2019/12/19

2019年12月19日(木)昨日18日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年12月19日(木)昨日18日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

早くもクリスマスムード満点。米国はスーパーチューズデーの売り上げ増を期待する中、トランプ大統領は弾劾訴追される見通しを意識。米株の上昇も続かず結局は大きな変化は見られず、米10年債利回りは一時1.93%まで上昇し1.92%台を維持。原油価格(WTI)は伸び悩むも61ドル近くで推移。

為替相場はクリスマス休暇シーズンを前にして通貨間で動きは異なる。USDCADがCPIの影響を受け下落、ジョンソン氏の2020年末で延期せず離脱表明にハードブレグジットの不安再燃でGBPUSDは弱いが何とか下げ止まり、EURUSDもフォロー。CAD高の影響なのかAUDUSD+NZDUSDは米国市場で上昇するも続かず。

EURUSDは、独IFOは96.3と予想95.4 前回95.1を上回るも、1.1140台に戻すのが精いっぱいで、逆に1.1110台まで値を下げる。米国市場に入り一時1.1134まで値を戻すも続かず、1.1110台をボトムにしながらも反発力は鈍い。

GBPUSDは、英総選挙で与党保守党が大勝し上昇していたが、今週は3日連続で下落。特にジョンソン氏が「EUとFTA成立の有無に関わらず移行期間が20年末で終了すると表明」してからは、GBPの利食い売りが続きアジア市場の1.3134をピークに1.3060まで下落。引き続き1.3050~00をボトムとして反発できるか? JPモルガンはハードブレグジットの確立は25%と「不快なほど高い」と予測しているが、一方では新たな貿易協定が締結される可能性の方は30→50%と上方修正している。引き続き期待感は健在。

USDCADは、カナダCPIの前年比は予想通りながら前回より強く、コアが強くでたことで売りに変化し、米国市場では1.3100台まで下落しようやく下げ止まる。10月29日の安値1.3042を視野にいれながらも、1.300~1.340のレンジ下限に近付きつつあり、今回はどうなるのか? 興味満点。

USDJPYは、終わってみれば大枠109.40~65のレンジで、大きな目では108~110のレンジを継続。今日はクロスでも円売り方向に動いていることもありビット気味ながら、直接的には米債利回りと株価の動きに連動。

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22:30    CAD 11月  消費者物価指数=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回0.3%)、前年比2.2%(予想2.2% 前回1.9%)、コア前年比1.9%(予想1.9% 前回1.9%)、コア・中央値 前年比(除く食品・エネルギー)=2.4%(予想 前回2.2%)、コア・トリム前年比=2.2% (予想 前回2.1%)→ 前月比は弱いが前年比、コアが上昇しCAD買いへと動く

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トランプ大統領弾劾訴追
〇ウクライナ疑惑でトランプ大統領の罷免を求める弾劾訴追の決議案の審議が議会下院の本会議始まる。日本時間の19日朝にも下院の多数派を握る野党・民主党の賛成多数で可決され、トランプ大統領は弾劾訴追される見通し。
〇決議案は一般の刑事事件の起訴状にあたり、トランプ大統領がみずからの政治的利益のためにウクライナに圧力をかけた「権力乱用」と、疑惑をめぐる議会の調査を妨害した「議会妨害」の2つを柱に、大統領の罷免を求める。

【米中関連】
〇中国、米製品輸入拡大でエタノール購入計画-香港通さない貿易採用も
〇中国:米農産品輸入への報復関税、免除措置を定期的に提供へ-関係者
〇ハイテク業界が震撼、米政府がファーウェイへの新たな販売制限を検討
〇中国地方債務の「連鎖反応」に警鐘-人民銀の馬駿委員
〇中国の流動性不安再燃か-春節控え債券市場にまた試練
プルの中国でのiPhone販売、11月に約30%減-ローゼンブラット
〇ビーガン米北朝鮮担当特別代表が19-20日に訪中、当局者と会談へ


【FRB関連】
ウィリアムズNY連銀総裁
〇今年の米経済の進展を非常に満足に感じており、来年の動向についても自信を持っている。
〇来年の米成長率見通しは約2%、失業率3.5%近辺にとどまり、インフレ率はFRBの目標である2%に近付くと予想。
〇通常年末にかけ、さまざまな要因から特定のレポ金利や金利を動かす圧力が台頭する。今年も同様の状況が発生するだろう

エバンズ・シカゴ連銀総裁
〇活力のある労働市場や消費動向を背景に米経済は「際立って堅調」との認識を示した。しかし、インフレ率が2%を下回り依然として懸念すべき低水準にあると

ブレイナードFRB理事
〇ソーシャルメディアのフェイスブックが計画するデジタル通貨「リブラ」には犯罪を手助けする潜在性があり、消費者と金融の安定を脅かしかねないと警告

バーキン・リッチモンド連銀総裁
〇FRBの政策はなお緩和的。第1段階の貿易合意が不確実性を和らげる可能性。信用の質劣化の兆候は見られていない。

【ECB関連】
〇ECBはより理解しやすいインフレ目標を導入し、より柔軟に達成を目指す必要がある。

【ブレグジット関連】
〇ジョンソン氏はEUとの新自 由貿易協定(FTA)の成立の有無に関わらず移行期間が20年末で終了すると表明して おり、離脱のあり方が再び不安視されている。

JPモルガン
〇EU離脱後の移行期間の期限である2020年12月末までに合意が得られない確率は25%と「不快なほど高い」が、新たな貿易協定が締結される可能性の方は30→50%と上方修正。移行期間が21年に延長される確率は40%から20%に引き下げた。→ ジョンソン英首相がEU離脱後の移行期間を20年以降に延長しない方針を示したことで、貿易協定が締結されないまま離脱するリスクが再燃。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバル・リサーチが資産運用担当者を対象に実施した12月の調査
〇世界経済の成長見通しがここ2カ月で25年ぶりの大幅改善となったほか、世界の株式に対する投資配分が1年ぶりの高水準となった。
〇 背景には、足元で米中などの経済指標が改善していることに加え、米中貿易協議や英国のEU離脱問題で一定の進展が見られ、地政学リスクが後退していることがある。

JPモルガン・アセット・マネジメント
〇世界的なリセッション(景気後退)の脅威が後退する中、新興国市場の債券と通貨に強気になっている。
〇リセッション確率を40%から25%に引き下げたと、ボブ・マイケル最高投資責任者(CIO)が四半期見通しリポートで指摘。米中貿易摩擦の緩和や、世界各国・地域の中央銀行が今年に入り金融緩和を進めたことを理由に挙げた。このため同社は新興国債券を最高の選択肢としており、ロシア、メキシコ、インドネシアやペルーの国債などを選好している。

早川元日銀理事
〇日本経済は軽い景気後退局面にある
〇来年前半には持ち直してくるとみているが、力強い成長は期待できない「実感のない回復」になると予想。
〇景気動向指数をみれば明らかに昨年の秋がピークだ
〇基調判断は3、4、8、9、10月と1年間のうち5カ月が悪化。10、12月もほぼ確実に悪化するので、どう考えてもこれはリセッションだ。


予測精度首位ストラテジスト
〇来年上半期の外国為替予想について、予測精度ランキング首位のストラテジストは、米ドルの強気相場はまだ終わっていないとみている。
〇7ー9月期の予想調査で予測精度が最も高かったラボバンクの為替戦略責任者ジェーン・フォーリー氏は、「テーマを1つ選ばなければならないとしたら、それはまだドルだろう」と指摘。「2020年の最初の数カ月間、ドルは市場が予想しているよりも強さを保ち、その後弱含む可能性があるが、それは市場が予想するほどではないだろう」
〇主要10通貨で予測精度が2番目に高かったウエストパック銀行も、ドルが来年、堅調なスタートを切って、やがて勢いを失うと予想。同予測ランキング第3位のバークレイズは、来年を通し、ドルは対ユーロで上昇すると見ている。

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