2019/11/16

2019年11月16日(土)昨日15日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年11月16日(土)昨日15日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

朝から続く米中通商協議をめぐる楽観的な期待感、ブレグジットをめぐりブレグジット党の方針転換に「保守党有利=秩序あるEU離脱」への期待。結果、強い米株、米債利回り小幅高。為替相場はリスク回避の巻き戻しの動きでUSD+JPY+CHFは弱く、逆にEUR+GBP+AUD+NZD+CADは堅調。

経済指標では、ユーロ圏ではCPIの速報値と変わらず、貿易収支の季調済は黒字額が減少。米国発では小売売上高はプラス圏を回復するも除く自動車では予想に届かず。NY連銀製造業景気指数は弱く、輸入物価指数は予想外に低下、鉱工業生産・設備稼働率は弱く、企業在庫も弱く、総じて強さは見られず。

米株は強く、ダウ+Nasdaq+S&P500はそろって上昇傾向を維持。米債利回りは前週比で上昇傾向を残すも、10年債は1.8515%のピークから1.83%台まで軟化。原油価格(WTI)は一時57.97ドルまで上昇と強い。

米中通商協議をめぐり、強弱混在する発言が米中双方から発せられ12月15日の追加関税の発動を約一月に控え有無ははっきりせず。クドローNEC委員長の発言からとりあえず直近でも相互で連絡を取り合意に向けたすり合わせをしていることを市場は評価。

英ブレグジット党は、与党保守党が議席を逃している43選挙区に候補者を立てない方針に、保守党の優位性が拡大。結果として秩序あるEU離脱への期待感からGBP買い強まる。

為替相場は、USDJPYはアジア市場の早朝につけた108.36をボトムに、米中通商協議でクドローNEC委員長の「取りまとめに近づいている」発言と堅調な株価もあり、アジア+欧州で切り上げ、ブレグジットをめぐり総選挙で与党保守党の優位性が高まり、GBPJPYが急伸し、クロスでの円売りが強まり、米国市場では108.86まで続伸し、高値圏で推移している。109円台をしっかり回復できるかが大きなポイントに。

GBPUSDは、アジア・欧州市場では1.2867~87の約20ポイントの狭いレンジで取引が続いていたが、英ブレグジット党が「与党保守党が議席を逃している43選挙区に候補者を立てない方針」との英テレグラフの報道が広まると、1.2919まで急伸し、GBPJPYも139.90台→140.46まで上昇。終盤にかけ1.2900台で取引が続いている。

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19:00    EUR 10月 消費者物価指数・HICP改定値=前年比0.7%(予想0.7% 前回0.7%)、コア前年比1.1%(予想1.1% 前回1.1%)→ 予想・速報値と変わらず

19:00    EUR 9月 貿易収支=季調前187億ユーロ(予想 前回147億ユーロ)、季整済183億ユーロ(予想187億ユーロ 前回203→197億ユーロ)→ 季調前は強いが、季調後は黒字額が小幅減少へ

22:30    USD 10月 小売売上高=前月比0.3%(予想0.2% 前回-0.3%)、除く自動車=前月比0.2%(予想0.4% 前回-0.1%)→ 共にプラス圏を回復

22:30    USD 11月 NY連銀製造業景気指数=2.9(予想6.0  前回4.0)→ 予想外に弱い

22:30    USD 10月 輸入物価指数=前月比-0.5%(予想-0.2% 前回0.2%)、前年比-3.0%(予想-1.9% 前回-1.6%)→ 予想と前回を下回り予想外に低下

23:15    USD 10月 鉱工業生産=前月比-0.8%(予想-0.4% 前回-0.4→-0.3%)、設備稼働率=76.7%(予想77.1% 前回77.5%)→ 共に予想と前回を下回る

0:00    USD 9月 企業在庫=前月比0.0%(予想0.1% 前回0.0→-0.1%)→ 下方修正された前回を上回るも予想を下回る

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ブレグジット関連
◎英ブレグジット党(英テレグラフ)は、①与党保守党が議席を逃している43選挙区に候補者を立てない方針。②2017年の選挙で保守党と労働党が接戦を繰り返した地区で出馬を回避へ→ この報道を受け秩序あるEU離脱への期待感からGBP買い強まる。
◎バラッカー・アイルランド首相は、英国とEUの交渉を2020年末まで行うことは困難だが不可能ではない。

FRB金融安定化報告は、①長期に渡る低金利は国家財政の安定を脅かす可能性のあるリスクの高い行動に追い込む可能性がある。②金利が長期にわたって低水準に留まると、銀行、保険会社、およびその他の金融仲介業者の収益性がストレスにさらされ、金融機関は利回りを追及する行動が促進される。③その後のショックで金融セクターの脆弱性が高るリスクがある。

資産家のレイモンド・ダリオ氏「米中関係全国委員会(NCUSCR)の年次会合」
◎貿易戦争があり、テクノロジー戦争があり、地政学的な戦争があり、資本戦争もあり得る。それにどのように取り組むかによって、われわれの将来が決まることになるだろう。

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