2020/07/02

2020年7月2日(木)昨日1日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2020年7月2日(木)昨日1日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

米国の新型コロナウイルス感染が再燃している米国。香港では国家安全維持法が執行され7月1日の香港返還記念日には多くの逮捕者が出ていた。米政府は新疆ウイグル自治区のイスラム教徒に対する人権侵害を巡り中国高官に制裁を科す準備をするなど、トランプ政権の意図的な行動なのだろうが米中対立のリスクは気になる。

FOMC議事要旨(6月10日)は、リセッションを回避すべくあらゆる手段を行使する広範囲な合意があったが、注目のYCCでは必要性に多くが疑問をもったとあったとり、YCC支持派にとってはネガティブ材料に。

ダウは−0.3%(-77.91)と小幅低下するも、Nasdaqは+0.95%、S&P500 は+0.5%と上昇。原油価格(WTI)は40ドル台を維持できず39.72ドル近くで推移。米10年債利回りは0.671%近辺で推移。

為替相場は、一日を通じてドル売り傾向となったが、ドル売り傾向が強かったアジア&欧州・米国市場の序盤では、強い米ISM製造業景気指数後もドル売りは続いた。予想外に堅調な米株を意識したのか? ドル売りも弱まり、FOMC議事要旨発表後も大きな変化は見られず。

ただし、GBPUSDだけは上昇傾向は止まらず。メルケル独首相が「英国との離脱協議が物別れとなる場合にEUは備えるべきだと主張」とネガティブ発言があったが、1.2490台と前日(30日)の安値1.2250台から2連騰。EURGBPやGBPJPYの買いも続き前日比で0.62%近くの上昇で強さが目立っている。

USDJPYは期末の円売りも収まり、懸念の日銀短観も期待通り弱い結果となり目先は悪材料が出尽くしで、JPYショートポジションの巻き戻しが主流。東京仲値直後の108.16をトップに欧州・米国市場では107.37まで円高が進み、戻り高値は107.60を予想外に限定的で、JPYクロスではGBPJPYを除く円高傾向を維持。

米ADP雇用統計は236.9万件と予想に届かなかったが前月分が−276.90→+306.5万件へ改訂とサプライズ。米製造業PMI・確報値は49.8と速報値と前月を上回り、米ISM製造業景気指数52.6と1.2年ぶりの高水準となったが、逆に米建設支出は−2.1%と予想1.0%から予想外の落ち込みとなった。

仏・独圏製造業PMIは速報値を上回るもユーロ圏は50.1と速報と変わらず。ラガルド「ECB総裁は「経済は最悪期を脱したが回復の道のりは困難」と警告。パネッタECB専務理事も「長期的な回復は依然リスクにさらされている」と指摘。

メルケル独首相は「英国との離脱協議が物別れとなる場合にEUは備えるべきだと主張」とネガティブ。また、「復興基金とEUの次期予算を巡る交渉で、加盟国の隔たりは依然大きい」とこちらもネガティブ。17日のEU首脳会議で、7500億ユーロ(約90兆円)の復興基金設立は、EUR買い相場にとっては必至の材料。