2018/04/29

今週の為替相場を考える(4月30日~5月4日)

いよいよゴールデンウィーク突入! 今週は日本勢が休みの間に海外勢が何を仕掛けてくるのでしょうか? 日本は連休で最も仕掛けやすい通貨は円なのですが、3連騰後に109円台の円安水準で伸び悩んでいる円相場を積極的に攻め切れるかはやや疑問。むしろ、相場変動率が高いGBPやNZDの動きがよりクローズアップされそうなムードも。

さて、今週も相場変動のテーマは豊富です。
◎ 南北首脳会談後の変化と米朝首脳化に段への動き
◎ 早期利上げ期待が遠のく英国
◎ 緩やかな緩和縮小のEUR
◎ 緩和継続を示唆するJPYBOE
◎ 年内後2度の利上げが期待できるFRB
◎ 今週のメインイベントのFOMCと米雇用統計の結果待ち
◎ 成長の鈍化が予想されるドイツ
◎ 気になるイラク核合意見直し

北朝鮮問題では、歴史的な南北首脳会談が終わり米朝首脳会談へ期待感が膨らみ緊張緩和へと動く一方、対イラク問題ではトランプ大統領が設定した5月12日の核合意見直し期限が迫りつつあり、次の火だねとなる可能性も気になります。

金融政策の違いもドル買いをフォロー。日銀は「早期緩和の縮小」の動きはられず、BOEは「5月の利上げ期待が遠のき8月も五分五分」で早期利上げ期待は弱まり、ECBは「9月QE縮小と来年の利上げ」が主流で早期緩和縮小の可能性は低く、年内後2回の利上げが期待できる米国と他国との金利差拡大をテーマに投機的なドル買いがどこまで続くのでしょうか? 

米10年債利回りと米株の動きはいつもながら重要で、その流れを確認できる、2日(水)のFOMCと、週末4日(金)に発表の米雇用統計は非常に重要となっています。


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USDJPYの予想レンジ【108.30~109.50】


USDJPYは米中貿易摩擦の火種は残るも、日米貿易摩擦の具体的なプレッシャーは今のところ見られず、北朝鮮リスクは大幅に低下。貿易摩擦期待や地政学的リスク回避期待による円高期待の反動と米金利の上昇に5週連騰で円安傾向は止まらず。2月上旬の水準へ逆戻りするも109円台前半での取引を3日間続け、直近2日は陰線引けで109円の大台を何とか維持するも109.50越えは重く110円が大きな壁で下値リスクも。

200時間MAは108.30で上昇を続けるも、9時間、36時間は逆に売りへと変化し短期的には売り圧力が続く。200日MAは110.24で緩やかに低下中。36日106.88、9日108.27円にあり、円高方向へ動いた場合には108.30円が目途へ。

CFTCのIMM通貨先物ポジションから 【円】前週2,591→583(-2,008)
4月3日に2016年11月29日以来、実に70週続いたネットショートポジションからの脱却にもかかわらず、ロングは小幅で限定的な水準にとどまり3週目にしてほぼニュートラルは水準へと逆戻り。円先安センチメントが復活するのか? 連休明けの動きを注目。

USDJPYオプション 25delta Risk Reversal(21:30時)
前週比、1W-0.50→-0.45%、1M-0.75→-0.65%へ縮小、3か月も小幅縮小するも、長期は逆に拡大へ傾向にあり、連休中の円安リスクを意識しながらも中期的な円高期待が残っている動きへ。


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EURUSDの予想レンジ【1.2000~1.2300】

EURUSDは予想外に慎重なECBの緩和縮小、米国との金利差拡大とEURロングの巻き戻しに、1月下旬から続く1.22~1.2550の持ち合いから下放れし過去15週の安値を更新し1月上旬の水準となる1.2050台へ逆戻り。ただし、9月のQE縮小と来年第一四半期の利上げ期待は変わらず残り、今回の上昇がスタートした1月12日の1.2020~30が意識され1.2000の大台は堅そう。

200時間MAは1.2251にあり低下し、36時間1.2114、9時間1.2108にありやや反発気味。200日MAは1.2008にあり緩やかに上昇を続け、逆に9日、36日は売り続き1.2000が非常に重要なポイントでこの水準を維持できるかを注目。

CFTCのIMM通貨先物ポジションから 【ユーロ】前週151,476→130,594(-20,882)
圧倒的なロングでNO.1の座を維持し、2017年5月9日から51週続くユーロロングポジションの座は変わらず。ただし、ポジションの水準は約一月前の水準へと減少し3月20日以来上昇傾向が続いたユーロロングの増加傾向も一休みで、この流れが今後も続くのか注目。

EURUSDオプション 25delta Risk Reversal(21:30時)
前週比、1W0.15→-0.60%、1M0.15→-0.30%、3M0.25→-0.15%とユーロコールからプットへと変化し、6M超も大幅に低下しユーロ安の動きへと変化。


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GBPUSDの予想レンジ【1.3700~1.3850】

GBPUSDは弱い経済指標が続きついに5月の利上げ期待は薄れ8月の利上げにも疑問符が生じ、2週前の最高値の1.4377から上昇トレンドが崩れ過去14週の安値を更新し1.3748と1月下旬の水準へ逆戻り。先週末の弱い英GDPに1.3900を割り込み続落し、ロングポジションもはけ、3月1日の安値1.3710台と、1月12日に上昇が開始された地点の1.3600は堅そうに思える。

200時間MAは1.3876にあり下落中で、36時間1.3876で下落中、9時間1.3780にありこの水準近くで終了。200日MAは1.3523にあり緩やかに上昇週で、36時間MA1.4058を割り込んでから売りが加速中。週足では200週MA1.4209、36週MA1.3586にありこのレンジ内での流れを継続中。

CFTCのIMM通貨先物ポジションから 【ポンド】前週47,702→37,365(-10,337)
2017年11月21日以来22週ロングの座を維持。ただし、過去6週連続して続いた前週比での増加も、弱い経済指標が続いていたこともあり、BOEメンバー発言からはハト派の発言も多くネット・ポジションは減少し強さに陰りも見られていた。

GBPUSDオプション 25delta Risk Reversal(21:30時)
前週比、1Wは前週にプットからコールへと変化し、-0.25→0.20%、1M-0.30→-0.25%へ、長いともろもプットがやや低下気味。