2018/02/24

2018年2月24日(土曜)昨日23日、海外市場の動き

2018年2月24日(土曜)昨日23日、海外市場の動き

週末の金曜日。欧米共に材料は豊富。株高+金利低下し、ドルは総じて堅調でUSDJPYは小幅上昇ながら他通貨で円は強弱混在。

欧州市場ではブレグジット交渉を巡る不透明感でポンドが一時急落、メイ首相が何とか話をまとめて値を戻すも、3月2日のメイ首相のEU離脱交渉方針を注目。イタリアでは相変わらず単独過半数の政党なしの議会(ハングパーラメント)状態で、3月4日の総選挙を注目。カナダではCPIが予想外に強く利上げ期待も膨らみUSDCADは直後急落カナダドル高が続き、3月7日のカナダ中銀の金融政策を注目。FRBの半期に一度の金融政策報告書では、「さらなる段階的な利上げが正当化される」と一段の金融引き締めを予測。なのに市場は3月の利上げと年3回の利上げはすでに織り込み済みで反応は鈍く、同報告書を受けパウエルFRB議長(2月27日)議会証言を注目。

米株は後半にかけて上昇、ダウは+347.51(+1.39%)、Nasdaq+1.77%、S&P500+1.6%上昇。欧州株は上下変動しながらも終盤にかけて上昇、StoxxEurope600は+0.82(+0.22%)、独DAX+21.88(+0.18%)、ブレグジット交渉への不透明感に英FT100は-7.98(-0.11%)弱い。

米債利回りは続落、10年債や2.868%-0.052、2年債は2.258%+0.004と終盤にかけて値を戻し小幅上昇。独10年債利回りは0.653%-0.0535%と続落、英10年債利回りは1.522%-0.0289とブレグジット交渉への不透明感に欧州市場から低下。

USDJPYは、早朝の日本のCPIにも反応は鈍く、アジア市場~欧州市場序盤にかけてつけた107.13を高値に、欧米市場にかけては欧州株安と英国のブレグジット交渉を巡る不透明感と、イタリア総選挙の混迷もありリスク回避の円高に106.51まで続落。上下変動しながらも終盤にかけては米債利回りの低下への反応は鈍く、株高の影響なのか106.50台の大口の買いの影響なのか? 106.90台まで値を戻し106.86で終了。


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16:00    GER 第4四半期 GDP・確報値=前期比0.6%(予想0.6% 前回0.6→0.7%)、労働日調整済・前年比2.9%(予想2.9% 前回2.9%)、季調前・前年比2.3%(予想2.3% 前回→2.2%)→ 予想通りで動きは見られず。

19:00    EUR 1月 消費者物価指数(HICP)・確報値=前月比-0.9%(予想-0.9% 前回0.4%)、前年比1.3%(予想1.3% 前回1.4%)、コア(エネルギー・食品除く)前月比-1.3%、コア(エネルギー・食品除く)前年比1.2%、広義のコア(エネルギー・食品・アルコール・タバコ除く)前月比-1.7%(予想-1.6% 前回0.5%)、広義のコア(エネルギー・食品・アルコール・タバコ除く)前年比1.0%(予想1.0% 前回1.0%)、→ 予想通りで動きは見られず

22:30    CAD 1月 消費者物価指数=前月比1.7%(予想0.5% 前回-0.4%)、前年比1.7%(予想1.5% 前回1.9%)、コア前年比=1.8%(予想1.7% 前回1.6%)、コアMedian・前年比1.9%(予想  前回1.9%)、コア・トリム前年比=1.9%(予想 前回→1.8%)→ 予想を大幅に上回る上昇に直後はカナダドル買いが強まる。

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【米国】
FRBの半期に一度の金融政策報告書を議会に提出=「さらなる段階的な利上げが正当化される」と一段の金融引き締めを予測。最近の株安は「いくらか下落したとはいえ、2017年6月比で広範に上昇した」と引き続き高値圏と評価。米議会で17年末に成立した大型減税への期待が強い。→ FRBは今年3回の利上げを想定しており、市場では3月に利上げが実施される確率はほぼ織り込み済み。

FRBの半期に一度の金融政策報告書を議会に提出=ただ、非金融の企業部門は「借り入れを膨らませるレバレッジが高止まりしている」と懸念を表明。不動産価格などの高騰にも警戒感があり、FRB内には資産バブルへの不安感が浮かんでおり、利上げ加速論につながっている。

パウエルFRB議長=2月27日(28日から変更)に、23日に議会に提出した半期に一度の金融政策報告書に関して、下院金融ーサービス委員会で議会証言を予定。

メスター・クリーブランド連銀総裁(NYでエコノミストと中銀関係者との会議)=現在の金融政策の枠組みを年内に再検証し始める可能性があるが、代替的な枠組みへの変更に向けたハードルは高い。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁(NYでエコノミストと中銀関係者との会議)=赤字が膨れ上がり政府にとり将来的な措置が困難になる恐れがある。政治的な圧力と先行き不透明性を踏まえると、景気後退に直面した際に財政政策に依存することは困難となる。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁(NYでエコノミストと中銀関係者との会議)=FRBが将来的に債券買い入れ策を実施する必要性が出てくる可能性はある。米国の生産性と労働力の伸びが低迷していることで、当面、実質的金利は低水準となる。

ダドリーNY連銀総裁(NYでエコノミストと中銀関係者との会議)=ポートフォリオ縮小は「実質的に自動操縦」的に行われており、市場に波乱はもたらしていない。米国でゼロ金利政策が再度導入された場合、債券買い入れ策は有用な手段となる。


【欧州】
イタリア10年債利回りは2.07%で週間では今年最大に上昇=3月4日のイタリア総選挙で、単独過半数の政党なしの議会(ハングパーラメント)状態に陥るとの懸念を反映。

ラムスデンBOE副総裁(CBI主催のイベント講演)=英国の生産性の伸びを巡る先行き不透明性が金融政策運営における主要なカギとなる。英国の生産性が危機前の平均2%の水準を回復するかを巡っては大きな不透明性が存在。

英ガーディアン紙=ハント英保守党下院議員はEU離脱後の関税同盟についてあらゆる道は閉ざされると発言。GBPUSDは1.3970→1.3906まで急落。

メイ英首相=3月2日にEU離脱交渉方針の大枠に関し演説→1.3950近くまで値を戻す。

英国のメイ首相=閣僚との8時間の長期マラソン協議を実施しEU離脱を強く支持するジョンソン外相から残留派のハモンド財務相に至るまで、主要閣僚の合意を取り付けた。欧州連合(EU)に対して野心的な通商協定を要求することで閣僚全員から支持を取り付けた。→ EU側はこの要求を受け入れる可能性は少ない。

ハント英保健相=EUとの間で将来の通商協定に関する交渉が3月に始まる際、英国は自動車製造など主要産業が「自発的ベース」でEUの規則を維持できることを求める。

クーレ・ECB専務理事(NYでの会議)=ECBはすでに十分な規模の債券買い入れを実施したため、正当な根拠のない長期債利回りの上昇というリスクを冒すことなく、一段の買い入れから手を引くことができる。長期債利回りの抑制にそれほど多くの追加的な買い入れは必要なく独連邦債で明確に実証されている。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁(来日中)=2%近くの物価上昇目標の達成に自信。次の危機に備えて金融政策の正常化を急ぐべき。忍耐は必要だが時間の問題。欧州で長く続く低インフレについて、恒久的なものなのか、時間をかければ解消されるものなのかの見極めが重要。欧州ではドイツやフランス、オーストリアで賃金が上昇し始めている。為替相場への政治的な介入をとても心配している。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁(来日中)=ECB全体が賃金の動向に神経をとがらせている。賃金上昇が失業率の高い南欧などにも広がっていくかどうかが今後の政策判断を左右する。フォワード・ガイダンスはいま議論すべきものではなく、議論が必要なのは量的緩和政策。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁(来日中)=量的緩和政策を終了させ、その後しばらくしてから利上げを検討することは、理事会の全メンバーによる完全な合意がある。2018年1月から資産購入額を600→300億ユーロに半減させても金融市場に混乱がなかったことが、期限の9月以降の選択肢を拡大させている。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁(来日中)=量的緩和政策を終了させ、その後しばらくして現時点での選択肢は「1.9月末での量的緩和の打ち切り、2.段階的に縮小しゼロにする、3. 現状の水準のままか少し減らして量的緩和を継続の三択。