2019/12/07

2019年12月7日(土)昨日6日、海外市場の動き

2019年12月7日(土)昨日6日、海外市場の動き

サプライズの強い米雇用統計とミシガン大学消費者マインド指数も7か月ぶりの強さ。米中通商協議が継続する中で、米株は上昇、米債利回りも上昇し、ドルは全面高。

クドローNEC委員長は「米中は米国産農産品の購入額で合意を目指し、協議を進めている」、「15日に迫る対中追加関税の発動期日は依然重要」と発言。米雇用統計では失業率は低下し雇用者数は拡大、時間当賃金も上昇と、素晴らしい米雇用統計の結果を受けて相場は急変。

続く、米ミシガン大学消費者マインド指数も7か月ぶりの強さで、米株は上昇、米債利回りも上昇し、ドルは全面高の傾向が続く。

一方、同時刻に発表となった、カナダ雇用統計では、失業率が上昇し、新規雇用者数が大幅減少、おまけに、ポロズ・カナダ中銀総裁は来年6月の任期満了で退任することを発表。CAD売りの流れが目立った。

WTIはOPECプラスの追加減産に一時59.85ドルまで上昇し59.10台で推移。米10年債利回りは一時1.8624%まで、2年債も一時1.643%まで上昇。米株は上昇し、ダウは一時28,035.85ドルで結局は28,015.06(+1.22 +337.27)と大幅高。

為替相場は、USDCADが1.3170台→一時1.3270まで上昇し1.3250で終了と、強い米雇用時計に反し弱いカナダ雇用統計に急伸し、終了間際に1.3240台まで下落し終了。

USDJPYは108.50近辺から、米雇用統計直後につけた108.92を高値に108.50台まで下落と、結局はほぼ元の水準に逆戻り。15日の米国の対中制裁発動を意識したリスク回避の売りの可能性が残るが、109円近くの上値の重さを再確認。ただし、米中通商協議の見通しがはっきりするまではニュートラルで手出しできず。

EURUSDは米雇用統計の発表を受け1.1090台→一時1.1040まで急落し、戻りも限定的で1.1060で推移。独政局不安、米EU通商協議の不透明感、弱い独鉱工業生産と、2日の水準まで逆戻りで、一時200時間MAを割り込むも結局はその水準を維持。

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22:30    USD 11月 雇用統計: 失業率=3.5%(予想3.6% 前回3.6%)、非農業部門雇用者数=26.6万人(予想18.0万人 10月12.8→15.6 万人、9月12.8→15.6万人)、週平均労働時間=予想34.4 前回34.4、平均時給=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.2%)、平均時給=前年比3.1%(予想3.0% 前回3.0→3.2%)、時間当賃金=28.29(予想 前回28.18→28.22)、労働参加率=63.2%(予想 前回63.3%)

22:30    CAD 11月 雇用統計:失業率=5.9%(予想5.5% 前回5.5%)、新規雇用者数=-7.12万人(予想1.0万人 前回-0.18万人)、フルタイム=-3.84万人(予想1.0万人 前回-1.61万人)、パートタイム=-3.28万人(予想1.5万人 前回1.43万人)、労働参加率=65.6%(予想65.7 前回65.7%)

0:00    USD 12月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=99.2(予想96.5 前回96.8)、景気現況指数115.2 (前回111.6)、消費者期待指数88.9(前回87.3)、インフレ期待1年2.4%(前回2.5%)、5~10年2.3%(前回2.5% )→ 予想と前回を大幅に上回り7か月ぶりの強さへ。

0:00    USD 10月 卸売売上高=前月比-0.7%(予想 前回0.0%)、卸売在庫=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.2%)

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【米中通商協議関連】
クドローNEC委員長
〇米国と中国は中国による米国産農産品の購入額で合意を目指し、協議を進めている
〇商品購入額など最も「慎重を要する」問題の一部を巡り、両国は「ほぼ24時間態勢で」交渉を詰めている。
〇米中通商協議に任意の期限は設けていないが、今月15日に迫る対中追加関税の発動期日は依然重要
〇まだ仕上げには至っていない。あと少し調整が必要という段階だ
〇トランプ大統領はまだ中国との合意文書に調印する用意はできていないと述べたが、これまでの協議の進展には満足していると語った。
〇交渉に満足しなければ、関税引き上げをためらわないだろう。
〇現時点で協議を成功させたり、決裂させたりする条件はない
〇中国の「米国産大豆および豚肉の一部について輸入関税を免除」は交渉にとって良い影響を与える
中国財政省
〇国務院(内閣に相当)の決定として、米国産大豆および豚肉の一部について輸入関税を免除すると発表した。

【ブレグジット関連】
パネルベースの6日英総選挙の世論調査
〇保守党の支持率は43%と、前週から1%ポイント上昇。労働党の支持率は34%と横ばいだった。
保守党と野党労働党の幹部5人がそれぞれ匿名
〇労働党の地盤だったイングランド北部で保守党の支持が伸びている
〇保守党が20~35議席差で下院過半数を握る公算が大きいとみている。
→ 保守党の候補者は全員、首相のEU離脱案を支持すると誓約しているため、少数の差でも過半数を確保すれば、理論上は1月31日の期限までに英国はEU離脱を完了する見通し


OPECプラス追加減産で合意
〇OPECにロシアなど非加盟国を加えた「OPECプラス」が来年1─3月に協調減産の規模を50万バレル拡大する方針で合意

【独政局】
独SPD
〇党大会で、メルケル首相率いる連立政権にとどまる方針を決定するも、新指導部の連立継続交渉で突き付ける要求を承認
〇11月30日、新党首を選ぶ投票で、連立懐疑派のワルターボーヤンス氏とエスケン氏のペアが勝利したことで、メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立協定を再交渉し、社会的公正や投資、環境政策をより重視した内容に見直すことを求めていたため、連立政権の行方に不透明感が生じていた。
エスケン新党首
〇連立政権には懐疑的だが、継続の機会を与える

ポロズ・カナダ中銀総裁
〇来年6月の任期満了で退任へ

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