2018/08/25

2018年8月25日(土曜)昨日24日、海外市場の動き

2018年8月25日(土曜)昨日24日、海外市場の動き

週末の金曜日、市場参加者が注目したJH経済シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演。結果だけを見ると「インフレ率の目標が2%を上回って加速する明確な兆候は見られない」に反応したのか? 米株高+ドル売りへ。

その前に、ブラード・セントルイス連銀総裁は「利上げを打ち切るべき」との発言も気になっていた。また、トランプ大統領の道徳的・政治家姿勢を追及する動きも鈍くドル売りテーマとならず。

先に、トランプ大統領がパウエル議長の利上げ姿勢を批判した後だけに、今後の利上げに関しての変化の有無も注目されたが、利上げ継続基調は変わらず。経済回復の保護に加え、底堅い雇用の伸びの維持やインフレの抑制に向け、着実な利上げが最善の方策と、従来通りの段階的な利上げの正当性を主張。

一方、「インフレ率の目標が2%を上回って加速する明確な兆候は見られない」、→ この発言を受け来年の利上げ回数の予想が1回にとどまり下落へ。NasdaqとS&P500は過去最高値を更新するも、逆にドルは上下変動しながらも売り圧力が続く。

ただし、9月26日のFOMCが本番で、経済シンポジウムの講演の内容を受けた反応がどこまで有効なのかはやや疑問。

北朝鮮に関しては、トランプ大統領は北調整の非核化の進捗の遅れにポンペオ国務長官の訪朝を中止とツィート。これの影響したのかリスク回避の円買いも見られる。

米中次官級通商協議に関しては、具体的な進展がなく終了するも米中間で温度差が異なる。米国側は、知的財産権侵害や中国政府の企業への補助金など米側の指摘に中国側が対処していないとの悲観的な報道に反し、中国からは楽観的な発言で、建設的で率直な意見交換が行われ、両国は次のステップに向けて接触を続けるとある。

今後、米中閣僚級会議を経て、11月の米中首脳会談が実現し米中貿易戦争の解消に向けて何等かの対応策がとれるのか? それとも、物別れに終わり米国は中国へ2000億ドルの第3弾の制裁発動へと動くのか? どちらでしょうか?

ディマイオ・イタリア副首長=EU加盟国がシチリア島の難民を受け入れなければ、自身が党首を務める「五つ星運動」が来年のEU拠出金の支出停止に賛成すると発言。 難民政策でEUとイタリアの対立を懸念しイタリア国債が売られるもユーロ売りにはとならず。

豪州の政局に関しては、与党・自由党の党首選でモリソン財務相が勝利し新首相へ就任。→ AUD買の動きとなる。与党保守連合は世論調査で野党労働党に迫られており、与党は1議席の差で下院の過半数を維持しており、ターンブル氏が辞職すれば過半数を失う可能性も。


AUDUSDは、アジア市場でモリソン新首相の就任にAUDUSDが0.7290まで上昇、欧州市場に入っても続伸し、パウエルFRB議長の講演語には0.7340台まで続伸し、0.7320台で終了。基本的にはAUDのショートカバーの域を脱しきれず。ただし、0.7350を日足で上回ると一段のショートカバーの可能性の可能性が強まるが政局の安定には不安も。

USDJPYは、111.50の壁をついに超えられず。アジア・欧州・米国市場と何度もトライするも失敗。パウエルFRB議長の講演を受けたドル売りの流れ+ポンペオ国務長官の訪朝中止も影響しているのか111.10台まで下落して111.22で終了。短期的には買から売りへと変化しているが111.00~50のつまらないレンジに収れん中、長期的なドル買いは引き続き変わらず。

EURUSDは、アジア市場の1.1530台をボトムに1.1500が岩盤となり、アジア・欧州・米国市場と底値を切り上げ、1.1600を超え逆張り派のユーロショートをあぶりだし、パウエルFRB議長の講演後には1.1650の重要なポイントに迫る1.1640まで上昇し1.1620で終了。中期も買変化の兆しが強まり、短期は買へと変化し継続するも、長期的なユーロ売りは引き続き変わらず。

USDCNHはアジア市場の6.8950台を高値に一時6.800の大台割れまで続落。中国政府の貿易摩擦の影響を受けた失業者や労働者を支援するために財政支出を拡大や、地方政府がインフラ投資を支援するために発行する債券額が第3四半期末までに1兆元(1454.8億ドル)を超えるとの見通しとの報道もあり人民元高が続いている。


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21:30    USD 7月 耐久財受注・速報値=前月比-1.7%(予想-0.5% 前回0.8→0.7%)、除く輸送・前月比0.2%(予想0.5%  前回0.2→0.1%)→ 予想外にマイナス幅が拡大へ

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【北米】
ホワイトハウス=台湾と断交して中国と新たに国交を樹立したエルサルバドルの決定について、米国政府にとって深刻な懸念だとして非難。中国は覇権を求めるために経済的誘因を提供していると警告する声明文を発表

米中次官級通商協議は具体的な進展がなく終了、米中間で温度差が異なる。=WSJ(関係者)は、協議で両国は従来の論点を繰り返し主張するだけで。トランプ米政権が懸念する多額の対中貿易赤字や、中国政府が米企業に対し中国企業への技術移転を強要していることについて、中国側には解決に向けた新たな提案を行う用意がなかったようだ。

米中次官級通商協議(ホワイトハウス)=米中が「中国の構造的問題の解決を含め、公平でバランスが取れ、相互主義的な経済関係の実現方法について意見交換した」、ただし、協議の結果や今後の日程での言及はなかった。

米中次官級通商協議(ロイター)=次官級による米中通商協議が大きな進展なく終了。次の閣僚級の協議と最終的に首脳会談で何らかの決着が図られるという「楽観論」から、市場は大きく反応せず。米国の本音が「技術移転」の中止にあるなら、米中による早期の合意形成は難しく、2000億ドルの中国製品を対象とする25%の追加関税発動を検討する手続きが9月上旬にも終了した後、実行される可能性がかなりありそうだ。

米中次官級通商協議・中国商務省声明(ロイター)=米国発では協議終了後、米政府高官は、知的財産権侵害や中国政府の企業への補助金など米側の指摘に中国側が対処していないと述べた。悲観的な報道に反して中国からは楽観的な発言で、建設的で率直な意見交換が行われ、両国は次のステップに向けて接触を続ける。

ブラード・セントルイス連銀総裁(JH経済シンポジウム)=インフレ率が急上昇する兆しはなく、2019年は財政刺激措置の効果が薄れて成長が減速すると予想されることから、FRBは利上げを打ち切るべき

パウエルFRB議長(JH経済シンポジウム)先にトランプ大統領が議長の利上げ姿勢を批判した後だけに、今後の利上げに関しての変化の有無に関しての注目度が高かった。経済回復の保護に加え、底堅い雇用の伸びの維持やインフレの抑制に向け、着実な利上げが最善の方策と、段階的な利上げの正当性を説明。 経済は力強く、インフレは2%の目標近辺にあるほか、大半の求職者は職を見つけている。所得や雇用の力強い伸びが継続すれば、一段の段階的な利上げが適切になる。

パウエルFRB議長(JH経済シンポジウム)=「インフレ率の目標が2%を上回って加速する明確な兆候は見られない」、→ この発言を受け来年の利上げ回数の予想が1回にとどまり下落へ。NasdaqとS&P500は過去最高値を更新、逆にドルは上下変動しながらも売り圧力は止まらず。

パウエルFRB議長(JH経済シンポジウム)=「完全雇用」や「中立金利」といった水準に関する考え方の変化が段階的な利上げの理由。FRBが過去に完全雇用を誤って判断したことが1970年代のインフレ高騰を招き、現在の見通しが正確であると捉えるべきではない。

パウエルFRB議長(JH経済シンポジウム)=FRBがこれまで景気過熱と早まった引き締めとの間で政策運営のかじ取りを行い、頼りとなる手掛かりさえ、移り変わるようなあいまいなものでしかない、慎重な対応こそが鍵になると強調

ジャクソンホール(JH)経済シンポジウムでの論文=アップやアマゾンなど様々な業種への支配を拡大させる世界企業には、工場や設備、機器類といった有形資産よりもソフトやノウハウ、ブランドなど無形資産への投資が多く、借り入れや社債への依存度は低いことから、金利効果が浸透しにくいと指摘。市場構造や市場力の変化は無形資産投資によって起きると考えられ、政策当局は競争規制や知的財産権取り締まりの強化、無形資産市場の発展促進といった、金利以外の手段の活用に重点を置くべき

ポンペオ国務長官はトランプ大統領の訪朝中止の要請を受け、訪朝中止へ。トランプ大統領はツイッターで、朝鮮半島の非核化を巡り十分な進捗が見られていないため、ポンペオ長官に現時点で訪朝しないよう求めた。逆に、「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と再び合うことを楽しみにしている!」ともツイート。

ボルトン大統領補佐官=ボルトン補佐官は訪問中のウクライナのポロシェンコ大統領との会談後の記者会見で、米国の対ロシア制裁は、ロシアが行動を改めるまで継続する。

米政府(連邦官報)=英国で3月に起きた元ロシア情報機関員らの毒殺未遂事件を巡る米国の新たな制裁が週明け27日、正式に発動する。

【欧州】
ディマイオ・イタリア副首長=EU加盟国がシチリア島の難民を受け入れなければ、自身が党首を務める「五つ星運動」が来年のEU拠出金の支出停止に賛成する→ 難民政策でEUとイタリアの対立を懸念しイタリア債が売られ、スペイン国債の利回り差が2012年来の高水準へ。

英財務省=英国の合意なきEU離脱ながら、EU加盟国国債のゼロリスク扱いを停止。

【アジア・その他】
豪与党・自由党の党首選でモリソン財務相が勝利し新首相へ就任。→ AUD買の動きとなる。ダットン前内相とビショップ外相は敗退。ターンブル首相は出馬せず近く辞任の意向を示す。与党保守連合は世論調査で野党労働党に迫られており、与党は1議席の差で下院の過半数を維持しており、ターンブル氏が辞職すれば過半数を失う可能性も。

中国財政相=米国がさらに貿易関税を課せば中国は米政府に対抗し続ける。中国系、外資系にかかわらず中国国内の企業への悪影響を避けるため、報復措置は可能な限り的を絞る。貿易摩擦の影響を受けた失業者や労働者を支援するために財政支出を拡大する。また地方政府がインフラ投資を支援するために発行する債券額が第3・四半期末までに1兆元(1454.8億ドル)を超えるとの見通し


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