2019/02/17

今週の為替相場を考える(2月18日~22日)

今週の為替相場を考える(2月18日~22日)

米中閣僚級通商協議は北京からワシントンに移動し今週も継続される。米政府機関閉鎖の閉鎖はトランプ大統領も署名し回避できたが、逆にメキシコ国境の壁建設費の確保に向け、非常事態宣言を発令したことで、なにがどうなるのか? 

それと、2月17日は米通商232条の提出期限。通商拡大法232条に基づき、自動車と自動車部品への追加関税賦課を検討、報告書の提出期限はやや忘れ気味ながら、どうなるのだろうか?

消極的な見方をすれば米国市場の動きを見守ることになりそうだが、週明け2月18日月曜は米国市場が休場となり週明け19日に本格的な値動きは持ち越しとなる。

ところで、先週金曜日の米国市場は株高でダウは年初来の高値を更新中で、米債利回りは短期から長期まで大きな変化は見られない。つまり、米3連休前の影響もあるかもしれないが、結果だけ論じれば、間違いかもしれないがそれらはサプライズでないのでは?と思いたくもなる。

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USDJPY 予想レンジ (109.65、95←110.20~110.90)

USDJPY相場は、連動性の最も高い米2年債利回りは底堅く推移し、続く連動性が高いダウやWTIを見ても、極端な円高や円安も期待できにくい。もっとも、米中通商協議で具合的な中国の対米黒字額削減案が示され、その影響が今後の日米通商協議へ影響を与える可能性が高くなれば、それなりに円相場が変動することは間違いなくリスクは円高。

12月21日のWeeklyチャートのギャップ111.20を受けきれず先週は失速。75日111.29、200日111.29と、これからもこの水準が円安の重要なポイントに変わりない。

Dailyチャートはオシレーター、移動平均共に買いの流れを示唆しているが、Weeklyチャートは逆に共に売りを示唆。市場のセンチメントが混在している。

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EURUSD 予想レンジ (1.1250~1.1380)

EURUSDは弱さが目立つユーロ圏発の経済指標、イタリア・スペインの政局不安、タイムリミットが迫りつつあるブレグジット交渉の動きなど懸念材料は変わらず。EURUSDと連動性が高い独10年債利回りは低下傾向が止まらず。当局者は最近の弱い経済指標は一時的との見方があるが今週も指標の結果で変動が続きそうで、市場は悪い材料を織り込みショートで臨んでいるのが気になる。

2月に入り1.13を中心として大枠1.1250~1.1350の狭いレンジで収れん。終値ベースでは1.1260をボトムに下げ止まっているが、下値を切り下げている。

Dailyチャートはオシレーター、移動平均共に売りの流れを示唆、Weeklyチャートはオシレーターが中立ながら、移動平均線は売りを示唆し流れがユーロ売りを継続中。

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EURUSD 予想レンジ (ブレグジット交渉の期待を込めて 1.2750~1.2950)

GBPUSDは予想通り14日に英議会は、メイ首相が先にまとめたEU離脱協定案の修正を求める政府方針を否決。英国とブレグジットに関する会合を2月18日に予定でその結果はどうなるのか? メイ首相はEUとの再交渉は求めない方針に転換したとの報道も伝わっていたが、2月27日の採決が次の焦点で、最近の動きをみると1.2800をボトムに下げ止まってはいるが?

Weeklyベースでは3週連続し陰線引け。積極的にGBPを買い戻し材料は残念ながら見えてこない。ただし、27日の採決に向けEUと英国と積極的な話し合いがもたれているので、その結果で予想外に変動するリスクも注意したい。

Dailyチャートはオシレーター、移動平均共に売りの流れを示唆、Weeklyチャートではオシレーターは弱いながら買へと変化、移動平均線は強い売りを示唆し、総合でも売りを示唆。


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AUDUSD 予想レンジ (米中通商協議の表面上の期待を込めて 0.7050~0.7200) 

AUDUSDは2月6日にロウ豪中銀総裁が、「失業が増え、インフレの停滞が続く場合、利下げが適切になる」と、サプライズ発言で急落し、2月8日の豪中銀の四半期金融政策報告で、先行きにかなりの不透明感があり、経済成長とインフレ率の予想を引き下げたことで売り圧力が続いていたが0.7050近辺をボトムに下げ止まり、0.7150近くまで値を戻している。

まだまだ下落スタート地点の0.7250まで回復できず、AUDUSDと連動性の高い豪米10年債利回り差からは、AUD買いの変化はまだ期待できにくい。ただ、サプライズは、ワシントンで再開の米中通商協議の結果で個人的には期待したいが? 

DailyチャートもWeeklyチャート共に、オシレーター、移動平均共に売りの流れを示唆し売り圧力は変わらず。


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