2018/08/04

2018年8月4日(土曜)昨日3日、海外市場の動き

2018年8月4日(土曜)昨日3日、海外市場の動き

米中制裁関税の掛け合い合戦の再開リスクが強く残る中、注目の米雇用統計は失業率が低下するも、非農業部門雇用者数は予想外に弱く一時ドルは全面安となるも米年内2度の利上げ期待は変わらず。終わってみれば米株は上昇、米債利回りは米中貿易摩擦の激化を意識し低下。そして、ドル売りから値を戻し、AUD+NZD+CAD+JPYで値を下げ、EUR+GBPで上昇。

トランプ政権が2000億ドル相当の中国製品に関税税率を10→25%に引き上げることを提案している中、中国は米国からの輸入600億ドル相当に報復関税を課す対象リストを発表、液化天然ガス(LNG)や小・中型の航空機など5207品目に対し、5%~25%の税率をかける。米中間の制裁関税のかけ合いに市場の不安感はぬぐい切れず。

中国人民銀行が、人民元売り・外貨買いの為替先物取引の準備金率を0.0→20.0%に引き上げることを発表、資金流出防止の強化策で人民元ショート維持のコスト急騰により人民元ショートの巻き戻しにUSDCNHは6.91261の高値を付けた後、この発表を受け6.8850近辺→6.8260台へ急落し6.84703で終了。

米国とメキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、来週開く協議で主要な課題が解決に至る可能性が非常に高く、USDMXNは下落し新興国通貨高をリード。一方、カナダも近く、NAFTA再交渉に再び加わる可能性もありUSDCADの売り圧力は続いている。

USDJPYは、111円台を維持し小幅ながら3日続落。アジア・欧州市場の111.87を高値に80台の上値は非常に重く、米国市場に入り予想外に弱かった米非農業部門の雇用者数を受けたドル売りの流れと、米中貿易戦争のリスクを意識したリスク回避の円買いも加わり米国市場に入ると111.10まで下落。何とか111.00の大台を維持するも、反発力は鈍く111.20台で終了。テクニカルにも短期・中期でドル売りへと変化。ただし、長期はまだ変化は見られず。

EURUSDは、1.1560をボトムに下げ止まるも4日続落。欧州市場の序盤ではGBPUSDの下落の影響を受け1.1560台まで下落。強い欧州株が影響したのか不明ながら1.1610台まで値を戻し、米非農業部門の雇用者数を受けたドル売りにも1.1610台を超えられず。結局は1.1560~1.1610のレンジで変動し1.1560台と安値圏で終了している。

GBPUSDは、4月17日のピーク1.4377から続落、終値ベースでも2017年9月4日以来となる、1.3000の大台を割り込む。欧州市場の序盤ではカーニーBOE総裁の「合意なきブレグジットの可能性は不快なほど高い」、「ブレグジットのシナリオ次第では利下げが必要となる可能性も」との報道で1.2970台へと下落、欧州市場では1.3040台へ反発するも、一日を通じて欧州市場の1.3040台を高値に終値ベースで1.3000の大台を割り込み1.2998で終了。

USDCADは、終値は1.29904で終値ベースでは6月4日以来となる1.3000の壁をようやく割り込むが売りは加速できず。欧米市場では1.3020台を高値にカナダ貿易赤字額が予想を大幅に下回りドル売りの流れが再開。NAFT再交渉で米メキシコが合意に至る可能性とカナダが加わる可能性もありカナダドル買いの流れを継続中。

円クロスでは3日続落で円高傾向が続く。
EURJPYは、終値ベースで7月4日以来となる129円の壁を割り込み128.693で終了。
GBPJPYは、終値ベースで6月28日以来となる145円壁を割り込み144.64で終了。
AUDJPYは、孤軍奮闘で82円台を維持し前日より小幅高の82.269で終了。
CADJPYは、3日続落するも下げ幅は限定的で、今週一週間を通じて85円台を維持し85.597で終了。

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21:30    USD 7月 雇用統計: 失業率=3.9%(予想3.9% 前回4.0%)、非農業部門雇用者数=15.7万人(予想19.3万人 前回21.3→24.8万人)、労働参加率=62.9%(予想63.0 前回62.9%)、平均時給(時間当たり賃金)=(予想 前回26.98ドル、平均時給=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.2→0.1%)、平均時給=前年比2.7%(予想2.7% 前回2.7%)、平均週間労働時間=34.5(予想34.5 前回34.5→34.6)→ 非農業部門雇用者数は前回が上方修正されるも、予想下回りドル売りが強まる。

21:30    USD 6月 貿易収支=-463億ドル(予想-465億ドル 前回-431→-432億ドル)→ 予想より赤字額が拡大、1年7か月ぶりの大幅増加

21:30    CAD 6月 国際商品貿易=-6.3億ドル(予想-23.0億カナダドル 前回-27.7→-27.2億カナダドル)→ 赤字額が予想外に減少しカナダドル買いが強まる

22:45    USD 7月 総合PMI・確報値=予想 前回55.9、サービス業PMI・確報値=予想56.2 前回56.2

23:00    USD 7月 ISM非製造業景気指数=予想58.6 前回59.1


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【北米】
米貿易赤字額はほぼ予想通りながら、対中赤字が0.9%増加、対日赤字は-3.4%、対EU赤字は12.4%減。

米財務省=北朝鮮の核開発に関与していたとして、ロシアのアグロソユーズ商業銀行を制裁対象に指定、

グアハルド・メキシコ経済相=米国との北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、来週開く協議で主要な課題が解決に至る可能性が非常に高く、カナダが近く、交渉に再び加わる公算が大きい

米政府=米政府は中国と通商問題を巡り一段の協議を行っていくことにオープン。カドロー米国家経済会議(NEC)委員長はこの日、米中は最近最高レベルの対話を行ったと発言。ホワイトハウスのウォルターズ副報道官はこの発言の説明を求められ、「ここ数カ月の間、複数の高級レベル会合を開く機会があった。われわれは中国との一段の協議にオープンであり続ける」と述べる

カドロー米国家経済会議(NEC)委員長(ブルームバーグTV)=米国と欧州連合(EU)との貿易協議はかなり進展しており、来月中にも合意を発表する可能性がある
カドロー米国家経済会議(NEC)委員長=中国政府はトランプ米大統領の通商を巡る問題に対処していく決意を過小評価してはならないと

【欧州】
カーニーBOE総裁=合意なきブレグジットの可能性は不快なほど高い。ブレグジットのシナリオ次第では利下げが必要となる可能性も⇒ GBPUSDは1.3010→1.2970台へ下落。
カーニーBOE総裁=金利が今後数年で1.5%へ上昇するとの市場の予想は悪い経験則ではないだろう

独・ユーロ圏PMIが弱く、カーニー発言を受けたGBPUSDの売りも加わり、EURUSDは1.1560台まで下落、6月29日以来の安値で、目先は7月19日の安値を更新。

【アジア・その他】
中国人民銀行が、人民元売り・外貨買いの為替先物取引の準備金率を0.0→20.0%に引き上げることを発表。資金流出防止の強化策によりUSDCNHは6.91261の高値を付けた後、この発表を受け6.8850近辺→6.8260台へ急落し6.84703で終了。

中国は米国からの輸入600億ドル相当に報復関税を課す対象リストを発表、液化天然ガス(LNG)や小・中型の航空機など5207品目に対し、5%~25%の税率をかける。米中間の制裁関税のかけ合いに市場の不安感はぬぐい切れず。


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