2018/02/17

2018年2月17日(土曜)昨日16日、海外市場の動き

2018年2月17日(土曜)昨日16日、海外市場の動き

米3連休を控えた週末金曜日。強い米経済市場とインフレ加速の懸念が強まる中で、米株は伸び悩み米金利が低下して終わって見ればドル全面高。円も他通貨では上昇。

強い米経済指標に上昇を続けるドル相場は(1.住宅着工+許可件数は予想外に増加、2.輸入物価指数は予想外に上昇し物価上昇ペース拡大、3.ミシガン大学消費者信頼感指数は予想を大幅に上回る)、これらを経てドル買いもようやく収まる。

USDJPYはアジア市場で106円の壁をブレーク、105.80近辺の買いを消化しながら一時105.55まで下落するも、欧米市場で106円台を回復し一時106.40近くまで値を戻し106.20台で終了+0.15%の円安へ。強まる円高けん制発言(浅川財務官+菅官房長官)と、緩和支持の日銀人事にも円高是正は予想外に限定的。(デフレ脱却継続の黒田総裁が再任+金融緩和支持の若田部副総裁就任)。

主要通貨も弱く、強い米経済市場とインフレ加速の懸念が強まる中で、米株は伸び悩み米金利が低下してもドル高で、EURUSDは1.2550台→一時1.2400を割り込み-0.78%下落。GBPUSDは1.1445台→一時1.4000を割り込み-0.47%下落。資源関連通貨は資源価格・原油高にも弱くAUDUSD-0.44%、NZDUSD-0.23%、USDCAD+0.61%とドル高へ。

米株は上昇を維持できず小幅な上昇にとどまりNasdaqは下落。ダウ+19.01(+0.08%)、Nasdaq-16.95(-0.23%)、S&P500+1.02(+0.04)。欧州株は強く、EURStoxx600+4.11(+1.09%)と週間ベースで3.3%近く上昇、2016年12月以来の大幅な伸びで、4週間ぶりに上昇へ。独DAX+105.79(+0.86%)、英FTSE100 +59.89(+0.83%)上昇へ。

米債は買われ、10年債利回りは2.9%台を維持できず低下、2.871%-0.038、2年債は2.202%+0.013と小幅上昇。独10年債は0.71%-0.0557、英10年債も1,584%-0.0673%と軟化。原油価格(WTI)は61.66+0.32(+0.54%)と上昇傾向を維持。VIXは19.46と米株の動きに合わせ終盤にかけて上昇、19.46+0.33(+1.73%)上昇。

GBPUSDは、アジア市場から欧州市場の序盤にかけての高値1.4140台から、予想外に弱い英小売売上高がGBP売りを強め1.4110を割り込むとGBP売りが加速。前日の安値1.3990台で下げ止まり、米国市場に入り強い米経済指標にもかかわらずちょうど半値戻しとなる1.4070台まで値を戻すも続かず。米株が失速する中で、再び1.4000の大台をトライし1.4030台で終了。

EURUSDは、アジア市場1.2550台を高値に欧米市場にかけて続落、ユーロ圏卸売物価が強く出るもEUR売りは止まらず。クーレECB専務理事「債券買い入れ終了後でなければ金利を引き上げない」との織り込み済みのハト派意見も見られGBP売りに変化は無し。また、メルケル独首相「大連立の可能性が高い」との発言もユーロ買いへと動けず。材料というよりEURロングの巻き戻しを主に終盤にかけて1.2400~20のストップをつけて一時1.2390台まで下落。

AUDUSDは、ターンブル首相の不倫問題を副首相が追及、連立政権が亀裂する可能性も材料としてはAUD売りとなっているが、これを材料としたAUD売りよりも、資源価格の上昇のプラス材料に対して、ドル全面高の流れの影響が大きい。アジア市場の0.7930台から欧州市場にかけては株高=リスク選好と原油高もあり0.7990台と0.8000の大台を試す動きが続く。欧州市場に入りアジア市場の安値を割り込み続落し、強い米経済指標もあり0.7903まで下落。一時0.7940まで値を戻すも続かず、終盤にかけては0.7890台と安値を更新して0.7900台で終了。

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16:00    EUR 1月 卸売物価指数=前月比0.9%(予想0.2% 前回-0.3%)、前年比2.0%(予想 前回1.8%)→ 予想を上回るもEUR売りは止まらず

18:30    GBP 1月 小売売上高=前月比0.1%(予想0.5% 前回-1.5→-1.4%)、前年比1.6%(予想2.6% 前回1.4→1.5%)、除くガソリン・前月比0.1%(予想0.6% 前回-1.6→-1.5%)、除くガソリン・前年比1.5%(予想2.4% 前回1.3%)→ 除くガソリンを含め予想を下回りGBP売りの流れが止まらず

22:30    USD 1月 住宅着工件数=前月比9.7%(予想3.5% 前回2.6→-6.9%)、 132.6万件(予想123.4万件 前回119.2→120.9万件)、住宅建設許可件数=前月比7.4%(予想0.0% 前回-0.1→-0.2%) 139.6万件(予想130万件 前回130.2→130万件)→ 予想を大幅に上回りドル買いの流れが続く

22:30    USD 1月 輸入物価指数=前月比1.0%(予想0.6% 前回0.1→0.2%)、前年比3.6%(予想3.0% 前回3.0→3.2%)、輸出物価指数=前月比0.8%(予想0.3% 前回-0.1→0.1%)、前年比3.4%(予想 前回2.6→2.8%)→ 予想を上回り輸入物価の上昇を確認、物価上昇のペースが加速する可能性が高まる。石油を除く輸入物価の前月比0.5%上昇し、2016年7月以来の大幅な伸び。前年比で1.9%上昇。ドル買いの流れが続く

0:00    USD 2月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=99.9(予想95.5 前回95.7)→ 予想を大幅に上回るも直後のドル買いから逆にドル売りへと加速

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クーレECB専務理事=最近の世界的な市場の動揺は株式に限定され、ECBは過度には懸念せず。

クーレECB専務理事=債券買い入れ終了後でなければ金利を引き上げない。利上げの順番について意見は一致。

クーレECB専務理事=金融政策に関するコミュニケーションは変わる見込みであり、2018年の早い時期に議論される。

直近のロイター・エコノミスト調査=2.55兆ユーロの債券買い入れプログラムは9月末までは続ける予定。ECBは2018年末までに資産買い入れプログラムを終了し、その半年後に金利引き上げに着手が予想される。

メルケル独首相=社会民主党(SPD)党員と、自身が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立を支持する可能性が十分にある。

政府=黒田日銀総裁の再任、次期副総裁には、若田部・早稲田大学教授と雨宮・日銀理事を起用。(金融緩和姿勢の継続と、経済や物価、金融情勢に応じた機動的な金融政策運営にも配慮した布陣と考えられている)

浅川財務官=為替市場は一方向に偏いて動いている。緊張感をもって注視する。

菅官房長官=為替の安定は大事で、緊張感をもって見守る。金融市場は一方向に偏った動きも見られる。黒田日銀総裁再任についてデフレ脱却に理解がある。2%の物価目標に向けて任さることが最適と判断。

モラー米特別検察官=2016年の大統領選挙でトランプ陣営が有利になるよう、ソーシャルメディア上で偽アカウントを運用するなど、組織ぐるみで広範囲に及ぶ選挙干渉を働いたとして、ロシアの個人13人および企業3社を訴追。→ 目的はトランプ氏の当選を後押しと、サンダース議員の支持が集まるようにすることだった。

バンク・オブ・アメリカメリルリンチがEPFRグローバルのファンドフローデータを基にリポート=世界の債券ファンドは14日までの1週間に、史上5番目の規模の資金流出に見舞われた。流出額は全体で141億ドルと、高利回り債ファンドからは109億ドルが引き揚げられた。投資適格級ファンドからも20億ドルが流出し、59週続いた流入のトレンドが途切れた。

投資適格社債ファンド、大量資金が流出=iシェアーズ・iBoxxドル紙適格社債ETF(LQD)から14日に、9.21億ドルと、1日の流出額として2002年のファンド設定以来最大の資金が引き揚げられた。取引開始時の総資産に対する流出額の割合は2.7%と、金融危機後では最大。

米高利回り債ファンドから63億ドル流出=リッパー・ファンド・フローズのデータでは、資金流出はこれで5週連続と過去最長。週間流出額としては、70億6000万ドルを記録した2014年8月以降で最も大きい。5週間の流出額は計150億ドル余り。同データは上場投資信託(ETF)やミューチュアルファンドも含んでいる。

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