2019/11/08

2019年11月8日(金)昨日7日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年11月8日(金)昨日7日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

米中貿易戦争は一時的な停戦かそれとも終戦か? 米中通商協議の楽観的見通しに、株価は上昇し、債券利回りも上昇。為替相場はUSD高+JPY安。

アジア・欧州市場は中国発の「米中両国が相互の製品の関税を段階的に撤回合意」との報道に急伸。米国市場では米政府当局者の「追加関税の段階的撤回が第1段階の合意の一部」と容認発言にさらに上昇。ただし、「交渉は継続中で、合意署名の時期や場所はまだ未確定」と不確定要因も。

BOEは予想通り金融政策の据え置きを決定するも、政策委員9名中2名は利下げを主張。他の委員からも状況次第では緩和へと動く可能性を示唆。カーニー総裁も「景気見通しへのリスクは下向き」と、次の動きが利下げとなる可能性を示唆し、GBPの弱さが目立つ。

ECBの経済報告は「緩やかながらプラス成長が続く見通し」とあるも、欧州委員会の経済予測は「リスクバランスは、決定的に下方向」で、「成長とインフレ見通しを可能修正」し、欧州経済に不安も残る。

USDJPYは、アジア市場では、前日の米中通商協議のフェーズ1の署名が12月にずれ込む可能性と報道の流れが続き、「リスク回避=JPY高」に一時108.65まで下落するも、米中が段階的な関税撤廃に合意との報道に108.70→109.12まで急伸。株高+米債利回りの上昇もあり109.20まで続伸し上げ止まる。米国市場に入り米株高+米債利回りの上昇は止まらず、米政府当局者から「追加関税の段階的撤回が第1段階の合意の一部になる」と認める発言もあり、109.49まで続伸。109.50の壁を超えられず米債利回りの上昇も一服し、一時109.10台まで値を下げるも109円台を維持している。

GBPUSDは、世論調査ではジョンソン首相の保守党が有利となっているが、12月12日の英総選挙の結果を受けた動きが確定するまでは積極的に動けず。BOE金融政策委員会の声明やカーニーBOE総裁の記者会見から次の緩和リスクは強まる。欧州市場では一時1.2878まで上昇するも、BOEは予想通り政策金利の据え置きを発表するも、政策委員9名の内2名は予想外に利下げを支持。カーニー総裁の記者会見でも景気見通しへのリスクは「下方向に傾いている」とあり、次の動きが利下げとなる可能性を示唆。これらを受けて1.2850台→1.2794まで下落し米国市場では大枠1.2800~35の狭いレンジで推移。

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21:00    GBP 英中銀 金融政策委員会 金融政策を発表=政策金利0.75%、資産買い入れ枠4350億ポンド、社債買い入れ枠100億ポンドの据え置きを決定、予想通り。

22:30    USD 週間新規失業保険申請件数=21.1万件(予想21.5万件 前回21.8→21.9万件)

5:00    USD 9月 消費者信用残高=前月比予想156億ドル 前回179億ドル

CNY 10月 外貨準備高=3兆1050億ドル(予想3兆990億ドル 前回3兆924.3億ドル)

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米中通商協議関連
◎米政府当局者(ブルームバーグ)は、追加関税の段階的撤回が第1段階の合意の一部になると認めた。
◎交渉は継続中で、合意署名の時期や場所はまだ未確定。
◎コンウェイ米大統領顧問は、トランプ大統領が合意署名を「切望」している。
◎国営新華社通信は、税関総署と農業農村省は米国産家禽(かきん)の輸入制限撤廃を検討。

ブレグジット関連
◎12月12日の総選挙で保守党が勝利し、EU離脱協定が批准されたとしても、移行期間が満了する2020年末までにEUとの自由貿易協定の締結に失敗すれば、合意なき離脱のリスクも再浮上するという。
◎保守党が過半数を獲得できなかった場合でも、次の政権は2回目の国民投票を求め、離脱の6ヵ月の再延長を求める可能性が高い

カーニーBOE総裁記者会見
◎景気見通しへのリスクは「下方向に傾いている」→ 次の動きが利下げとなる可能性を示唆。
◎離脱を巡る不確実性の低減につながるとの見方が、英中銀が描く中核的なシナリオ
◎シナリオ通りなら、「緩やか、かつ限定的な利上げ」を巡るスタンスを維持できる
◎EU離脱協定案を巡る合意を受け英経済が上向く可能性があり、英国を取り巻く環境が変化する可能性が出てきた

BOE四半期インフレ報告(「金融政策報告」に名称が変更)
2019年成長見通しを1.3%から1.4%に引き上げ
2020年成長見通しを1.3%から1.2%に引き下げ
2021年成長見通しを2.3%から1.8%に引き下げ

マクロン仏大統領
◎英経済誌エコノミストとのインタビューで、「NATOは現在、脳死状態にある」と言明。NATOの基本原則である「集団防衛」に疑問を投げ掛けた。「長期的に見て、われわれが地政学的に消え去る、ないし少なくとも自らの運命をコントロールできなくなる相当なリスクが存在する」と述べた。

マース独外相
◎マクロン仏大統領の発言(NATOは脳死している)に同意しない。

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