2015/11/07

2015年11日7日(土曜) 最新のIMMポジション(11月3日集計分)から


ドル買いの流れは2週間以上前から始まっていた!

IMMのデータは毎週火曜日時点のポジションを集計している。BOEのハト派の発表や、イエレンFRB議長のタカ派の議会証言、強い米雇用統計の発表前で、それらをデータは織り込んではいない。

しかし、10月27日(火曜)に続き11月3日(火曜)段階で市場参加者は米国の利上げを想定しドルロングへ傾斜していたことが、データで判断でき、8月後半の中国の人民元切り下げ+株価暴落の水準へとポジションが戻っている。

さらに、ユーロ圏の利下げを織り込み、2週連続でユーロのショートは急拡大し、7通貨の合計ではショートもが急拡大し、ドル高への備えが相当前から始まっていたことがわかる。

前週、10月27日と11月3日の一週間を比較してみると、7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネット・ショートのコントラクトは-183,870→-236,466へと-52,596ショートが拡大(前週-64,062)と2週連続でショートが拡大していた。

個別でみると、円+ユーロ+カナダドル+豪ドルのショートと拡大、ポンドはロングながら大幅に減少、スイスはロングからショートへと陥落。例外は、NZドルで逆にロングが拡大していたことは特筆に値する。

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円・ポジション
-33,911→-43,787(-9,876)、2週連続でショートが拡大、ドル換算の円ショートポジションは8月25日の諮詢まで拡大し、中国人民元の急落+株価暴落時の水準へと逆戻りし、円高の動きが終わった可能性もある。

ユーロ・ポジション
-105,934→-134,334(-28,400)、2週連続でショートが拡大、ドル換算のユーロポジションは184億ドルと6月9日の週までさかのぼり、激しいユーロ安が続いている。12月のECB緩和を市場は織り込みつつ、FOMCの利上げを織り込みつつ、相反する流れにユーロ売りは止まらず。


ポンド・ポジション
4,134→188(-3,946)、2週連続でショートポジションが拡大、ネットでかろうじてロングを維持している。集計後の、BOEのMPC、カーニー総裁発言、四半期インフレレポートと、ポンドを支援する材料は見当たらず。市場がヘッジでポンドをロングにしていた反動が、ポンド売りとして続いている。


スイスフラン・ポジション
1,499→-7,035(-8,534)、3週間ぶりにネット・ロングからショートへと変化。


カナダドル・ポジション
-18,895→-19,491(-596)、23週連続でネットショートが続き、5週間ぶりにショートポジションの減少が止まり、ショートは増加へ。


豪ドル・ポジション
-36,352→-38,625(-2,273)、23週連続でネットショートが続き、小幅ながらネットでショートが拡大。スティーブンス豪中銀総裁の発言から追加利下げの可能性を示唆する発言+米利上げ観測が強まり、豪ドルの売りプレッシャーが続いた。


NZドル・ポジション
5,589→6,618(1,029)、4週連続でネット・ロングが続き、唯一前週よりロングが拡大。要因は不明ながら、スポット市場でも、主要通貨の売り・ドル買いが強まっている中で、唯一下げ幅は限定的となっている。


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