2018/04/10

2018年4月10日(火曜)昨日9日、海外市場の動き

2018年4月10日(火曜)昨日9日、海外市場の動き

週明け月曜日の米国市場は、米株と米債利回りは大幅上昇を維持できず元の水準に逆戻りで終了。ドルは主要通貨に対して全面安で、円はクロスでは円安傾向が続く。

米株は、カドロー米国家経済会議(NEC)委員長が「中国との貿易摩擦の交渉で問題が解決する可能性がり、対中関税措置を実際に発動するかどうかはまだわからない」と楽観的な意見もあり、ダウは一時400ドル近く上昇するも、結局は+46.34(+0.19%)と小幅高にとどまり、NasdaqとS&P500も元の水準に逆戻りで小幅高にとどまる。米10年債利回りは一時2.811%まで上昇するも終盤にかけては上げ幅を縮小し2.785%(+0.0073)と前日とほぼ同水準で推移。2年債は2.283%(+0.012)と小幅高を維持。原油価格(WTI)は63.33+(2.05%)と上昇へ。

為替市場は、米株と債券相場の影響を受け、EURUSD+0.3%台、GBPUSD+0.3%近く、USDJPY-0.15%近くとドル売りへ。リスク敏感通貨のUSDCAD-0.6%近くと下げ幅が最も目立ち、AUDUSD+0.35%近く、NZDUSD+0.45%近くとドルは全面安の流れへ。

USDCADは、欧州市場の高値1.2819から、カナダ中銀の企業景況感調査でタカ派内容やNAFTA再交渉でメキシコ経済相の楽観的な見通しもあり1.2688まで下落。

USDJPYは、黒田日銀総裁発言後の107.20台を高値に、107.00を中心に大枠106.90~10の狭いレンジで推移から、米株が上昇幅を縮小しながら低下気味となると106.80割れから106.60台まで下落。引き続き106.50~107.50のレンジを維持しており、106.50のポイントを維持できるかを注目。

EURUSDは、1.2200の大台を維持した流れから、1.2250をボトムにし、アジア・欧州市場の1.2260台をボトムに、引き続き強気なECB理事の発言やEURGBPの買い戻しも強く、1.2300の大台を上抜け、テクニカルポイント1.2330近くとなる1.2327まで上昇し、高値圏を維持しながら大枠1.2310~30の狭いレンジで推移。1.2330~50のポイントを抜け出すかを注目。

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【北米】
トランプ米大統領(8日 ツイッター)=中国の知的財産侵害に対する制裁関税をめぐり「知財で取引は成立するだろう」。中国が貿易障壁を下げるとの見通しも。税金は互恵的になる。貿易紛争で何が起ころうとも、習近平国家主席とはいつも友人だ。

米中の動き=米国は中国に輸入品500億ドルに制裁関税を表明→中国が往復関税を発表→米国は1000億ドルの追加政策を検討へ。ただし、中国が知的財産侵害や対中貿易赤字の削減で譲歩すれば、関税発動を見直すとある。一方、米政府高官は、水面下で交渉中、貿易戦争の可能性を否定するなど、ブレーキを踏む動きも。

4月15日前後に公表予定の米財務省為替報告書を注目。米国は日本を「監視リスト」に指定済み。前回の報告書では「円相場が本来の実力より割安」と指摘、

4月17~20日、安倍首相が米国訪問し、トランプ大統領と会談。貿易不均衡是正で円高を求められるリスクも。

トランプタワーで火災(4月7日)=トランプタワーで火事が発生し男性1人が死亡、原因は不明。

NY連銀3月の消費者調査、期待インフレ率(中央値)=1年先2.83→2.75%へ低下、3年先2.88→2.91%と上昇。

トランプ大統領=米政府は北朝鮮と折衝を続けており、米朝首脳会談は5月か6月初旬に実施の可能性。

カドロー米国家経済会議(NEC)委員長=中国との貿易摩擦への対処で、EUや日本に支援を要請していなが トランプ大統領は受け入れに前向。交渉で問題が解決する可能性がり、対中関税措置を実際に発動するかどうかはまだわからない

メキシコのグアハルド経済相=NAFTA再交渉で80%の確率で5月初旬に原則合意に達する可能性。

米議会予算局(CBO)の財政赤字の試算=2020会計年度には1兆80億ドルと1兆ドルを超えるとの見通し。2018会計年度の財政赤字は従来の5630億ドルから8040億ドルに拡大する見通し。

カナダ中銀企業景況感調査=好調な販売見通しに支えられ、企業センチメントは引き続き上昇していることを示唆。最近の強い需要で大部分の地域で能力と労働に圧迫感が顕著。

【欧州】
ドラギECB総裁(9日のECB年次報告)=ユーロ圏の景気拡大は2018年を通じて力強いペースを維持。ユーロ圏経済の拡大は不透明感に耐え得る力強いもの。インフレ率は中期的に目標値に向かって収れんしていくと引き続き確信するが、経済に存在するスラックの規模には依然不透明性がある。従ってECBは「辛抱強く、粘り強く、慎重な」政策を維持し

クーレECB専務理事=景気減速はみられず、数年来の高水準記録後の予想された調整局面。最近一部の弱い経済指標でも金融政策の適合は不要。資産買い入れ終了後も長い期間、金利は現行水準が続く。

プラートECB専務理事=インフレは脆弱な状態が継続している。貿易環境は下振れリスクになる可能性。経済的なスラックは相当程度あると見ている。

【アジア・その他】
黒田日銀総裁=出口戦略については、タイミングや手順を検討する局面になく、市場との対話は時期尚早。5年間の任期中に異次元緩和の正常化プロセスを検討。大規模緩和の長期化による金融仲介機能などへの影響を注視し、必要に応じて対応する。強力な金融緩和の継続によって2%の物価安定目標の実現の「総仕上げを果たすべく、全力で取り組む。

中国外務省の耿爽報道官=貿易摩擦の責任は米国にあり、現在の状況下で交渉を行うのは不可能

複数の関係筋=中国は米国との貿易摩擦における対応措置として、人民元の段階的な切り下げを検討

ボアオ・アジア・フォーラム=10日に中国の周国家主席が演説

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