2020/07/11

2020年7月11日(土)昨日10日 海外市場の動き

2020年7月11日(土)昨日10日 海外市場の動き

中国・アジア株安と様変わりで欧米株は上昇しリスク回避の流れも若干変化。ダウはギリアド社が「レムデシビル服用患者の74.4%が14日以内に回復」との報道を受けた株高へ、前日比+1.44%(+369.21ドル)上昇。米10年債利回りは0.64%台へと上昇中。原油価格(WTI)はIEAが需要見通しを上方修正し40ドル台を回復し40.50近辺で推移。

肝心の為替相場も、米中間の対立と制裁の動を懸念しながらもアジア市場の株安にドル買い傾向が続いていた。欧州市場に入りレムデシベル報道を受けた株高の流れが強まり、ファイザーとビオンテックが共同開発している新型コロナワクチンが「年末までに承認申請に向けた準備が整う見通し」と報道のポジティブ材料も加わる。結果、ドル売りの流れが再開されロンドンフィキシング近くではドル売りのピークを迎えた後は、週末相場に逆戻りで動きは緩慢に。

ドルにとってネガティブ材料はいつもながら多数存在し変わらず。加え、トランプ大統領は「対中貿易合意の第2段階の交渉はもはや考えていない」と発言。トランプ政権は来週「南シナ海の緊張悪化に関連した公式の立場を発表する」とのことで、米中間の対立がさらに強まる可能性も気になる。

USDJPYは、アジア市場の株安や米中間の対立と制裁の動を懸念したリスク回避に今回はJPY買いが選好されたというより、クロスでの円ショートポジションの巻き戻しと思われるが、欧米市場でその流れは続かず。レムデシベル報道直後の106.65をボトムに米国市場では109.95まで値を戻し終了。クロスでも円買いから円売りへと変化。

EURUSDは、1.1255をボトムに1.1325まで上昇し1.1300近辺で推移。7~8日のEU首脳会談を前にして、予算と復興基金で速やかに合意できるのだろうか? 市場では可能性は低いとの意見も多いがドイツは合意に向け積極的に行動中。また、来週のECB理事会では金融政策の据え置きが主流で、いずれPEPPの規模を1.35兆ユーロからさらに0.5兆ユーロ拡大の声も。EURにとってネガティブ材料は織り込み済みのように思えてならない。

GBPUSDは、欧州市場の序盤の1.2567をボトムに、レムデシベル報道後の1.2585まで下げるも結局はフィキシングに向け1.2664まで上昇し1.2620台で推移。ムーディーズは英国経済が被る打撃は「先進国中で最も大きい」とあり、ドイツ政府幹部は、英国が昨年EU離脱合意の中で交わした約束を守っていないと非難し、「将来の通商関係を巡る交渉が破談に終わる事態に全関係者が備える必要がある」と発言している。

USDCADは、雇用統計の失業率は12.3%と予想を下回るも前回から大幅低下。新規雇用者数は95.29万人と伸びは強く、一時1.3570台までCAD買いが強まるも、1.3627まで上昇し1.3590台で推移。1.3500の200日MAを割り込むとCAD買いが再燃するのだが?