2020/07/19

今週の為替相場を考える(7月20~24日)

今週の為替相場を考える(7月20~24日)

EU首脳会議は2日間で結論を出せず、19日にも協議継続とのこと、結果を待ちましょう!

ご存じの通り、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動はボトムから反発しつつあるも、為政者が期待するV字型の回復からU字や「ナイキのマーク」型に期待感は移行しているのも最近の経済指標を見ると事実で、最近ではコロナ以前の経済水準を回復するのは来年になるとの見通しが一般的。

一方、米株はNYダウが27,000ドルで伸び悩むも、S&Pは3200ドルの壁を上抜け、Nasdaqは最高値を更新するなど、米国のみならず世界的に株高傾向となっている。コロナで閉塞した経済が今後拡大することの期待感もあるが、経済対策に回っている膨大な資金が、マイナス金利・ゼロ金利を避け、債券市場を避け、タンス預金を避け、米株に向かっていると言われている。

原油価格は、経済活動の再開による需要の伸びは予想ほど期待できず40ドル近辺で上昇力が弱まり、逆に金価格は先週末の終値でも1800ドル台を上回り安全資産とリスク回避の投資先として選好され上昇傾向は止まらず。

それじゃ、為替相場はと言えばCHFは強く、USDCHFが0.9400を割り込み、週足で見ればまだ余裕があるとはいえ、0.9200割れとなった3月中旬の「新型コロンウイルスの感染拡大=世界的な株価急落」時に次ぐCHF高で、市場は金価格の上昇と合わせリスク回避の動きが続いており、この流れは続きそうである。

EURも強く、EURUSDも終値ベースで1.1400台を達成し、3月中旬の1.1500直前まで上昇した以降の最高値で、週終値ベースでみると2019年1月以来のEUR高となっていることは非常に印象深い。1日延長されたEU首脳会議の結論で相場変動する可能性が高いことは間違いないが、先週末時点でもEU首脳会議で復興基金案が合意する可能性が低いと思われている中で、EUR高であることを考えると、引き続きEURの先高を期待したくなる。

JPYは複雑。最近のUSDJPY相場を見ると、過去5週間では大枠106~108円、過去16週間でも106~110のレンジで、3月中旬の株価急落時の円高相場101.10台の再来は夢のまた夢。 米大統領選を前にしたトランプ政権の対中を主に内外政策の不安にリスク回避通貨としてのJPY買いは消えず、相場感は円高で変わらず。ただ、傾向としてUSDJPYはEURJPYを主にクロスの円相場が大きく影響を与えており、JPY安に傾いている動きを見ると気になる。NYタイムズ紙が香港拠点を東京ではなくソウルに移転することを決めるなど、日本の世界的な地位の交代。米中経済戦争に挟まれた日本経済のリスク、中国軍威力の拡大と台湾問題など、JPYの潜在的なネガティブ材料も多く、本邦機関投資家による資金流流出も気になる。 結局はブルとベアが混在する相場が続く流れからやや円安思考に傾いている。

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