2019/12/12

2019年12月12日(木)昨日11日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年12月12日(木)昨日11日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

ご存じの通り、米株は上昇へと転じ、米債利回りは低下し、ドル売りが強まる。FOMCは期待通り金利の据え置きを決定し、ドットチャートは2020年いっぱい金利を据え置くことを示唆し、パウエルFRB議長も「いまの政策金利は適切」とあり景気回復に自信も見られる。

今日12日のECB理事会、英総選挙、15日の制裁関税発動予定日と、最重要なイベントを控えながらも、FOMCを受け当面現在の金利を据え置く姿勢に市場は反応。

米株は上昇へと転じ、米債利回りは低下し、為替相場はドル売りが強まり、米利下げ終了の変化を読み取り、米中通商協議の進展を織り込み、世界的な景気回復期待を先取りしているのか、コモディティ関連通貨の上昇が目立つ。

英総選挙の世論調査は与野党の議席差が縮小、米中通商協議は継続しトランプ大統領の結論待ちのようだが、市場は制裁の延期を期待した動きを先取りへ。

USDJPYの下げ幅は限定的でクロスではJPY安が目立つ中で、FOMC直後にクロスの円売りもあり瞬間的に108.77まで上昇するも、米債利回りの低下+ドル売りの流れが強まり108.47まで下落と、最近の安値圏で鬼門となる108.40台まで下落し、反発している。108.00~20を割り込むことができるか? でなければいつも通りのつまらないレンジ相場となるが、英総選挙、米中通商協議と、サプライズの可能性は残る。

AUDUSDは米中通商協議の何らかの合意期待+米経済の回復期待に4日以来上値が抑えられていた0.6860台の壁を上抜け上昇。アジア市場の0.6805をボトムにアジア・欧州・米国市場と上昇し、FOMCを受け更に加速し0.6890直前まで続伸。前日比では1%を上回る上昇へ。

USDCADも下落し、1.3239を高値にFOMCを受け下げ幅が加速。6日の強い米雇用統計+弱いカナダ雇用統計に上昇が開始した水準となる1.3170台へ逆戻りしCAD買いが強まる。もちろん、10日に署名したUSMCAの合意の潜在的なCAD買いの期待もあるが、米経済の回復期待に加え米中通商協議+ブレグジットをめぐる動きを意識している。

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22:30    USD 11月 消費者物価指数=前月比0.3%(予想0.2% 前回0.4%)、コア前月比0.2%(予想0.2% 前回0.2%)、前年比2.1%(予想2.0% 前回1.8%)、コア前年比2.3%(予想2.3% 前回2.3%)→ 前月比と前年比は予想を上回り、FRBの利下げ休止を裏付ける

4:00    USD FOMC=政策金利1.5~1.75%の据え置を決定、予想通り

4:00    USD 11月 月次財政収支=-2088億ドル(予想-1965億ドル 前回-1345億ドル)

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【FOMC】(経済活動は緩やかなペースで拡大しているとして、政策金利を2020年いっぱい据え置くことを示唆)
〇政策金利1.5~1.75%の据え置を決定、予想通り。
〇投票メンバー10人全員が政策金利の据え置きに賛成
〇米経済は緩やかな成長が続き、雇用も底堅く拡大。
〇現在のスタンスが景気拡大の維持に適切
〇先行きは海外の動向や抑制されたインフレ圧力など、今後の経済データを注視していく
〇レポ取引を取り巻く環境に関する言及や短期金融市場に関する新たな取り組みも公表はない。
〇超過準備預金への付利を1.55%に、リバースレポ金利は1.45%に据え置いた。

ドットチャート
〇13人が20年中も政策金利を据え置くと予測(中央値は「2020年は利下げも利上げもゼロ」)と当面は様子見に転じる方針で、20年中の利下げを見込むFOMC参加者は1人もいない。
〇20年の実質成長率は2.0%と潜在成長率並みの伸びを見込み、失業率も3.5%と歴史的な低水準を維持すると予測
〇21年以降は年1~2回のペースで再び利上げに転じると見込むメンバーが多い。

パウエルFRB議長(当面現在の金利を据え置く姿勢)
〇米経済の見通しは引き続き好ましい状況にある
〇いまの政策金利は適切
〇金融政策はあらかじめ決められた軌道にはない
〇経済が見通し通りに拡大するなら、現状の金利が今後も適切となるだろう
〇見通しの大幅な見直しを招くような動向になれば、適切に行動する

【米中通商協議関連】
パーデュー米農務長官
〇米国が対中追加関税を発動しないことに「望みを抱いている」
〇中国が大豆に関して追加関税を除外する手続きを取ったことは、米国との農産物貿易での進展を示すもの
〇米中の広範な貿易協議の第1段階合意に向けて続く交渉で、中国による農産物購入規模についてどの程度話し合いが進んでいるのか、自分は詳細を知らない

【トランプし弾劾訴追に関して】
マコネル院内総務
〇トランプ大統領が下院で弾劾訴追された場合、上院での裁判は1月に開始。
下院司法委員会
〇10日劾決議案の概要を発表。11日午後7時(日本時間 12日午前9時)から同案の検討を開始し、12日にも下院本会議への送付が承認される予定で、本会議では来週採決が行われ、トランプ氏は弾劾訴追される史上3人目の大統領となる可能性が高い。

米国はイランに制裁へ
ポンペオ国務長官
〇イランのマーハーン航空の販売エージェント3社について、大量破壊兵器の拡散に関与したとして制裁対象としたことを明らかにした
〇イランの軍事組織イスラム革命防衛隊(IRGC)、および対外工作や情報活動を担当する「コッズ部隊」の代わりにイエメンに軍事物質を密輸した疑いでイランの海運ネットワークを制裁対象とした

【英総選挙関連】
調査会社オピニウムが実施した世論調査
〇与党保守党の労働党に対する支持率の差は12%ポイントと、前週の15%ポイントから縮小、保守党の支持率は45%と、7日時点の46%から低下。一方、労働党の支持率は33%と、31%から上昇した。自由民主党は12%。

【USMCA関連】
米主要企業の経営者団体ビジネス・ラウンドテーブル
〇NAFTAに代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に支持を表明。関連法案の迅速な成立を呼び掛ける」とし、「成立に向け、議会、およびトランプ政権とともに取り組んで行く」。
〇10日、USMCAの修正文書に署名。

ダブルライン・キャピタルを率いるジェフリー・ガンドラック氏
〇米リセッションの確率は後退、ドル下落のリスクは増加し、米社債を警戒。
〇消費者信頼感が持ちこたえていることと、景気先行指標がゼロを下回っていないことで、米リセッションの確立は9月75→35%へと低下。
〇大統領選挙では民主党候補の弱さからトランプ大統領が再選される可能性が高い

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