2019/12/03

2019年12月3日(月)昨日2日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年12月3日(月)昨日2日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

欧米株は続落、米10債利回りは伸び悩み、2年債は失速。為替相場はドル全面安!

トランプ氏はブラジル・アルゼンチンに鉄鋼とアルミニウムへの関税を復活。米中通商協議をめぐる不透明感は続き、米経済指標も弱くドル全面安で、NZD+AUDの上昇率が目立ち、英総選挙の世論調査を意識しGBPの伸びは弱い。

トランプ大統領は、ブラジルとアルゼンチンが自国通貨切り下げで米国の農民に不利益をもたらしていると批判。両国に対し鉄鋼とアルミニウムへの関税を復活させ、FRBに利下を要求しドル高をけん制。

中国は香港人権法が成立したことへの対抗措置を発表するも、米軍機・艦艇の香港立ち寄り停止や香港での暴力的な活動を支援したNGOへの制裁など非常にソフトで、米中共に米中通商協議のフェーズ1の合意に向けた動きを継続。

ただし、中国側は「合意は関税引き下げが条件」と譲らず。ロス商務長官は15日までに何も起きない場合「大統領は関税を発動する」とあり、表向きは牽制球の投げ合いは続く(個人的には何らかの合意で追加関税の実施は延期を期待)。

米国発の経済指標は、米製造業PMIは強めに出るも、注目の米ISM製造業景気指数は48.1(予想49.2 前回48.2)と予想外に大幅低下し、価格は強いが生産、新規受注、雇用は弱く、建設支出も弱い。

USDJPYは、アジア市場で付けた109.73を高値に110.00の大台トライ失敗。欧州市場では109.70、米国市場では109.61を高値にして、AUDJPY、NZDJPYを主にクロスでの円売りもあり、主要通貨でドル売りが強まる中でも、109.48~50をボトムに何とか下げ止まっていた。

米ISM製造業景況指数が弱く、建設支出も弱く、先週末のNY市場の安値109.40を割り込むとJPY買いが加速。トランプ大統領が「ブラジルとアルゼンチンに対し鉄鋼とアルミニウムへの関税を復活」との報道や、米中通商協議をめぐる不透明感も残り、米株安と債券利回りが伸び悩み軟化。主要通貨でドル売りが加速し、リスク回避でJPY買いも強まり、108.93まで続落し下げ止まり安値圏で推移している。

EURUSDは、ドイツはSPD党首選の結果を受け連立政権維持に危惧のマイナス材料はあまりテーマにならず。注目のラガルドECB総裁から積極的な緩和を示唆する発言はなく、「ユーロ圏の経済成長は軟調だが、消費は引き続き底堅く推移し、ECBの緩和策はなお景気支援の一助」、「労働市場の改善は継続し、消費者信頼感を下支え」とややポジティブ。これが要因かは不明ながら、底値を切り上げ、ランプ大統領の「ブラジルとアルゼンチンに対し鉄鋼とアルミニウムへの関税を復活」との報道もあり、米株が下落しリスク回避の動きもあり1.1089まで上昇し高値圏で推移。

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23:45    USD 11月 製造業PMI・改定値=52.6(予想52.2 前回52.2)

0:00    USD 10月 建設支出=前月比-0.8%(予想0.4% 前回0.5%)

0:00    USD 11月 ISM製造業景況指数=48.1(予想49.2 前回48.3)、生産=49.1(予想 前回46.2)、新規受注=47.2(予想 前回49.1)、雇用=46.6(予想 前回47.7)、価格=46.7(予想 前回45.5)→ 予想外に大幅低下し4か月連続で50割れ、生産、新規受注、雇用は弱く、価格は強い。

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トランプ大統領(ツイッター)
〇ブラジルとアルゼンチンに対し鉄鋼とアルミニウムへの関税を復活。
〇両国が自国通貨切り下げで米国の農民に不利益をもたらしていると批判。従って、両国から出荷される全ての鉄鋼とアルミニウムに対する関税を直ちに復活させる
〇FEBに利下げを要求、強いドルを懸念し、米金融当局に金融政策を緩和するよう重ねて呼び掛け、貿易問題と米金融政策批判を関連づけた。
→ 関税復活は米中の貿易摩擦において、米国に代わって中国に大豆など農産品を輸出する2国への報復に相当する。2020年に大統領選挙を控え、支持層の柱である農家を意識した格好だ。

【米中通商協議関連】
コンウェイ米大統領顧問
〇年内の米中通商合意はい依然として可能で、「第一段階」の協定文書が策定段階にある。年内の米中合意は可能かとの記者団の質問に「もちろんだ」と答えた。

トランプ大統領
〇香港人権法の成立によって中国との通商協議は容易ではなくなったが、中国は依然として米国とのディールを望んでいる。
〇中国は常に交渉している。中国はディールを望んでおり、米国は今後の様子を見守る。

米ニュースサイトのアクシオス
〇香港人権法が原因で米中通商協議が行き詰まった

ロス商務長官
〇1560億ドル分の中国製品への追加関税発動期限が15日に迫る中、関税回避に向け中国に残された時間は少ない。
〇15日までに何も起きない場合、大統領は関税を発動すると明言。トランプ政権が現在の関税を撤回する用意があるかとの質問には、中国の態度次第だと答えた

中国の環球時報
〇第1段階における中国の最優先事項が既存関税の撤回。
〇米国が12月15日に予定する追加関税の発動を取りやめると約束することが、既に発動済みの関税の引き下げに取って代わることはできない
〇米企業など「信頼できないリスト」近く公表へ。
〇新疆ウイグル自治区の人権関連法案が米国で成立し、中国企業の利益が損なわれるようになれば、中国は独自の動きを「加速する」

中国外務省は香港人権・民主主義法(香港人権法)が成立したことへの対抗措置を発表。
〇米軍機・艦艇の香港立ち寄りの申請のうけつけを無制限で停止。
〇香港での暴力的な活動を支援したとして、米国に本部を置く複数の非政府組織(NGO)に制裁を科す。
〇中国の主権を守るために必要ならさらなる措置を講じ

香港抗議デモ
〇選挙後初の週末に勢い増し、警察は再び催涙弾発射

ラガルドECB総裁(欧州議会の定例公聴会)
〇ユーロ圏の経済成長は軟調だが、消費は引き続き底堅く推移し、ECBの緩和策はなお景気支援の一助に。
〇労働市場の改善は継続し、消費者信頼感を下支え。
〇軟調の背景に世界的な要因があり、世界経済の見通しはなお不透明性が高く不確実。
〇ECBはマイナス金利政策の副作用に警戒感を持っている
〇ECBの政策見直しで、インフレ目標に主眼が置かれ、2%に近い水準の目標が有効か討議、シンメトリック(上下に対象的)な物価目標の導入についても検討。
〇気候変動対策も政策の中心に据える必要がある

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