2018/04/01



今週の為替相場を考える(4月2日~4月6日)

週明け月曜はイースターマンデーで欧州市場の多くは引き続き休場となりますが、米国市場はイースター休暇も明け先週末のソフト変動から、ハードな動きが期待できる反面、リスクを考えれば不透明感は脱しきれず。スタート・ダッシュとなるも方向性に自信が持てない状態のため、6日の米雇用統計とパウエルFRB議長発言までは、確信的な情報をもっている人以外はポジションを一方向に傾けにくい状況にあります。

【リスク】、米国の通商政策に揺れた動きも緩急使い分けるトランプ節に今一歩先が読めず、北朝鮮リスクも中朝トップ会談でリスク選好へと変化が生じたことは理解できるも、今後の米韓朝のトップ会談を待たなければ先が読めず、森友文書の改ざん問題も収束したのか確信が持てず。

【日米金利差縮小がどこまで続くのか】、10年債利回りは2月の2.95%を今回のステージで最高値にし、3月は2.84%を高値に2.73%台まで下落、2年債利回りは2.25%をボトムにFOMCの利上げや年内さらに2回程度の利上げ期待にもかかわらず停滞気味で、日米金利差は縮小へ。

【過去3か月の動き】を見ると、EURUSDは1月つけた1.2550台を高値にECBのユーロ高警戒感=ユーロ高阻止の動きもあり1.2150台まで下落から、9月の資産買い入れの停止と来年早々の利上げ期待もあり下げ止まり、大枠で1.22~1.25のレンジを脱しきれず中間地点の1.23台で推移。

GBPUSDも1月につけた高値1.4344からブレグジット交渉への不透明感に安値1.3458まで下落後、インフレ進行を危惧するBOEの自国通貨高を支持する動きや、5月の利上げ期待の高まりに底堅く大枠1.37~1.42台のレンジを継続。

一方、USDJPYは1月の113円台を高値にから、日米通商問題と安倍政権の支持率低下もあり、リスク回避の円買いで、米株は下落、米金利も低下、一時104.50台まで下落し105円割れをボトムにひとまず円買いも収束するも、3か月連続の陽線引けで円高傾向を維持。


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USDJPYの予想レンジ【105.80~107.00】

リスクの動きと日米株価に連動した動きを予想しながらも、今後のトランプ発言を気にした動きになることは間違いなく、6日の米雇用統計(+パウエルFRB議長講演)が目先の相場を占い重要なイベントで、3月30日の公表仲値となる106.24円は今後の節目となる可能性も意識。

突然の中朝首脳会談の実施と韓朝、米朝首脳会談へと発展する流れに、北朝鮮リスクは軽減され、日本株は週末ギリギリで大幅に回復し、ダウも23,500ドルで下げ止まり、米金利は低下傾向からようやく下げ止まり感も見られる。

懸念材料となっている米国の輸入規制の動き、特に中国に対しての強硬姿勢から裏交渉の動きも見られ安心はできないものの一時のリスク回避の動きもやや弱まっている。一方、日本に対してはFTA交渉との駆け引きで対日圧力が強弱する可能性は残り、円高へのリスク払拭できず。

ボリンジャーバンドは、1か月Upper=107.14、Basis=106.09、Lower=105.04に位置し、Basis~Upperのレンジで推移し、106~107.14のレンジで収まるか?

Stoch RSIは、1か月でK=79.07、D=53.06と買に変化し急速に上昇中。

移動平均線(MA)は、36日=106.52、200日=110.78に位置し引き続き下降中で、先週は一時36日MAを上抜けするも終盤にかけてこの水準を割り込み終了。

IMM通貨先物のポジション:【円】前週-21,999→-3,668(18,331)
歴史的変化の兆しなのか? それともリバウンドするのか? 2016年11月29日から70週間続いている円の売りポジションは、今回で売りNO.1の看板を下ろし3,668コントラクトまで減少。今年の1月19日の-125,536から減少傾向が続き、直近では前週の大幅減少を含め6週連続で減少しています。為替市場の集計日の終値を見ると106.528→105.328と円高へ。

『外貨ネクストネオ』で公表しているポジション動向は、3月22~23日のネット買い64%台からは低下しているが、3月29日にはUSDJPYは売り28.0%、買い72.0%、ネット買い44.1%と買いを回復中。『クリック365の公表ータから』3月20日時点で新鮮味は欠けるものの、USDJPYの買いポジションは94,492枚で過去5日間も8万台を維持。個人投資家の円先安観が強いことがうかがえる。

USDJPYオプション 25delta Risk Reversal   21:30時
1週間は前週の-1.35→-0.70%とドルプット・円コールが低下、1か月も-1.40→0.95% 3か月超も低下傾向にあり、円先高感が弱まる動きへ。

 
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EURUSDの予想レンジ【1.2150←1.2250~1.2350→1.2450】

欧州市場はイースターホリデーの4連休明け相場が再開すると、先週の1.2300を中心とした小動き相場が続くとは考えにくい。欧州とロシアとの外交官追放と報復の動きは気になるも、9月の資産買い入れ終了と来年早々の利上げ期待は強く、一時活発化したEUR高を懸念する当局者の発言も現在の水準では考えにい。テクニカルベースではレンジか下値売りのリスクがやや強いのが気になるも、政策的には緩やかな上昇は容認できると思われる。

ボリンジャーバンドは、1か月Upper=1.2347、Basis=1.2339、Lower=1.2242に位置し、Lower~Basisのレンジで推移し、1.2240~1.2340のレンジを抜け出すことができるか?

Stoch RSIは、1か月でK=42.86、D=60.14と買に高値から売り変化し下降中。

移動平均線(MA)は、36日=1.2334、200日=1.1921 位置し引き続き上昇中、3月に入ってからは36日MAを中心とした上下を継続中で変化は見られず。ただし、もみ合い終了後に続くことの多い急変の期待は徐々に強まっている。

IMM通貨先物のポジション:【ユーロ】前週132,739→141,064(8,325)
相変わらず人気は強くロングNO.1の座を維持。2017年5月9日から47週続いているユーロの買いポジションは、節目の15万コントラクトを何故か一度も達成できず、13~14万台を維持しながら安定した動きを続けている。為替市場では集計日の終値を見ると1.2241→1.2402とユーロ高傾向へ。

『外貨ネクストネオ』で公表しているポジション動向は、直近でもEURUSDの買い売り72.8%、買い27.25=ネット売り45.65と売り方向で変わらず。『クリック365の公表ータから』3月20日時点で新鮮味は欠けるものの、EURUSDのポジションは-52,447枚の売りで直近はやや減少気味。

EURUSDオプション 25delta Risk Reversal   21:30時
1週間は前週の0.00→-0.10%と3週間ぶりEURコールからプットへと変化するも、1か月超では変わらずから逆にEURコールが拡大し、ロングウィークエンドの下落リスクをヘッジしながらも、中長期的なEUR高を期待する動きは変わらず。

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