2018/04/07

2018年4月7日(土曜)昨日6日、海外市場の動き

2018年4月7日(土曜)昨日6日、海外市場の動き

週末金曜日、米雇用統計とパウエルFRB議長発言を経た動きは、株安、債券上昇(利回り低下)し、ドル売りへ。

注目の米雇用統計の非農業部門雇用者数は10.3万人と予想を下回るも、2月、1月は上方修正され、悪天候の要因で平均の14.3→15.9万人が仕事はできずとあり、数字はそれほどサプライズではない。平均時給は前月比・前年比共に弱かった前回よりも拡大へ。パウエル議長は利上げ継続の可能性を指摘するも、市場の反応は結果的にドル売りへ。

市場はどうしてもリスクが気になる動きへ。◎トランプ大統領は「1,000億ドルの対中追加関税の検討をUSTRに指示」、◎トランプ政権は「自動車輸入規制の強化を検討中」ともある。また、◎ノーセイ米農務省(USDA)次官は「対中貿易摩擦で農業関係を保護する政策を検討」。◎クドローNEC委員長は「中国の不公平な貿易慣行に対抗するため有志国同盟の結集を狙っている」と言うが、「中国と通商協議を継続中で中国とは貿易戦争を行っていない」とブレーキを踏むも、リスク回避の流れを止められず。

結果は、米株(ダウ)は-2.34%と大幅下落し、米債利回り(10年債)は2.8%を割り込み大幅低下。為替相場は週末の調整とリスク回避に、USDJPY-0.43%、USDCHF-0.48%と上昇、GDPUSDも+0.6%と強く、JPYはクロスでも対CHFを除き全面高へ。

USDJPYは、週末金曜日で米雇用統計とパウエル議長の発言待ちで動きにくい状況の中で、早朝はトランプ大統領が1000億ドルの対中追加関税の検討をUSTRに指示との報道に107.00まで下落。日本株に勢いは見られない中で、実需筋に加えテクニカルにも円売りの流れが強く107.46まで上昇し、107.40近辺で米雇用統計を迎えた。

米雇用統計の非農業部門雇用者数が弱く、平均時給がまずまずと強く、動きは複雑で107.10台~107.40の上下変動しながらも、ドル売りの流れが強まる。米株下落と米債利回り低下にリスク回避の円い戻しが強く連動しながら終盤にかけては106.78まで下落し、106.90台で終了へ。トランプ政権の「自動車輸入規制の強化を検討中」とのWSJ紙の報道も気になってしまう。

EURUSDは、欧州市場と雇用統計直後に1.2210台まで下落するも、米中貿易戦争へのリスクは残り、一週間続いたEUR売りの流れの調整の買い戻しも強く、前日の高値水準となる1.2290台まで上昇して終了へ。ただし、1.2300の大台は相変わらず回復できず、今週の高値1.2345を上回り1.2350を超えるまでは弱気なムードの変化も見えず。

米株は下落、ダウは-572.46(-2.34%)、NasdaqとS&P500も2%超下落へ。米債利回りは低下し、米10年は2.776%(-0.0558)、2年債も2.266%(-0.041)と下落。原油価格(WTI)は61.96-1.59(-2.5%)と下落。

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21:30    USD 3月 雇用統計: 失業率=4.1%(予想4.0% 前回4.1%)、非農業部門雇用者数=10.3万人(予想18.8万人 2月31.3→32.6万人 1月20→23.9万人)、労働参加率=62.9%(予想63.5% 前回63.0%)、平均時給(時間当たり賃金)=予想 前回26.75ドル、平均時給=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.1%)、平均時給=前年比2.7%(予想2.7% 前回2.6%)、平均週間労働時間=34.5(予想34.5 前回34.5)

21:30    CAD 3月 雇用統計: 失業率=5.8%(予想5.8% 前回5.8%)、雇用者数=3.23万人(前月比2万人 前回1.54万人)、労働参加率=65.5%(予想65.5 前回65.5%)

23:00    CAD 3月 Ivey購買部担当景況感指数=59.8(予想 前回59.6)

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【北米】
トルドー・カナダ首相=北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、大きく前進していると発言。

フリーランド・カナダ外相=6日にも米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表とメキシコのグアハルド経済相とワシントンで会合を開く

ノーセイ米農務省(USDA)次官=高まる米中貿易摩擦を受け、農業関係者を保護するための政策を検討

トランプ大統領=1000億ドルの対中追加関税の検討を通商代表部(USTR)に指示

トランプ大統領=メキシコ国境に最大4000人の州兵展開も
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長=中国の不公平な貿易慣行に対抗するため、市場メカニズムを信奉する「有志国同盟」の結集を狙っている。米国経済への打撃は、中国の抑圧的な慣行が原因だ。中国を責めるべきだ。中国は数十年間にわたってこのような慣行を続けている。文句を言うべき相手はトランプ大統領ではない

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長=中国の知的財産権侵害を罰すると警告。米国の立場を支えるべく他の主要国にも同調を求めていく上で、トランプ政権は今後もさらに取り組むべきことがある。有志による貿易同盟と言えよう。中国が何年間もルールに従っていないことは世界中の誰もが知っているだろう

トランプ政権(WSJ)=自動車輸入規制の強化を検討中。現時点では計画段階にとどまり、米環境保護局(EPA)当局者が政策の法的根拠作りに取り組んでいる

カドロー米国家経済会議(NEC)委員長=中国と通商協議を継続中。米中間の通商問題は向こう3カ月以内に解決できる可能性。米国は中国と貿易戦争は行っていない。中国への関税第2弾はまだ検討段階。中国は米国のテクノロジーを盗んでいる。

パウエルFRB議長=FRBはインフレの制御に向け利上げを継続する必要がある可能性が高い。関税措置が米経済見通しに及ぼす影響について言及するのは時期尚早。緩やかな賃金上昇で労働市場がひっ迫していないことを示す。今春には前年比のインフレ率は顕著に上昇するはず。インフレは中期的に2%付近で落ち着く。

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