2019/11/15

2019年11月15日(金)昨日14日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年11月15日(金)昨日14日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

英FT紙いわく「米中は第1段階合意に悪戦苦闘」。中国いわく「第1段階の通商合意は踏み込んだ協議中で、関税の撤廃重要な条件」。株価は健闘するも、「債券利回りの急低下=リスク回避の円買い」が強まりUSDJPYは一時108.20台へ下落。

一方、パウエル議長は超強気で「拡大局面の米経済に過熱の兆候は見られず、米経済はスターで拡大が継続しない理由はない」と議会で証言。ブレグジットをめぐりファラージュ・ブレグジット党首は「ブレグジット党の候補者を取り下げることはない」と発言。保守党有利との見方が弱まりポンド売りへ。

ダウ&Nasdaqは小幅安で推移し、S&P500 は小幅高にとどまる。債券利回りは低下が目立ち、米10年債は1.816%台と前日1.886%から大幅低下。

為替相場は、一日を通じてAUD+NZDは中国経済の減速と、豪雇用統計の悪化、NZ中銀の利下げの可能性示唆に弱さが目立つ半面、リスク回避にJPY+CHFは強く、EURは独経済のリセッション回避+GBPも弱い小売売上高やブレグジット党の総選挙参戦にも検討し、CADもUSMCAの合意期待に弱さは見られず。

AUDUSDは、0.6840の高値から豪雇用統計の新規雇用者が予想外に減少し弱く、労働参加率も低下と、利下げ観測が強まり下落。米国市場に入り一時0.6770まで下落し0.6780台で推移。

NZDUSDは、AUD安に連動しながらも、NZ中銀のサプライズの金利据え置きについて、バスカンドNZ中銀副総裁は「これまでの金融緩和の効果を見極める時間ができた、必要なら来年2月に再び行動する可能性がある」とあり、NZD売り圧力へ。早朝の0.6419を高値に米国市場では0.6360近くまで下落し0.6370近辺で推移。

USDJPYは、アジア市場の108.86を高値にアジア・欧州市場と株安+債券利回りの低下に緩やかに下落。米国市場に入り108.50ボトムに何とか下げ止まっていたが、米債利回りの続落+英FT紙が「米中は第1段階合意に悪戦苦闘している」との報道も引き金となり、108.50割れのストップを巻き込み一時108.24まで下落し108.40台で推移。

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22:30    USD 週間新規失業保険申請件数=22.5万件(予想21.5 前回21.1万件)、

22:30    USD 10月 卸売物価指数=前月比0.4%(予想0.3% 前回-0.3%)、コア前月比0.3%(予想0.2% 前回-0.3%)、コア前年比1.6%(予想1.5% 前回2.0%)

22:30    CAD 9月 新築住宅価格指数=前月比0.2%(予想0.1% 前回0.1%)、前年比-0.1%(予想-0.2% 前回-0.3%)→ 予想を上回る

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米中通商協議関連
◎中国商務省は、①米中が「第1段階」の通商合意を巡って踏み込んだ協議をしており、関税の撤廃はこうした合意の重要な条件。②中国はこれまで、追加関税の発動によって始まった貿易戦争は、追加関税の撤廃をもって終わらせるべきと何度も強調してきた。
◎英FT紙は、米中は第1段階合意に悪戦苦闘している。トランプ政権は当初の合意予定日が遅れることがあるが、交渉の後退は否定。 → この報道に債券利回りは低下しリスク回避に円買いが強まる。

ブレグジット関連
◎ファラージュ・ブレグジット党首は、①12月の総選挙で労働党の対立候補を擁立し、労働党優勢の選挙区での議席獲得、保守党も狙う。②保守党も狙っている労働党優勢の主要選挙区で、ブレグジット党の候補者を取り下げることはないと示唆。→ 多くの選挙区から撤退するとの見方から英ポンドは一時上昇していたが、ファラージュ党首による候補者擁立の意向を手掛かりに売られた。

パウエルFRB議長下院予算委員会で証言
①過去最長の拡大局面にある米経済に過熱の兆候は見られず、急激な景気後退に陥るリスクは極めて低い。②米経済はここ最近、スターエコノミーで成長率は2%のレンジにあり、他の先進国を上回っておりこの拡大が継続しない理由はない。③リセッションの可能性が現時点で高まっていると考えられる理由は一切ない。④現在の景気拡大局面について、過去2回のサイクルにおけるテクノロジーあるいは住宅市場といった「極めて活況な」セクターのないことが注目に値する。⑤この景気拡大は持続可能な基盤にあり、他のサイクルで見られたような警告サインはない。⑥金融安定の観点で気掛かりとなるような、経済全般に及ぶレバレッジの顕著な増大は見られない。⑦NAFTAに代わる新協定のUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)批准は不透明感を取り除き、米経済にとって建設的。

ECB関連
◎クノット・オランダ中銀総裁は、①ECBは通常の政策手段を使い果たし、過去数年はマイナス金利政策や資産買い入れ策などの非伝統的な政策を採用したが、効果は確認できず。②多くの不確実性を伴う非伝統的な手段の行使には慎重になる一方で、通常の政策手段をより力強く利用する必要がある。③ユーロ圏各国政府が財政政策の役割を拡大させれば、ECBの現行の政策の効果は拡大する

FRB関連
◎クラリダ副議長は、FRBはゼロ近傍までの利下げを余儀なくされるほど景気が悪化した場合に有効となり得る追加の政策を検討している。
◎ブラード・セントルイス連銀総裁は、3度の利下げが示唆するよりも大きな経済刺激効果をもたらしている。

香港関連
◎習近平国家主席(中国中央テレビ)は、①香港にとって喫緊の課題は暴力を終わらせ秩序を回復すること。②香港の急進的で暴力的な犯罪行為は「一国二制度」の根幹を揺るがしている。③林鄭月娥行政長官とその政府、香港の警察への強い支持を表明し、暴力的な犯罪者を処罰する香港司法機関についても断固支持する。

OPEC月報
◎来年は供給過多の縮小が見込まれているものの、OPEC非加盟国の生産増を受けOPEC産原油に対する需要は減退する。

USMCA関連
◎ペロシ米下院議長は、①米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の協議は前向きに動いている。②メキシコで批准済みだが、カナダについてはまだ批准していない。③米民主党は労働者や環境保護に関する条項の履行を確実にする措置や、医薬品に関する条項の修正を求めており、こうした懸念事項についてUSTRと協議している。

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