2020/07/05

今週の為替相場を考える(7/6~10日)

今週の為替相場を考える(7/6~10日)

長期のチャートを眺めていると、金価格、上海総合、Nasdaqの上昇が特に目立っており、リスクを意識しながらも、一部で懸念されているような株式市場への資金流入が止まる傾向は見られず。中南米、米国は一部の州や豪州も新型コロナ感染が再拡大しているが、いまのところ経済活動を止める動きもなく、ワクチン開発期待の影響なのか市場の反応は冷静。

通貨は総じてレンジ内での取引で、EURが弱い反面、GBP、NZDは強く、特に米中対立(中国の香港人権民主法やウイグル人権法を発動、米中ともに南シナ海で大規模な軍事演習実施、米財務省の中国為替操作国再認定の可能性等々多数存在)にCHFはリスク回避通貨として選択され比較的強さが目立っている。また、原油価格のもち直しを背景とした、資源関連通貨のCAD、AUDも健闘しており、この流れがどこまで続くか確かめたい。

EURUSDは、買い材料となっていた7500億ユーロの復興基金設立がオランダや北欧諸国との対立でめどが立たず失速。20日MAを割り込みクロスでもEURCHFやEURGBPでEUR売りが目立っている。ただし、17~18日のEU首脳会議でメルケル独首相の説得に何らかの妥協と合意を期待しているためか、1.168をボトムに1.12~1.13のレンジ内での取引が予想されやすく、この材料を注視して取引を考えたい。

GBPUSDは、英EU通商交渉では相変わらずネガティブ発言が多く難航するも、英仏首脳会談後から持ち直し気味でジョンソン首相の経済立て直しを目的としたインフレ投資計画もポジティブ材料で、1.2250台から1.2500台まで持ち直してるが、この水準が重要。GBP売りの主役となっていたEURGBPも0.92を前にして失速してからは0.90まで下落し、0.9をボトムに反発できるか? 

USDJPYは、日銀短観の予想通りの悪化、GPIFは17.7兆円の運用損(1~3月期)で、2019年度威は8.28兆円の損を発表していたが、大きく円安に振れることもなく、107円台ミドルでの取引が続いている。いまのところ円安傾向を抜け出せないでいるが、クロスで通貨により強弱混在で、極端な円安は期待しておらず、107~108のレンジで下値を試す動きを継続すると思われる。

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