話を求める発言もあり、TRY売りも弱まりUSDTRYは6.1825まで、TRYJPYも一時17.86まで反発するもTRY買も限定的で17.30近辺で推移。終盤にはトランプ氏の弁護士のポジティブ発言にトルコリラ買が見られるも限定的で、週末に具体的な対応策や米トルコの関係悪化の修復ができるかがポイントに。


米株は下落、ダウ-0.77%、S&P500-0.71%、Nasdaq-0.67%、米10年債利回りは2.871%(-0.057)、2年債も2.604%(-0.041)と共に下落。原油価格(WTI)は67.77+1.44%上昇へ。