2018/04/12

2018年4月12日(木曜)海外市場の動き(午前5時35分ごろ)

2018年4月12日(木曜)海外市場の動き(午前5時35分ごろ)

米CPIのコア前年比は2%台と強く、FOMC議事録は期待を上回るタカ派で、シリアへ軍事行動リスクを経て、米株は弱く、米10年債利回りは低下する中で、FOMC議事録後にドルの買い戻しが強まり、円は他通貨を含め買いが強まるも限定的。

米CPIは前月比が予想外のマイナスと強弱混在ながら注目のコア前年比は2.1%(予想2.1% 前回1.8%)と強さを維持。FOMC議事録は、景気見通しは強まり段階的利上げが確認されるなどタカ派でドル買いが強まる。トランプ大統領は「シリアにミサイルが来る」とツイート、シリアへの軍事行動の可能性を強め、ロシアからの報復も懸念に、リスク回避の流れなの株価は弱く債券は買われ利回りは低下気味。

為替相場は、今週のメインイベント(米CPIとFOMC議事録)の結果を受けながらも、米中貿易問題の次の一手待ちと、シリアへの有志連合への軍事行動のリスクの高まり、株安と米金利の低下に動きは複雑。特に、円相場は政治的なリスクも加わり、動きはより不透明で円ベア派・円ブル派が混在。

USDJPYは、シリアへの軍事行動リスクの高まりのリスク回避と、日本の政局不安が「アベノミクス継続への不安」に結びつく動きへ。円ショートの巻き戻しが目立ち、早朝の107.25を高値に、米CPIを経てロンドンフィキシングには106.65まで下落。106.80台で迎えたFOMC議事録を受けたドル買いに107.06まで買い戻しが強まるも、107円台を維持できず、他通貨でも円の買い戻しのフォローもあり、106.80台で継続中。引き続き106.50~107.50のレンジ内で推移ながら、107円台の上値は重くなり上値が切り下がる。

EURUSDは、先にEUR買いのきっかけとなったノボトニー・オーストリア中銀総裁のタカ派発言の否定にもかかわらず底堅く、シリアへの軍事行動のリスクヘッジのユーロ買いなのか、アジア市場の1.2350台をボトムに1.2380近くまで上昇。注目の米CPIは、前年比は1年ぶりの高水準で、コア前年比は予想通りながら前回を上回るも、前月比は弱く予想外のマイナスと強弱混在の中で1.2400の壁を試す動きに1.2396まで上昇するも続かず。1.2370台で迎えたFOMC議事録は、予想外の強気の議事録の内容に、ドルの買い戻しが強まり、EURUSDは1.2347まで下落し反発へ。引き続き1.2350~00のレンジを模索中。

米株は前日終値を回復できず下落、ダウ-218.55(-0.90%)、Nasdaq-0.36%、S&P500 -0.55%と弱い。米10年債利回りは2.782%(-0.0211)とFOMC議事録を受けても前日終値を回復できず低下。原油価格(WTI)は66.77(+1.92%)と上昇。


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21:30    USD 3月 消費者物価指数=前月比-0.1%(予想0.0% 前回0.2%)、前年比2.4%(予想2.3% 前回2.2%)、コア前月比0.2%(予想0.2% 前回0.2%)、コア前年比2.1%(予想2.1% 前回1.8%)→ 前年比は1年ぶりの高水準で、コア前年比は予想通りながら前回を上回るも、前月比は弱く予想外のマイナスと強弱混在

23:30    USD 週間在庫統計=原油在庫330.6万バレル(予想-18.9万バレル 前回-461.7万バレル)

3:00    USD 3月 月次財政収支=-2090億ドル(予想-1850億ドル 前回-2152億ドル)

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【北米】
米当局筋=トランプ大統領は、米大統領選でロシア干渉疑惑を捜査しているモラー特別検察官の解任を検討

ムーディーズ、フィッチ=米国の対中輸入関税が中国経済に及ぼす影響は限定的で、交渉により解決する可能性が最も高い。ムーディーズは、貿易のGDP拡大で寄与度が低位化し、貿易かの衝撃から受ける直接的な影響は低下。

FOMC議事録(3月21日)=参加者全員が景気見通しは強まったとの見方で一致し、ほぼ全員が段階的な利上げが依然として適切と主張。参加者の多くは物価上昇率が目標の2%に向け高まると自信を深めていた。物価上昇率の下振れリスクは減ったと考える参加者が多数。前年同月比での物価上昇率は昨春以降の一時的押し下げ要因がなくなり今後数カ月で高まると予測。→ ただし、これらは予測に織り込み済みで、政策金利の引き上げペース変更を正当化するものではない。

FOMC議事録(3月21日)=数名は2%をやや超える物価上昇率は長期のインフレ予想を高めるのに役立つと主張。複数の参加者は景気見通しの強まりと物価上昇率の目標達成への自信から、今後数年のペースは当初の予測よりやや急なものになり得ると指摘し

トランプ大統領=化学兵器使用疑惑があるシリアに「ミサイルが来る」とツイッターに投稿。ロシアがシリアのアサド政権を支援していることを批判し「我々とロシアとの関係はいま、冷戦期を含んでも最悪だ」と指摘

【欧州】
ハンソン・エストニア中銀総裁=ECBは刺激策の引き揚げは極めて段階的に行い、引き続き忍耐強くある必要がある。

【アジア・その他】
易綱人民銀行総裁=ほとんどの金融市場開放策を6月末までに実施。金融分野へ外資参入を一段と容認。外資系企業が参入できる分野を急速に拡大する。2018年末までに信託・金融リース・自動車金融・消費者金融分野への外資参入を容認へ。中国、証券・資産運用・先物・生命保険会社への外資出資上限を数カ月以内に51%に引き上げへ。

易綱人民銀行総裁=中国は人民元を切り下げず、中国の金融市場開放は慎重かつ緩やかに。

中国証券監督管理委員会(CSRC)=中国本土(上海・深セン)と香港の株式相互取引の1日当たりの投資上限を5月1日から4倍に引き上げる

中国外務省報道官=習主席の国内経済のさらなる開放と、一部製品の輸入関税の年内引き下げは、米国との貿易摩擦とは無関係。

岸田政調会長=森友、加計学園問題で、行政が政治に関わっていたなら、共に信頼の問題に。

黒田日銀総裁=現在の長短金利差操作付きの量的・質的金融緩和を粘り強く進めていく。

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