2018/02/28

2018年2月28日(水曜)昨日27日、海外指標の動き(午前5時40分ごろ)

2018年2月28日(水曜)昨日27日、海外指標の動き(午前5時40分ごろ)

世界中が注目したパウエル新議長の議会証言後の金融市場は、強い米経済指標もあり、為替相場はドル全面高で、米株は下落し米債利回りは上昇。

議会証言用原稿(22:30時)は「さらなる漸進的な利上げ想定」とあるも予想通りで、リスクは概ね均衡とバランスのとれた発言に、USDJPYは大幅な変化は見られず小幅は変動にとどまるも、他の主要通貨でドル買いが強まる。

質疑応答でも、金融政策や景気判断を詳述するのは初めてで引き締め路線を堅持。米CB消費者信頼感指数も17年ぶりの高水準で、期待以上のタカ派でドルは全面高。米株は下落し、米債利回りは上昇、原油価格は低下し、VIXは上昇へ。

パウエルFRB議長の初の議会証言では、米経済に強い自信を表明。米経済は堅調でさらなる段階的な利上げが可能」と、国内景気が底堅さを増したほか、インフレが加速する見通しを示唆し、年内4回の米利上げ期待が強まり、CMEのFedWatchでは12月19日のFOMCで2.25~2.50%の利上げ期待確率は議会証言前の19.3→27.0%へ拡大。

議会証言の影に隠れてしまったが、ユーロ圏景況感指数は予想通りながら、サービス業信頼感は強い。独CPI・速報値は前年比とHICPは前月・前年比共に予想を下回る。米耐久財受注・速報値は予想外のマイナスとなるもドル売りは非常に弱く逆にドル買いが強まる。CB消費者信頼感指数=130.8(予想126.0 前回125.4→124.3)と予想を大幅に上回り17年ぶりの高水準。

為替相場は終わってみればドル全面高で、USDJPYはアジア市場の106.78をボトムに実需筋の売りを消化し、他通貨でも円買いが目立ち、タカ派のパウエル議長の議会証言と強い米CB消費者信頼感指数もあり米株の低下と米金利の上昇に、107.50の壁を超えストップの買いも加わり107.68まで上昇。

EURUSDは、アジア・欧州市場で1.2350を超えられず上値の重い展開となり、弱い独CPIから売りが強まり、アジア市場の安値1.2309」を割り込み下落。パウエル議長の議会証言原稿に前日の安値1.2278を割り込み売りが加速。パウエル議長の質疑応答後の米株安と米金利の上昇にと強い米CB消費者信頼感指数もあり2月10日来の安値となる1.2220台まで下落しようやく下げ止まるも、1.2250台を戻り高値に売り圧力が続く。

米株は上昇、ダウ-299.24(-1.16%)、S&P500とNasdaq共に-1.2%台下落へと終盤にかけて下げ幅を加速、欧州株も弱くStoxxEurope600は-0.70(-0.18%)低下、独DAXと英FTSE100共に低下へ。

米債利回りはパウエル議長の議会証言後に上昇し、米10年債は2.901%(+0.0365)、2年債も2.262%(+0.036)。独10年債0.677%(+0.0223)と英10年債1.564%(+0.05)も上昇へ。原油価格(WTI)は62.90-1.01(-1.58%)と低下し、VIXも18.82+3.02(+19.11%)上昇へ。

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22:00    GER 2月 消費者物価指数・速報値=前月比0.5%(予想0.5% 前回-0.7%)、前年比1.4%(予想1.5% 前回1.6%)、HICP前月比0.5%(予想0.6% 前回-1.0%)、HICP前年比1.2%(予想1.3% 前回1.4%)→ 前年比とHICPは前月・前年比共に予想を下回る。

22:30    USD 1月 耐久財受注・速報値=前月比-3.7%(予想-2.0% 前回2.8→2.6%)、除く輸送機器=前月比-0.3%(予想0.2% 前回0.7%)→ 共に予想外のマイナスとなるもドル売りは非常に弱く逆にドル買いが強まる

22:30    USD 1月 卸売在庫=前月比0.7%(予想0.3% 前回0.4→0.6%)

23:00    USD 12月 FHFA 住宅価格指数=前月比0.3%(予想0.4% 前回0.4→0.5%)→ 前回が上方修正されるも予想を下回る、

23:00    USD S&Pケースシラー住宅価格(20都市)=前年比6.3%(予想6.3% 前回6.41→6.36%)→ 予想と変わらず

0:00    USD 2月 CB消費者信頼感指数=130.8(予想126.0 前回125.4→124.3)→ 現況指数162.4(前回155.3→154.7)、期待指数109.7(前回105.5→104.0)、1年インフレ期待4.7%(前回4.6)と予想を大幅に上回り17年ぶりの高水準。

0:00    USD リッチモンド連銀製造業指数=28(予想15 前回14)→ 予想を大幅に上回る


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【米国】
FRB    パウエルFRB議長 半期一度行(米下院金融委員会の公聴会)議会証言用原稿=堅調な個人消費が景気拡大をけん引し、企業投資も急伸し、米経済に強い自信を表明。米経済は堅調でさらなる段階的な利上げが可能。雇用の改善で今年は物価が上向く。株価急落など動揺もあるが、現時点で景気見通しに大きな影響はない。財政政策は景気刺激の度合いを増し、米国の輸出に対する海外の需要はより着実な軌道をたどっている。賃金も上昇ペースが加速するだろう。

FRB    パウエルFRB議長 半期一度行(米下院金融委員会の公聴会)議会証言用原稿=インフレ懸念が強まれば利上げを加速し、一方で物価停滞が長引けば引き締めを減速する柔軟な政策運営を目指す考え。今後数年の金融政策に関する適切な道筋を判断する上では、FOMCは引き続き景気過熱の回避と、個人消費支出(PCE)価格指数上昇率の持続的な形での2%への引き上げとの間で引き続きバランスを取っていく。インフレ率は前年比ベースでのインフレ率は今年上昇し、中期的に派FOMCの目標である2%程度で安定すると見込まれる。昨年のインフレ率の目標未達は一過性の要因を反映した可能性が高く、繰り返されることはない

FRB    パウエルFRB議長 半期一度行(米下院金融委員会の公聴会)質疑応答=物価上昇率は目標の2%を下回ったままだが「停滞は一時的な要因で、今年は上向く」と強気な見方を表明。雇用と物価という2つの目標を達成するには、さらなる段階的な利上げが最善な策だろう。金融環境はなお緩和的だ。景気や雇用、物価の見通しに現時点で大きな影響はない。経済の過熱を回避しながら2%の物価目標を達成するというバランスを取っていく。ンフレ懸念が強まれば利上げを加速し、一方で物価停滞が長引けば引き締めを減速する柔軟な政策運営を目指す考えを表明→ 金融政策や景気判断を詳述するのは初めてで引き締め路線を堅持。

FRB    FRB公定歩合議事録(1月31日)公表=12地区連銀のうちダラス連銀は2%→2.25%への公定歩合引き上げを主張。金利据え置きを決定したが次回3月の会合では昨年12月に続く追加利上げを決定するとの見方が大勢。他の11地区連銀は、成長、失業、インフレに関する見通しが入手されるデータで裏付けられているかどうか検証している間は公定歩合を据え置くよう求めた。

【ユーロ圏・英国】
GER    バイトマン独連銀総裁=物価上昇が続けばQEは2018年に終了すべき。  ECBは為替の動きを注視。ECB利上げが2019年にあると考えるのは、全く非現実的というわけでもない。 ECBが出口政策に近づけば、市場のボラティリティは上昇するだろう。

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