2019/11/23

2019年11月23日(土)昨日22日、海外市場の動き(午前6時ごろの動き)

2019年11月23日(土)昨日22日、海外市場の動き(午前6時ごろの動き)

米中通商協議は、習近平・トランプ両氏の発言で何らかの合意に向けた動きを期待したいが、市場は「オオカミ少年」化して振り回される両国関係者からの発言に反応は鈍い。

習近平は、貿易戦争を回避し通商合意の第1段階をまとめたいと言うも、必要であれば報復措置を講じることを恐れていないとも語る。

トランプ氏は中国とは合意に非常に近づいていると言うも、「香港を支持するが、貿易の合意もしたい」との本音を語る。一方、ウクライナ疑惑で弾劾裁判のリスクの最中であることもドルを買い進みにくいリスクとして残る。

新任のラガルドECB総裁は、「ECBの戦略見直しを近い将来開始する予定」、「欧州の新しいポリシーミックスが必要」とあり、バイトマン独連銀総裁は「ラガルド総裁に完全に同意する。金融政策の戦略はわれわれの責務遂行に最適であるように、常に進化するべき」と前総裁への動きとは大違い。

為替相場を見ると主要通貨は弱くドル高傾向が続き、動かぬUSDJPY(108.48~73=25ポイント)にJPYはクロスで円高へ。欧米市場に入ってからはGBPとCHFの弱さが目立ち、GBPUSDは1.2920台→1.2820台と100ポイント続落。USDCHFは0.9935→0.9980台まで上昇。

米株は上昇傾向を維持。米10年債利回りはボトムから回復し前日に近い1.77%近辺で推移、2年債は小幅上昇。原油価格(WTI)は58ドル割れへと軟化。

経済指標では、ユーロ圏のPMIは製造業が予想より強い反面、サービス業が弱く総合では50.3と前回50.6と予想50.9に届かず。一方、英PMIは製造業とサービス業の弱さが目立ち総合では48.5と前回50.0と予想50.2から大幅低下にGBPUSDの売りが強まる。

米PMIは製造業とサービス業が予想外に強く、総合は51.9と前回50.9を上回り、ミシガン大学消費者信頼感指数は96.8と速報95.7と予想95.7を上回り4か月ぶりの高水準。

USDJPYは、終わってみれば前日の欧米市場から続く大枠108.45~75のレンジ相場の動きは変わらず。ただし、米中通商協議をめぐり習近平・トランプ両氏の発言が聞こえるなど、フェーズ1の合意の有無はもちろん問題ながら、仮になくても12月15日の米国の対中制裁関税の発動が延期となり、協議が継続する可能性が高まる。イースターホリデー入りとなる来週の木曜日を前に何らかの動きを期待したい。

GBPUSDは、12月15日の総選挙で与党保守党の有利は変わらず、ただし、前日の欧州市場で1.2970を高値に1.300の売り圧力を再確認し週末のポジション調整圧力が続く。アジア・欧州市場の1.2930近辺を高値に前日の安値1.2893を割り込むと売りが強まり、弱い英PMIに売りに拍車がかかり、オプションカットを過ぎ、フィキシングで1.2923のボトムを達成しようやく下げ止まり1.2830台と安値圏で推移。Dailyベースでトリプルトップになるのか、1.30をDailyベースでクリアに上抜けするまでは気になる。

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22:30    CAD 9月 小売売上高=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回-0.1→0.1%)、除自動車・前月比0.2%(予想0.1% 前回-0.2→-0.1%)

23:45    USD 11月 11月 総合PMI・速報値=51.9(予想 前回50.9)、製造業PMI・速報値=52.2(予想51.4 前回51.3)、サービス業PMI・速報値=51.6(予想51.4 前回50.6→51.0)→ 予想を上回る

0:00    USD 11月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=96.8(予想95.7 前回95.7)→ 速報値を上回り4か月ぶりの高水準へ

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李克強首相(中国中央電視台(CCTV))
◎中国が市場ベースの通貨改革を推進する。
◎銀行、証券、保険業の開放を拡大し、同セクターにおける外資規制の完全撤廃に向け取り組んでいる

米中通商協議関連
◎習近平国家主席
①同国は米国と「第1段階」の通商合意をまとめたい考えで、貿易戦争を起こさないよう取り組んでいる。
②必要であれば報復措置を講じることを恐れていない。③中国が貿易戦争を始めたのではなく、これはわれわれが望むものではない。
④中米関係は大きな岐路にあり、難題や課題に直面、⑤両国は誤解を避けて前向きな発展という正しい方角に中米関係を導く必要がある。

◎トランプ大統領
①中国とは合意に非常に近づいている。合意する非常に良い機会
②香港を支持するが、貿易の合意もしたい。
③平国家主席に対して香港に軍を送るなと警告

◎王毅・国務委員兼外相
①米国は中国に歩み寄り、二国間関係の健全で安定的な発展を推進すべき。
②米国の政治家が故意に中国を攻撃したり中傷したりして、両国を対立の道に導いているが、そのような対立はどちらの利益にもならない。
③中国政府は、米政府に新たな対面通商協議を提案し、中国側は、米感謝祭前の協議開催を期待しているが、米国の当局者らは協議に意欲を示しながらも、明確な日程などには言及はない。

米連邦通信委員会(FCC)
◎ファーウェイとZTEの製品を連邦補助金の対象から除外。

バイトマン独連銀総裁
①低金利の長期維持、ガイダンスでの確約は慎重に
②ECBの政策戦略見直しに支持を表明し、金融緩和の長期化が及ぼす副作用を見過ごすべきでない
③ECBの金融政策の「戦略的見直しを近い将来に開始する
④ラガルド総裁に完全に同意する。金融政策の戦略はわれわれの責務遂行に最適であるように、常に進化するべきだ
⑤独輸出志向の企業業績悪化が緩和される初期の兆候がみられる。
⑥インフレを目標水準以上に持ち上げることは、持続的な戦略とならず、信頼性のリスク招く

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