2019/02/24

今週の為替相場を考える(2月25日~3月1日)

今週の為替相場を考える(2月25日~3月1日)

米中閣僚級通商協議は二日間の予定を終わった後、3月1日の追加制裁期限を回避すべく、さらに二日間続けて協議が続けられている。今週の為替相場は「米中通商協議の合意の有無とその内容」と、「27日の新たなEU離脱合意の議会採決」と、「パウエルFRB議長の議会証言」の結果によって変わってくる。

米中間でなに合意をし(期限の延長を含め)共に自国での評価を上げなければならない必要性がある。停滞気味な中国経済のみならず、低迷している米経済の立て直すことでトランプ大統領の評価を下支えすることも目的であることは素人目でもわかる。

ムニューシン財務長官は「通貨では最終合意」に達したと言い、米CNBCは「3月下旬に首脳会談で協議し、中国は最大1.2兆ドルの米製品購入でコミット」とある。トランプ氏は「米中首脳会談がフロリダの別荘で3月に開催」との可能性を示唆。これで何らかの合意が無いと考えることに無理がある。

問題は、どのような内容で合意し次の合意期間の指定とその条件があるのか? その影響が日米通商協議に及んでくるのか? そして、市場参加者はその合意が円相場にとってどのように影響すると考えるのか? これを気にしたい。

今週は、これ以外にも、GBP相場にとって重要で、2月27日には「新たなEU離脱合意の議会採決」が予定されている。英国とEUは最終的な合意に向け前向きに交渉を続けていることはいろいろな報道から推測できるが、英政府の関係者からは採決の実施に関しては懐疑的な発言もある。この実施の有無と結果でGBP相場が変動することは間違いない。

それと、パウエルFRB議長の議会証言(26日、27日)は、過去のドル売り、米金利の低下に結びついた、1月4日の討論会での下振れリスクを考慮したパウエル氏の発言、1月30日のFOMCでのパウエル氏のハト派発言を思い出す。今回は他のFRBメンバーもハト派に変身していることもあり、サプライズにならないと思われる。

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USDJPY 動かなければ110.40~110.95円のレンジ。動きが大きくなれば、109.80~111.20のレンジ。

先週の円ブル期待は結果的に裏切られたが、レンジ内での動きにとどまっていることに間違いない。冒頭に書いたように今週は米中間でどのような合意ができたかにより円相場も変わってくる。その第一関門を抜け出しても、期日が直前に迫っての新たなEU離脱合意案の修正案採決となる27日の結果によりGBPJPY相場が変動し、USDJPY相場に影響を与える可能性も気になる。そして、もちろんパウエルFRB議長の半期に一度の議会証言も然り。

2月14日から大枠で「110.50以下は買い、111.00近くは売り」で、一日平均39ポイントの変動と、本当につまらない相場が続いている。そのなかで、先週はNZDJPY98ポイント、GBPJPY97ポイント、AUDJPY70ポイントの変動と、よっぽど興味深い。

USDJPYはテクニカルでは、オシレーター、移動平均線はDailyで共に買へと変化しているが、Weekly以降の中長期では逆にドル売りで円高方向を示しており、短期・中期のシグナルが混在していることにUSDJPY相場の市場センチメントを表している。

ちなにみ、GBPJPYはDailyでオシレーターは売り、移動平均線は買いでやや買いに分があり、Weeklyでもオシレーターは売り、移動平均線は買いで変わらないがトータルでは売りを示唆し、Monthlyではすべてが売りを示している。

オプションでは、USDJPY 25delta Risk Reversal   21:30現在のデータからも、3か月~12か月は円プットが若干ながら上昇か現状維持で、短期がやや円プットが若干ながら低下し、市場センチメントは短期横ばいからやや円売り、中期は円高を意識した動きとなっている。


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EURUSD 予想レンジ 1.2780~1.1380

今週は他の主要国と同じく、「米中通商協議の合意の有無とその内容」と、「27日の新たなEU離脱合意の議会採決」と、「パウエルFRB議長の議会証言」で動くことは間違いない。
 
ただ現状を見ると、独IFO業況指数は2か月連続し100を割り込み弱く、独PMIのサービス業は強いが製造業は弱いまま、独ZEW景況感調査はマイナス幅がやや縮小してはいるが、昨年4月からはマイナスが続いている。世界的に債券利回りが軟化する中で、独債の利回り低下が目立っているように思えてならない。

EURUSDは1.13を割り込みついに続落かと思われたが、先週は逆に1.1300台を回復しながらも、1.1350台超えの売り圧力に押され気味で強さは感じられず。EUR売りかレンジ相場の2者選択の相場に思えてならに。

テクニカルでは、Dailyはオシレーター、移動平均線共に売りを示唆。Weeklyではオシレーター弱い買いに変化しているが、移動平均線と総合では売りで変わらず。Monthlyでも共に売りを示唆したままである。

オプションでは、EURUSD 25delta Risk Reversal   21:30現在のデータからは、前週と先週末を比較すると全体的にEURプットが若干ながら低下気味で、それほど悲観的になっていないことがわかる。


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