2020/11/22

今週の為替相場を考える(11/23~27日)

 今週の為替相場を考える(11/23~27日)


欧米のコロナ感染の再拡大(最近は日本でも!)=行動規制の強化=景気鈍化=金融緩和期待とネガティブ材料が、コロナワクチン期待のポジティブ材料を上回りリスク回避へと動き、次期米財務長官の人選ではブレイナードFRB理事も有力視されており、周囲を見渡すと、今週は円高を予想し期待する発言や動きが目立つ。


直近の相場を見ると、米株と米債利回りとEURUSD、USDJPYを含め主要通貨との連動性が非常に高くなっており、言い換えれば景気期待と金利動向に素直な相場展開で、直近の米株安+米金利の低下にドル安へと動いていることがわかる。一方、NZDUSDは原油価格や金価格などの商品価格との連動性は高いものの、他の通貨や株式・金利との連動性は見られず、ウイルス感染の抑制やさらなる緩和期待の弱まりに、独自の動きが非常に強いことがわかる。


CFTCのIMM通貨先物のデータからは、主要通貨のロングポジションが減少し主要7通貨ペアのネットロングが減少する中で、為替相場は直近ではドル安傾向と相反する動きとなっている。要因としては11月9日にファーザーのコロナワクチンの有効性が示されドルが急騰した流れの影響を受けていると思われる。


今後の動きを見ても、コロナ感染拡大とワクチンの期待、主要国の金融政策の発表、バイデン政権の人事発表、12月14日の選挙人による投票と、12月の前半まで重要なイベントが多数あり、来年1月20日のバイデン次期大統領の就任式まで気を抜けない相場が続きそうである。


USDJPYは、米大統領選の決着期待はあるが、コロナワクチン期待=リスク選好の円売りの動きは予想外に弱く、逆に米株の伸び悩み、米債利回りの軟化に103.80台の動きとなっている。ただ、9日にファーザーのコロナワクチンが有効性を示され急伸した水準の103.10台に届かず、当面はこの水準をボトムに104.50を上限とした動きを考えたい。


EURUSDは、ECBの追加緩和、欧州復興基金の承認問題、英EU通商協議、コロナ感染拡大とワクチン期待と不確定要因が多数。結果として、1.1750~1.1900のレンジを抜け出せず、先週も1.18~1.19の100ポイントレンジに収束しており、今週のこのレンジ内での取引を予想しちるが方向性はEUR高で、9日の高値1.1920これを試す動きを期待しているが。


AUDUSDは、1.7250~1.7350のレンジを抜け出せず、今週もこのレンジ内での取引を予想しており、9日の高値0.7340が大きなポイントに。一方のNZDUSDはコロナ感染抑制と緩和姿勢も弱く、買い選好されている。結果、AUDNZDは11月5日の1.0759→1.0510台まで大幅続落中で、NZDJPYも最近の円高傾向にも関わらず、続伸している唯一の通貨。


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