2018/04/08

今週の為替相場を考える(4月9日~4月13日)


今週の為替相場を考える(4月9日~4月13日)

米中大国の貿易紛争は火ぶたが切られ、さらなる制裁・報復の動きと、水面下では妥協点を見出す動きも。 為替相場の変動は、米中間の貿易摩擦の影響を受けた、株価の変化に連動しながら、「株安=円高」の動きがより明確となる傾向が強く、トランプ大統領や政権の発言に翻弄される動きは変わらず。

貿易戦争を巡る思惑に相場が上下変動しながら、米中間の妥協を示唆する動きも円売り材料にされ、新年度入りの円売り需要が予想外に強くUSDJPYは上昇するも、安倍首相は、4月17~20日に訪米しトランプ大統領と会談の予定で、トランプ政権は「自動車輸入規制の強化を検討中」とWSJ紙の報道に、日米間の貿易不均衡是正の要求を考えれば、円安の動きも限定的と思われます。

今週13~14日にペルー(リマ)で開催の米州首脳会議ではNAFTA進展の思惑に、カナダドルが評価。トランプ大統領はこの会議で「パートナー国は中国ではなく米国であるべきと中国をけん制」との報道もあり、対中圧力を強める可能性が相場への影響を与える可能性も危惧。ポンドはインフレの高まりと5月の利上げ期待に予想外に底堅く推移し、GBPJPYは上昇し、EURGBPは下落気味。

通商問題ではクドロー米NEC委員長の発言が目立っています。「米国経済への打撃は、中国の抑圧的な慣行が原因で中国を責めるべき」と強硬発言が多い反面、「中国と通商協議を継続中で、米中間の通商問題は向こう3カ月以内に解決できる可能性」と裏で妥協の道を探っている可能性とその結果も重要に。

相場変動要因としては、4/11(水)の米CPIとFOMC議事録がメインで、次に4/11(水)の中国CPI、4/13(金)の中国貿易収支。米中貿易戦争へと発展するリスクの中で、中国の貿易収支の結果による反応を注目。

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USDJPYの予想レンジ【106.20~107.50】

新年度入りの円売り圧力と米中貿易戦争の発展リスク軽減を意識した円売りを継続中。米国の自動車輸入規制の強化の動きが現実化すれば、日本株安から一時的な円高の圧力を残すも、実質的な輸出の減少と企業収益の悪化を考えれば、将来の円売り要因にも。

ボリンジャーバンドは、1か月Upper=107.45、Basis=106.20、Lower=104.95位置し、先週に続きBasis~Upperレンジで推移、106.20~107.45のレンジに入りやすい。

Stoch RSIは、1か月でK=93.30、D=85.19と買いを継続中ながら、買われ過ぎゾーンに強い上昇トレンドの継続を除けば売り変転のリスクも。

移動平均線(MA)は、9日=106.48、36日=106.38、200日=110.63に位置し、短期線は中期線を上抜け目先はドル買いを継続中。

IMM通貨先物のポジション:【円】前週-3,668→3,572(7,240)
祝ショート脱出! 2016年11月29日の週から約2年半続いた円のショートポジションは極少数ながらロングへと変化。この変化は今後の円高を予兆しているのか? それとも、ただ単なる数字上の変化なのでしょうか? 今週からの円相場の動きを期待したくなります。ちなみに当日のUSDJPY終値は112.37円で、今回の集計日は106.60円。

USDJPYオプション 25delta Risk Reversal(21:30時)
1週間は前週-0.70→-0.55%とドルプット・円コールが低下、1か月も-0.95→-0.80% 3か月超も低下傾向にあり、円先高感が弱まる動きが続く。

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EURUSDの予想レンジ【1.2200~1.2350】

米国との金利差拡大や、EURGBPの売り圧力が強くEUR圏発の経済指標には強さが見られず、EUR売り圧力が続くも、ECBの9月の資産買い入れ停止や来年早々の利上げ期待は大きく変わらず、1月12日以降続く大枠1.2150~1.2550のレンジの下限を抜け出す動きも考えにくい。

ボリンジャーバンドは、1か月Upper=1.2421、Basis=1.2320、Lower=1.2218に位置し、先週に痛d気Lower~Basisのレンジで推移し、1.2210~1.2320のレンジに入りやすくなっている。

Stoch RSIは、1か月でK=13.16、D=21.20と売られすぎゾーンが続き、強いトレンドのある売りは別として買い変化する可能性も意識。

移動平均線(MA)は、9日=1.2300、36日=1.2321、200日=1.1945 位置し長期的なトレンドは上昇中で変わらず、短期線が中期線を下回り中期的に売りで1.2300~20での水準が上値のポイントに。

IMM通貨先物のポジション:【ユーロ】前週141,064→134,381(-6,683)
ロングNO.1の座は堅持。2017年5月9日からユーロロングの座は48週間続き不変。ポジションも13~14万コントラクト台と安定していますが、為替市場では集計日の終値1.2270と前週1.2402からユーロ安へと動いています。

EURUSDオプション 25delta Risk Reversal   21:30時
1週間は前週の-0.10→-0.15%と前週に3週間ぶりEURコールからプットへと変化した流れを継続。、1か月も+0.10→-0.05%へユーロプットへと変化。3か月超の長いところはユーロコールで変わらないが数字的には弱まっている。

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