2020/01/26

今週の為替相場を考える(1月27日~31日)

今週の為替相場を考える(1月27日~31日)

今週の主な材料にも記しているが、新型肺炎の感染拡大の有無とその度合いが今週の最重要材料で、先週末の株・債券安とドル高・円高の動きを見ても間違いなく、今週も相場変動要因の主要な材料となっている。

市場はリスクを先読みしある程度織り込んだ動きで想定外の事態へと悪化しない限り、リスク回避の巻き戻しに動く可能性も否定できず。新型肺炎のまん延度合いを事前予知することはできないが、30日で春節も終わり31日に市場は再開される頃には新型肺炎の深刻度合を測ることもできるのでは?

FOMCの金融政策も非常に重要であるが、政策金利を据え置くことは間違いなさそうで、声明やパウエルFRB議長の発言を材料して動くだけで、相場の流れを変えることはないと考えている。また、米中通商協議の2段階目の再開も今後のテーマとなるが、今週の相場に限定すればサプライズは期待できず。

上記以外では、①BOEの金融政策、②米第4四半期GDP・速報値、③ユーロ圏各国第4四半期GDP・速報値、④米中通商協議の第2段階目の動き、⑤米 EU通商協議と並んでいる。

どうしても気になるのは、CFTCのIMMポジションで、主要7通貨のネットポジションはショート(ドル高思考)であることは間違いないが、豪ドル、ポンドに続き、NZドル、スイスもネットでロングへと変化し、ショートは円、ユーロ、豪ドルにとどまり、緩やかにドル高相場→ドル安相場へ変化している可能性も否定できず。(詳しくは最新のIMMポジションから参照)

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USDJPY

仮に、新型肺炎の感染拡大がなければ、株・債券・商品市場は底堅くなっていたことが予想され、USDJPYはどうなっていたのであろうか? CFTCのIMMポジションでは円ショートが増加傾向にありユーロに肩を並べる弱さとなっていたことを考えても、110円台にとどまっていたのではと、考えたくもなる。

さて、目を現実に戻し週足を見ると、1月に入り108円を割り込JPYブルになると反発上昇、110.00台でレンジを上抜けしJPYベアになると下落と騙しが多く、短期取引で茶を濁す以外にやりにくい相場であることは変わりない。

テクニカルを考えれば108.50~60近くまで下落余地を残しながらも、引き続きレンジ相場を抜け出せないのではと考えてします。


EURUSD

昨年末の1.1239を高値に、今年に入り結果的に続落し先週末は1.1020まで下落している現実。今週発表されるユーロ圏各国のGDP速報値と、米EU通商協議が材料にされやすいが、ECBは現状の政策を変更することも考えにくい。1.1000の大台を割り込んでも、1.0980近辺が底堅いのではと思ってしまう。


GBPUSD

22日の2014年4月以来となった強い英CBI製造業受注指数に続き、24日は強い英PMIの総合が2018年9月以来の高水準となり、BOEの緩和期待が弱まっていた。ただ、1月31日の英国のEU離脱期限を前にして、追加緩和期待も強く積極的なGBP買いも限定的で逆に値を下げ1.3000の大台近辺がサポートとなっている。中期的にみても1.2950~1.3150レンジ相場が続きそうに思えてならない。

USDCAD

1.3~1.31のレンジと予想したCAD高期待は、弱いカナダCPIにCAD買いの気勢がそがれ、カナダ中銀は予想通り金利を据え置くも将来の利下げの可能性を残すポロズ総裁発言のハト派コメントハトに加え、成長見通しの下方修正と原油価格の下げに、CAD高期待は打ち砕かれた。次の上値のポイントは1.3200で1.3100~1.3200レンジで対応したい。


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