2019/11/24

今週の為替相場を考える(11月25~29日)

今週の為替相場を考える(11月25~29日)

今週で11月が終わり来週から12月に突入する。米国では感謝祭の時期となり本格的なクリスマス商戦に突入し年末・年始の足音が聞こえてくる。

今週の序盤は24日の香港区議会議員選挙の結果の結果が重要で、それを受け米中がどう動くのだろうか? 直近では米中両首脳が年末を控え12月15日の米国の対中制裁発動を停止・延期すべく歩み寄りの姿勢を示しているが、これにどのような影響を与えるのだろうか?

その結果により、FRBの金融政策→主要国中銀の金融政策に変化が及び→債券・株式相場が変動し為替相場へと、それぞれに影響が波及する可能性が高いため重要になる。

先週の比較的底堅いドル相場、伸び悩む主要国の株価は引き続き高水準を維持し、米債利回りの軟化を示していた先週の相場は、米中通商協議で要人から強弱混在する発言にもやや楽観的な見通しを期待する結果と思われる。

ブレグジットでは、12月12日の英総選挙に向けブレグジット党の動きもあり与党保守党の優位性が報道されている。このまま投票日を迎えれば、保守党が下院の過半数を制し悲願のEU離脱を達成する勢いとの観測が強いが、いつもながら予想外の結果となるリスクは消えず、GBP相場を一方向に傾けることは難しく、レンジ相場の継続期待度が強い。

USDJPY相場の変動リスクは日銀の金融政策より、米中通商協議の結果によりリスクオン・オフの動きで決まることが多くこの景況はCHFもやや見られ、当然ながら株・債券相場の影響も受けやすい。直近のUSDCHFは大幅なCHF安が進行していることを考えれば、USDJPY相場がレンジを抜け出せず予想外に動きが鈍い現状は、機関投資家や実需に起因する可能性もある。ただし、力技で相場を止められることには限度があることも事実でいずれ大きく変化することを期待したい。

以下は当面のイベントで注目材料がずらり。
11月24日の香港区議会選挙の結果を受けた、米中通商協議の行方。
11月28日の感謝祭の休日、29日の感謝祭の翌日の短縮相場から土日へと長期休日入り、そして、クリスマス商戦の始まり
12月3日の豪中銀金融政策
12月4日のカナダ中銀金融政策
12月11日のFOMC
12月12日のECB理事会
12月12日の英総選挙
12月15日の米国の対中制裁発動の有無。


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USDJPY (108.20~109.20)基本はレンジ相場、これを抜けだすまでは大相場はいつもながら期待薄。

米中通商協議の行方が明確になるまでは、関係者の発言や要人発言で上下変動する流れは変わらず。ただし、香港情勢が予想外に悪化しない限り(香港区議会選挙の結果を受けた動きを含む)、緩やかな円安傾向が続く半面、12月15日に米国は対中制裁を実施し米中関係が悪化すれば、大幅な円高になるリスクも消えず。それまではレンジ相場を甘受。



EURUSD (1.1000~1.1100) 下値を試すリスクが残るも基本はレンジ相場

EUR高期待もEURフローの強さに上値は重くブル派の期待は裏切られ、1.1100の大台トライ失敗。11月速報値のユーロ圏のPMIは底堅かったサービス業が予想外に弱く総合は前回・予想に届かず景況感の回復に至らず。ラガルド・バイトマン共にECBの金融政策で「戦略的見直しを近い将来に開始するとあり、乞うご期待。テクニカルではやや弱気へ。



USDCAD (1.3200~1.3350)

1.3330の上限を維持できるか? 19日の豪中銀議事録で「必要であれば、金融政策をさらに緩和する用意」だけが協調され、200日MA=1.3275を上抜けし1.3320台へ一時上昇し、IMMポジションもCADロングが2週連続で減少と、CAD先高期待は後退中。ただし、ポロズ・カナダ中銀総裁は「カナダの現在の金融情勢は適切」とあり12月の利下げ期待が後退して現在至る。米FFレート1.5~1.75%、カナダ政策金利1.75%と金利では米国に並ぶ。

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