2020/11/01

今週の為替相場を考える(11/2~6日)

今週の為替相場を考える(11/2~6日)


今週は米大統領選という大変動要因を抱えており、現時点のファンダメンタルズやテクニカルで考えることも難しい。現時点で考えられる金融政策の取り巻く環境の違いからは円買いtと考えるが、あまり自信もない。


米大統領選を前にした、最新27日のIMMポジションを見ると、主要7通貨の合計で5週連続し通貨のロングが減少(ドル高思考)しており、リスクヘッジの代表格となる円のポジションも増えることはなく、小幅なロングで変化は見られず。このポジションの動きを見ると、米大統領選のサプライズを意識したドル売りは皆無と考えてもいいだろう。いや、両サイドのリスクが内在していることで動いていない状態ではないだろうか?


トランプ氏が再選されるのか、それともバイデン氏がとって変わるのか? それとも共に敗北を認めず最高裁の判断を仰ぐ泥沼化の状態となるのか? また、上下両院議員の選挙の結果はどうなるのか? 今まで通り上院は共和党、下院は民主党が過半数をとることができるのか? それとも民主党「ブルーウエーブ」などのサプライズがあるのだろうか? 


いずれの結果となるのかで今後の為替相場を考え直さなければならない。また、今後は期待されながら結論が出せないでいる大統領選後の追加経済対策の動きも株価の変動に共にドル相場にとって重要。


11月5日(木)のFOMCは米大統領選・議員選の結果次第であることは間違いないが、サプライズがないとの前提とすれば、FFレート0.0~0.25%の据え置きが固いと思われ、ECBとBOEとの金融政策の違いにドル買いが強まる可能性も意識したい。


11月6日(金)の米雇用統計も大統領選の結果次第でFOMCの翌日の発表となることで、失業率、非農業部門雇用者数、賃金等の変化は変動要因ではあるが、今回データは過去のものだと言われ無視される可能性も無きにしも非ず。


GBPUSDは、米大統領選・議員選の結果が大前提となる。また、11月5日(木)のBOE金融政策委員会も重要で、資産買い入れ枠7450→8450億ポンドと1000億ポンドの増額が予想されている。政策金利0.1%を引き下げることは考えていないが、インフレ報告ではインフレ率の上昇の遅れが指摘されやすく、英EUの通商協議のゆくヘとコロナ感染拡大と三つ巴で考えなければならない。


EURUSDも、米大統領選・議員選の結果が大前提となる。また、先週10月29日の理事会では、ラガルド総裁自らコロナ感染再拡大=経済成長の鈍化+低インフレに対応するため、「緩和するぞ」と宣言しており、12月10日の次回ECB理事会まで間があるが、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の拡大に加えて、条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)の期間延長や預金金利の引き下げが含まれる可能性や、コロナ感染拡大とこちらも三つ巴で考えなければならない。


USDJPYも、米大統領選・議員選の結果次第。バイデン・トランプ両氏のいずれが勝利するにしても、大統領選後の米政局の混迷が続きそうである。今週緩和が期待されるBOEとRBA(豪中銀)や、追加緩和が宣言されている次回ECB理事会、欧米のコロナ感染再の急拡大などのリスク要因ありJPYにとっては有利な材料ではないだろうか? 投機的な円ロングポジションは予想外に少ないこともJPYにとってプラスに動く可能性も。