2019/11/07

2019年11月7日(木)昨日6日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年11月7日(木)昨日6日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

世の中ざわつき、米株は強さが見られず、米債利回りは低下、全体的にドル高ながら、JPY+CHFは健闘中。

①米中通商協議のフェーズ1の署名が12月にずれ込む可能性と報道。②ブレグジットでは来月にむけ総選挙戦が始まるもウェールズ担当相が辞任。③独5賢人は「リセッションへと追い込む恐れがあると警告」するも、「景気支援型の包括的な歳出プログラムは必要ない」と言う。④IMFは「ユーロ圏成長見通しを引き下げ」、ドイツは第3四半期に「狭義のリセッションに入った」とあるが、⑤ショルツ独財務相は「懸念を一蹴」し、成長減速を押し上げるための「財政刺激策は今のところ必要ない」と言う。

原油価格(WTI)は一時57.85ドルまで上昇するも、在庫増加に56.11ドル近くまで下落。ダウ、Nasdaq、S&P500共に小幅安で推移。米10年債利回りは1.856%台の高値から一時1.805%まで下落。

独・ユーロ圏PMIの改定値は上方修正され予想を上回り、ユーロ圏小売売上高も予想外に強かった。米非農業部門労働生産性は弱く2015年第4四半期以来の低水準。単位労働コストは強い。カナダIvey購買部協会指数は48.2と弱く8月の60.6から2か月連続で下落。米貿易収支は予想外に赤字額が減少し石油の収支が初めて黒字を記録。

USDJPYは、アジア市場の109.18を高値に上値を追う動きは見られず、逆に円ショートの巻き戻しにアジア・欧州市場では108.91まで下落。米国市場に入り、「米中通商協議のフェーズ1の署名が12月にずれ込む可能性と報道」に108.82まで下落し108.85~95の狭いレンジで推移。底堅いというのか、上値が重いというのか、市場参加者の興味がないとでもいうのか、不思議な動き。

EURUSDは、独経済諮問委員会、IMF報告書のネガティブ材料。PMI、小売売上高と予想を上回る経済指標のポジテブ材料と混在。一日を通じて1.1060台~90台のレンジで上下しているだけ。

USDCADは、早朝の1.3142をボトムに、アジア・欧州・米国市場と1.3193まで続伸し弱さが目立っている。原油価格は在庫増加を受け急落、Ivey購買部協会指数も50を割り込み2か月連続の下落。5日のカナダ貿易赤字額が予想外に拡大して以来強さは見られず。

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22:30    USD 9月 貿易収支=-525億ドル(予想-525億ドル 前回-549→550.36億ドル)→ 予想外に赤字額は減少、石油の収支が初めて黒字を記録。

22:30    CAD 9月 貿易収支=-9.8億カナダドル(予想-6億カナダドル 前回-9.6→-12.40億カナダドルドル)→ 前月分が下方修正され、さらに赤字額が予想外に拡大、

23:45    USD 10月 総合PMI・改定値=50.9(予想 前回51.2)、サービス業PMI・改定値=50.6(予想51.1 前回51.0)→ 前回を下回る

0:00    USD 10月 ISM非製造業景況指数=総合指数54.7(予想53.4 前回52.6)→ 予想と前回を上回り非製造業部門がより速い速度で成長し続けている

0:00    USD 9月 JOLT労働調査(求人件数)=702.4万人(予想707.5万人 前回705.1→730.1万人)→ 予想外に減少するも、前回は大幅な上方修正へ。

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米中通商協議関連
◎米政府高官は、①「第1段階」の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性がある。②達成しない可能性もあるが、達成する可能性がより高い。③対中関税の撤回についても協議される見通しだが進展の妨げにならず。④大統領弾劾調査の圧力にさらされており、中国側は早い合意で好条件を引き出せるとにらんでいる。

ブレグジット関連
◎ 英下院は⑥日に解散され、12月12日党開票の総選挙に向けた選挙戦が始まった。
◎ケアンズ・ウェールズ担当相が辞任を表明
◎最新のユーガブ(Yougov)の世論調査は、保守党38→36%、労働党25→25%、自由民主党は17%、離脱党が11%。

FRB関連
◎ウィリアムズNY連銀総裁は、①FRBの政策はデータ次第だが、経済成長を維持するためには先手先手で対応すべき。②「熱くもなく冷たくもない、ゴルディロックス(適温)経済を維持することが望ましい」、③7月以降実施した3回の利下げに伴い、経済の先行きリスクを克服する上で状況は改善、④2%の物価目標は達成可能だが、シンメトリック(上下に対象的)な物価目標にコミットすべき

ドイツ政府の経済諮問委員会(フォルカー・ヴィーラント委員)
◎製造業の不況が経済全体をリセッションへと追い込む恐れがあると警告するも、現在はまだその段階に至らず。
◎世界貿易の落ち込みは製造業を直撃し、製造業はリセッションに陥っている
◎独経済の減速に対応するための景気支援型の包括的な歳出プログラムは必要ない。
◎「長らく続いたドイツ経済の上昇基調は終わった」
◎世界的な景気減速を反映し、2020年の独経済成長率を1.0→0.9%と0.1%ポイント引き下げへ。19年は1.2%、20年は1.1%。

IMF欧州経済について
◎金融政策を通じた対応策は使い果たされており、リスクも波及している。欧州が緊急対策を講じる必要があると警告
◎ユーロ圏2019年成長率見通し1.3→1.2%、2020年、2021年は1.5→1.4%へ下方修正。昨年は1.9%。
◎ユーロ圏2019年インフレ率1.3→1.2%に下方修正。2020年1.6→1.4%、2021年1.7→1.5%へ。
◎ドイツ成長見通し2019年0.8→0.5%、2020年1.7→1.2%へ下方修正。
◎ドイツは第3四半期に狭義のリセッションに入ったとみられており、労働市場も悪化し始めている。
→ ショルツ独財務相はこうした懸念を一蹴し、成長減速を押し上げるための財政刺激策は今のところ必要ない