2015/11/22

今週の為替相場を考える(11月23日~27日)

今週の為替相場を考える(1123日~27日)

米感謝祭を26日に控え、前半は経済指標で相場が動き、後半は動きが鈍い展開を予想します。

今週も「FRBの利上げ期待+ECBの追加緩和期待」に加え、パリ同時多発テロによるユーロ圏経済への影響を危惧した、EUR売りの流れはそう簡単に止まりそうにありません。

先週はポジション調整のドル売りから、週末のテロの再来を危惧した週末リスクのヘッジによるドル買いへと変化、一週間を終えてみると小幅なドル高となり、ドル高基調は変わっていません。

中国経済も目先は安定し世界的な株高の影響を受け、資源国通貨は予想外に健闘しており、特に豪ドルの上昇が目立っています。AUDUSD1週間で109.9pips1.54%)の上昇と、ドル売りの流れの中で、唯一輝いています。

今週の予定を見ると、23日(月曜)は東京市場が勤労感謝で休場となり、26日(木曜)は米国市場も感謝祭で休場、27日(金曜)はブラックフライデーで米国では株式・債券市場は短縮取引となり、週の後半は相場変動が緩やかになる可能性が高くなっています。

そのため、週前半に集中している、米国の経済指標に相場が動くことが予想されますが、週後半の市場参加者の減少や、債権・株式市場の事実上の不在を考えれば、短期的な変動に留まることでしょう。また、来週の123日のECB理事会へ向けた動きが活発になる可能性もあり、EUR相場には注意が必要です。

※※※※※※※※※※※

【ドル相場 ドル高傾向変わらず】
テロリスクを警戒し、安全資産の債券買いに、米10年債利回りは低下傾向にありますが、米2年債利回りは12月のFOMCの利上げを織り込み0.92%近くまで上昇し、ドルのサポート要因となっています。

また、FRBの利上げ観測が強まる中で、世界的に株高傾向が続き、リスク資産も急落することはなく、「米利上げ=ドル高」に追従した動きに思えてなりません。

今週26日(木)は米感謝祭で休場、27日(金)も株・債権は時短取引で、26日~27日は休日ムードが強く積極的な動きは期待できそうにありません

経済指標は週前半の24日と25日に集中し、(24日)米第3四半第2次速報値、米消費者信頼感指数、(25日)米個人所得・個人支出、米耐久財受注、新規失業保険申請件数は重要です。

※※※※※※※※※※※

EURUSD 予想1.05301.0730
週末のテロリスクから解放されると、序盤はやや底堅くなる可能性はありますが、ECB理事会を2週間後に控え、ECBの追加緩和見通しを変更できるような材料もと乏しく、ユーロ売りの流れは変わらずと考えます。

2週連続し1.07台が高値となり、今週も1.073050を高値に戻り売りのスタンスは変わらずで、テクニカルでは、1119日の安値1.061520を割り込むとさらなる低下も期待できます。ただ、ユーロ圏・ドイツ発の重要なイベントも少なく、ユーロ圏発の材料から大きな変化は期待できそうにありません。


GBPUSD 予想1.51501.5300
中長期ではEU離脱を問う国民投票のリスクは気になりますが、今後の数週間で変化するものではなく、大枠1.501.55の大きなレンジを続けるものと思われます。

GBPUSDは、米国に次ぐ利上げ期待で119日から続伸していましたが、1.533050の上値は重く逆に反落、過去6日間の安値近くとなる1.52割れまで下落したことで、目先のポンドロングポジションの調整が進んでいると思われます。

今週は1.513050をボトムにして反発を期待していますが、ポンド相場は予想外の動きとなることが多く、この水準を割り込むと、さらなる売り圧力が強まることも考えなければなりません。

先週は1.53台の上値の重さを確認しましたが、今週は1.515080をボトムに再上昇できるのでしょうか? 27日の英第3四半期GDPは今週数少ない影響発の材料となっとり重要です。また、GBPUSDの相場はEURGBPと切っても切れない関係にありまあすが、0.7000をボトムに下げ止まるのか、合わせて注目しています。

AUDUSD 予想1.71301.7330
強さが目立つAUDUSD。先に豪中銀総裁は「金利上昇リスクと米・中国経済の成長鈍化傾向が続いた場合の利下げリスク」と両方向を示唆していました。現状の米経済は強く、中国経済は安定し、先の豪雇用統計の素晴らしいい数字も、豪ドル買いに影響していると考えます。

ドル高の流れの中で上昇し0.7000をボトムに底堅い値動きが期待でき、EURAUDGBPAUDAUDJPYのクロス絡み動きも合わせ注視しています。


USDJPY 予想121.85123.50円】
いつもながら、期待を裏切るUSDJPYですが、円安トレンドは変わらず。中期的には大枠120125円のレンジを維持するも、122124円のレンジに収束し、次の上昇の機会を待つ動きと考えます。短期的には123.20円を超えてくると円ベア・トレンドが復活することになりそうです。

27日の日本の全国消費者物価指数は今後のインフレ目標達成に向け重要です。また、日銀は独自のコアコア指数を発表するいとのことで、この数字の結果も注意して見たいと思います。

※※※※※※※※※※※※※※