2019/11/03

今週の為替相場を考える (11/4~8日)

今週の為替相場を考える (11/4~8日)

ちょっとだけ先週の動きを振り返ってみたい。大きな変化はFOMCの追加利下げ観測が弱まり、今後のデータ次第となったことが重要。その結果に米債利回りが急落し、米株が最高値を更新し、為替相場はドルが全面安となったことである。

このような変化は特に米経済指標が好転したわけではなく、米中通商協議の前進、ブレグジットリスクの低下に、今後の経済の回復を期待していると推測している市場参加者は多い。

直近の米ISM製造業景況指数は、49.1→47.8→48.3と強さ見られず、一方比較的強かった非製造業も56.4→52.6→今週の予想は53.5となっているが、強さは見られない。CB消費者信頼感指数も134.2→126.3→125.9と低下傾向が続き、総合PMIは50.7→51.0→51.2となんとか下げ止まっているがこちらも強さは感じられず。

となると、今週発表となるISM非製造業景況指数、ミシガン大学消費者信頼感、総合PMI確報値が重要で、ドル相場にとって影響が大きいと考えられる。

株価は、2大リスク要因となっていた、米中通商協議はフェーズ1の月半ばでの調印の有無、ブレグジットは12月12日の総選挙予想と、確定には至らないが共にポジティブにいていることを評価し上昇の流れは止まらず。

米債利回りは、リスク選好の動きに米10年債利回りは1.85%近辺→1.7%割れまで一時下落するなど下げ幅は大きくなっている。最もこの水準は10月上旬に逆戻りしているだけで大枠1.7~1.9%のレンジ内と言えないこともない。


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USDJPY 予想レンジ(107.80~108.80)

USDJPY相場は、円安から円高へと急変しているが、米債利回りと連動すると仮定すれば、大枠107円台後半~109の動きが予想しやすく、黒田日銀総裁は「必要あればマイナス金利の深堀は可能」と煮え切らないながら緩和措置を残していることも、リスク思考が強まらない限り円安になりやすい材料ともいえる。ただし、先週はFOMC直後に200MA=109.05を越え一時109.29まで上昇するも、直後から急落した動きを見せつけられており、上値追いもできにくい。


USDCAD 予想レンジ(1.3050~1.3170)

USDCADは、1.300の底値をトライするどころか1.3050を試すのが精いっぱいでカナダ中銀から追加緩和の可能性も飛び出し、FOMCの追加緩和リスクが弱まり1.3200台まで急伸している。一方、ペロシ米下院議長は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)で「われわれは批准に向かっている」とあり、原油価格も高値で安定してることを考えれば、上値は重くなり1.3000~1.3200レンジ相場に落ち着く可能性は十分あるのでは?


GBPUSD 予想レンジ(1.2850~1.300)

GBPUSDは、12月12日の総選挙の結果を見守る動きとなっているが、これからは世論調査の結果で相場が変動することが十分考えやすい。とりあえずは与党保守党が優位にあり、その意味では底堅い動きの中で1.28~1.30の大きなレンジの中での動きか、上昇力を残した展開が予想される。


EURUSD 予想レンジ(1.1050~1.1200)

EURUSDは、200日MA=1.1196にあり、大枠1.1070~1.1180の中で上下する動きが過去2週間続いている。もちろんGBPUSD相場の影響を強く受けるわけで、新たなショックがなければ、より大きな枠で考えても1.1050~1.1200の150ポイントの動きの抜け出すことは難しいのでは? 今週は欧州委員会の経済予測値とECB経済報告と、ラガルド新ECB総裁の手腕も気にしてみたい。

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