2019/02/10

今週の為替相場を考える

今週の為替相場を考える(2月11日~15日)

どうも最近の世の中は弱気が支配。ユーロ圏発の経済指標は弱く、ブレグジット協議もEUとメイ首相との溝は埋まらず。欧州委員会、BOEと豪中銀は成長見通しを引き下げ、豪中銀とロウ総裁は利下げの可能性も示唆、NZは雇用が悪化、米中通商協議は最終判断を下すトランプ大統領は早期の米中首脳会談を否定。(ただし、豹変する可能性はいつも存在)。

今週の主な材料でも指摘しているが、イベントでは2月14日~15日にかけて重要な決定が下される可能性が高く、金利・株とおなじく為替相場もその影響を受けることは間違いない。そのため決め打ちできにくく、結果を見てからの反応になりやすいのでは?

①ハイレベル通商協議(2月14日~15日)が北京で開催される。3月1日米中通商協議を延期する可能性も残るが、期限までに追加関税を阻止することができるのか? ドル相場のみならず金融市場全体にとっても変動要因であることに間違いない!
②米政府機関の暫定合意の期限(2月15日)となるが民主党とメキシコとの壁でなんらかの合意を得ることができるのか、それとも、非常事態を宣言し強硬突破を計り市場に波乱要因をまき散らすのか? 
③レッドサム英議会下院議長は、EU離脱に関する動議を討議する方針(2月14日)とある。1月15日に大差で否決されたEU離脱合意案の修正の採決となり、3月29日の離脱期限が延期されるのか? 間違いなくGBP相場の波乱要因!

世界的に金利低下傾向が続く中で、特に独を含めユーロ圏各国の株価は軟調で、ユーロ圏各国の債券利回りは低下し、為替相場もEUR売り圧力が続いている。もっと言えば、ブレグジットリスクは英国が初期的な影響は強いことは間違いないが、ユーロ圏経済に対しても影響は当然残る。現状では、イタリア経済の弱さが目立っており、フランスとの政治的な対立も。

ただ、欧州委員会の成長率予想の引き下げは、独11月成長率が1.8→1.1%に大幅に引き下げられ、ユーロ圏成長率が1.9→1.3%に引き下げられたことが要因とも言われている。また、これらの材料もとなっている供給制約は解消されており、すでに為替相場に織り込済みとの思惑も強い。



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USDJPY 【109.00~110.50】レンジを予想

短期的にはオシレーター系は中立ながら、オシレーター、MA共に中期的な円高の継続を示唆。テクニカルでは引き続き円高方向で変わらず。多分、年初の瞬間的な円高となる105円割れを期待していることであろう。

相場感は、どこまで続くのか、大枠108.50~110.00のレンジ相場。期待を込めてそろそろ、今週にこのレンジを抜け出すことを期待。きっかけは、米中通商協議の暫定的な合意を評価(ただし、潜在的な通商問題の解決は先送り)によるリスクオン=株高=円安相場に、110の大台が達成し、円安期待が一時強まるも、日米通商問題へとテーマが移ることもあり円安を加速させ継続するまでに強まりそうにない。


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EURUSD 【1.1250~1.1400】

オシレーター系は一部では中立や買も見られるが、MA系は強い売り圧力を維持し売りを示唆。

相場感は、どこまで続くのか、大枠1.3~1.5のレンジ相場。過去を振り返ると昨年11月以来、1.3を割り込み売り=失敗、1.5を上回り買い=失敗。一時的に抜け出す局面もあるが結局は1.3~1.5のレンジを維持。弱さが目立つユーロ圏経済指標と成長率予測の鈍化に、どうしても下値を試す動きを期待したくなり、一時的な底割れを期待するも、結局は元の1.3~1.5の継続を予想。

2月14日のEU離脱合意案の修正の採決となり、GBPUSDが動き、EURGBPが動き、EURUSDも動く可能性も意識。ただし、共にネガティブ材料を先取りEURショートになりやすく、その後の反動も意識。

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GBPUSD 【1.2850~1.3000】

オシレーター系は売り、MA系は買で、総合的に売り圧力は続く。

相場感は、1.2850~1.3000のレンジ相場を継続。2月14日のEU離脱合意案の修正の採決の結果を受けても、このレンジで底割れができなければ、反発では? 


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AUDUSD 【0.7000~0.7180】または、【0.6980~0.7180】

オシレーター系、MA系共に中期的な売りを示唆。

相場感は、根強いAUDブル派も、ロウ豪中銀総裁のハト派変化、中銀の成長率&CPI予想の下方修正にさすがにギブアップ。 ただし、0.7000の大台が維持できれば大崩れは期待できず。米中通商協議でなんでもいいが、改善傾向が示され、株価が反応すすれば、AUD買が反発することも意識したい。


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