2019/02/07

2019年2月7日(木)昨日6日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年2月7日(木)昨日6日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)


トランプ氏の一般教書演説もサプライズはなく、原油価格、米株、米債利回りも大きな変化は見られず、VIXも15台で安定。

為替相場は一般教書で米中通商協議に関し期待した内容は見られず。一方、「ハト派変化」のロウ豪中銀総裁発言にAUDUSDは急落しNZDUSDも強く影響を受け、主要通貨でドル買いをリード。

AUDUSDは0.2746と高値にロウ豪中銀総裁は「豪経済の成長は依然トレンドを上回り、失業率は徐々に低下するというのがメインシナリオ」だとしながらも、「失業が増え、インフレの停滞が続く場合、利下げが適切になる」と発言。これまでの引き締めバイアスからシフトしたと市場参加者は判断、0.7230台→0.7170台へ急落、欧米市場を通じて続落し、終盤にかけては0.7110まで続落中。その影響に、NZDUSDも早朝の0.6905を高値に続落傾向は止まらず、NY市場の終盤では0.6829まで続落。

EURUSDも、トランプ大統領の一般教書演説への反応は鈍く、逆に欧州市場に入り弱い独製造業新規受注と欧州委員会のイタリア成長見通し1.2→0.2%への大幅引き下げ、イタリア長期債利回りは急伸し売り圧力が続き、予想外に赤字額が減少した米貿易収支もあり、続落傾向は止まらず。NY市場の終盤にかけては1.1362まで続落中。

GBPUSDは、一体ブレグジットの動きはどうなるのだろうか? 予想外に方向感は定まらず。ドル高の中でクロスではGBP高が目立っている。トゥスクEU大統領(バラッカー・アイルランド首相との共同会見)で、「英国のEU離脱を撤回できるとの考えは捨て去った」と、捨てぜりふ。7日にメイ英首相がブルッセルにいきEU側と会談するというも、バックストップを含む協定案の修正には応じない考えを再表明。そのような状況でも、GBPUSDは一日を通じて1.2930~80の狭いレンジで終始。よく理解できにくい通貨。

USDJPYは、AUDJPYの影響や日本株の影響、トランプ大統領の一般教書演説の影響だと思うが、結果的に110.00台を相変わらず定着できずにいる。JPモルガン・アセット・マネジメントのマルチアセットソリューション担当マネジングディレクターは、「円は歴史的な水準に照らしてまだ非常に割安という魅力がある」とし、「当社は基本的に、市場ストレスにもかかわらず円がこれまでとどまっている水準から、若干は上昇するとみている。今日のポートフォリオに組み込める比較的安価なヘッジ手段の1つだ」と言っているが、どうも私にとっては説得力に乏しいい。一日を通じて109.56~05のレンジで上下の変動幅が大きくなっていることが気になり、市場参加者の円相場への気迷い感が強いことが感じられる。ただし、積極的に円をロングにする状況とは感じられず。

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16:00    GER 12月 製造業新規受注=前月比-1.6%(予想0.3% 前回-1.0→-0.2%)、前年比-7.0%(予想-6.7% 前回-4.3→-3.4%)→ 予想外のマイナスへ

22:30    USD 11月 貿易収支=-493億ドル(予想-540億ドル 前回-555→-557億ドル)

22:30    CAD 12月 住宅建設許可件数=前期比6.0%(予想-1.0% 前回2.6→2.1%)

24:00    CAD 1月 IVEY購買部協会指数=54.7(予想56.0 前回59.7)

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【北米】
米下院金融サービス委員会は、パウエルFRB議長が2月27日に下院で金融政策や米経済情勢に関する半期に一度の議会証言を行う。

ムニューシン米財務長官は、中国と通商協議のため、来週に他の政府高官と共に北京を訪問する。前週の通商協議は非常に生産的だったと評価。ライトハイザーUSTR代表との交渉団が来週北京を訪問する。(通商協議ではこれまで、知的財産権の保護や強制的な技術移転の禁止、政府補助金の抑制などが焦点となっている。)

ライトハイザーUSTR代表はこの日、上院財政委員会のメンバーらと米中交渉などを巡り非公開協議を行った。協議に参加したスコット上院議員(共和)によると、ライトハイザー氏は農産物の購入が懸案の課題となっており、引き続き決着を目指していく考えを示したという。

米10年債入札、最高落札利回りは2.689%と18年1月以来の低水準。

トランプ大統領、一般教書演説で米朝首脳会談を2月27日、28日にベトナムで開催すると表明。

トランプ大統領、一般教書演説で、公約のメキシコとの「国境の壁」建設を「私が実現する」と改めて主張した。不法移民阻止で「道義的責務」強調。国境警備強化の必要性を指摘。壁予算を巡っては現在、与野党が協議中で15日までに合意できなければ、昨年12月~今年1月に続き政府機関が再び一部閉鎖に追い込まれる恐れがあるが、民主党は態度を硬化させたままだ。

トランプ大統領、一般教書演説で、外交・安全保障分野では、トランプ氏は「偉大な国家は終わりなき戦争はしない」と述べ、シリア、アフガニスタンに駐留する米軍の撤収に意欲を見せた。「『米国に死を』と唱え反ユダヤ主義を掲げる政権から目をそらすことはない」として、イランとの対決姿勢も鮮明にした。政情不安の続くベネズエラに関してはマドゥロ政権に退陣を改めて要求。離脱を表明した米露の中距離核戦力(INF)全廃条約に関し、中国を含めた後継となる新条約締結の可能性に言及した。

トランプ大統領、一般教書演説で、貿易摩擦が激化する中国に対しては「不公正な貿易慣行をなくすための構造的改革」を求めた

トランプ大統領、一般教書演説で、トランプ氏は大規模インフラ整備方針や医療費削減など民主党が協力しやすい政策課題も掲げ「対立解消」の印象付けを狙ったが、演説が米政治の停滞打開につながるかは不透明だ。

米貿易赤字は予想外に縮小、中国の赤字は11月に28億ドル減少して354億ドル、カナダの赤字は11月に13億ドル減少して8億ドル、台湾の赤字は11月に4億ドル増加して16億ドル、

11月の数字は、中南米(4.8ドル)、香港(2.6ドル)、イギリス(0.9ドル)、シンガポール(0.8ドル)、ブラジル(0.7ドル)で、何十億ドルもの黒字を示している。赤字は、中国(35.4ドル)、欧州連合(13.8ドル)、メキシコ(6.8ドル)、日本(5.7ドル)、ドイツ(5.6ドル)、イタリア(2.7ドル)、インド(1.7ドル)で、数十億ドルで記録された。 )、台湾(1.6ドル)、サウジアラビア(1.5ドル)、フランス(1.3ドル)、OPEC(1.2ドル)、カナダ(0.8ドル)。

【欧州】
トゥスクEU大統領(バラッカー・アイルランド首相との共同会見)は、「英国のEU離脱を撤回できるとの考えは捨て去った」、「現在の優先事項は合意なき離脱となった場合の失策を回避することだ」。アイルランドは「北アイルランドとの国境をめぐる混乱を避けるために、英国に法的保証を要請」。「英EU離脱はアイルランドと英国の問題でない」「欧州の問題で、離脱協定案の再検討が可能との考えは受け入れられない」と発言。

メイ英首相は、7日にブルッセルを訪問しEU側と会談する予定。議会は可決した離脱協定案の修正を求める考えだが、トゥスク氏とバラッカー氏はバックストップを含む協定案の修正には応じない考えを再表明。

一部報道、英国のEU離脱期限を5月24日まで延期する計画がメイ政権の閣僚らで話合われた。

フォックス英国際貿易相は、合意なき離脱時の関税のゼロ案を支持せず。「英メディアは、フォックス氏が輸入価格抑制のために同案を検討していると」との報道を否定。

S&Pは、英国の合意なきEU離脱では、英国の格付け見通しの引き下げにつながる恐れがある。

欧州委員会は、2019年のイタリア経済成長率見通しを11月時点の1.2%から0.2%に引き下げる見通し。

イタリア長期債利回りは3.74%と3週間ぶりの高水準、イタリアリセッション入りと欧州経済の鈍化。

【アジア・その他】
JPモルガン・アセット・マネジメントのマルチアセットソリューション担当マネジングディレクターは、「円は歴史的な水準に照らしてまだ非常に割安という魅力がある」とし、「当社は基本的に、市場ストレスにもかかわらず円がこれまでとどまっている水準から、若干は上昇するとみている。今日のポートフォリオに組み込める比較的安価なヘッジ手段の1つだ」

ロウ豪中銀総裁は、「失業が増え、インフレの停滞が続く場合、利下げが適切になる」。→ 「ただ、豪経済の成長は依然トレンドを上回り、失業率は徐々に低下するというのがメインシナリオ」だとしたが、経済の下振れリスクが強まる中、利下げに道を開き、これまでの引き締めバイアスからシフトした格好。→ この報道を受けAUDUSDは0.7230台→0.7170台へ急落ご0.7120台まで続落中。

豪中銀は2016年8月から政策金利を過去最低の1.50%で維持。ロウ総裁は繰り返し、次の動きは利下げよりも利上げになるとの見方を示してきた。しかし、総裁は6日、政策金利は上下どちらの方向にも向かう可能性があると発言。「ここ1年間は、次の金利の動きは下に向かうよりも上に向かう可能性が高かったが、現時点ではその可能性はより均衡しているもようだ」と述べた。

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