2020/01/04

1月4日(土)昨日3日 海外市場の動き(午前6時ごろ)

1月4日(土)昨日3日 海外市場の動き(午前6時ごろ)

米・イラン対立激化に、原油と金は急騰し、債券は買われ利回りは低下、株価も下落。米ISM製造業景況指数が10年ぶりの低水準のサプライズが加わる中で、FOMC議事要旨の反応は感じられず、為替相場はUSDとJPYの上昇が目立つ。

12月29日に米軍は親イラン派勢力を空爆。12月31日に抗議のデモ隊がバグダットの米大使館の襲撃。それを受け、今回米軍はイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を空爆で殺害を実行。

今のところイラン側から目立った報復攻撃は見られないが事態が急変する可能性は変わらず、リスク回避の流れが続く。一方、米ISM製造業景況指数は47.2(予想49.0 前回48.1)と10年来の低水準で米経済の強さは感じられず。FOMC議事要旨は「下振れリスクが長く続くも、米金融政策は適切」とありサプライズなし。


原油価格(WTI)は前日の61.18 から一時64.09ドルまで上昇し、前日比3%近く63ドル近辺で推移。金価格も前日1528.10ドルから1.5%近く上昇し1551.30ドル近くで推移。

欧米株は弱く、ダウは前日比-233.92(-0.81%)で終了。Nasdaq-0.79%近く、S&P500-0.71%下落している。

このようなリスク回避の流れが強まる中で、USDとJPYの上昇が目立っており、主要通貨でUSDはJPYを除き全面高。リスク回避時に売られる傾向にあるAUD+NZDは弱く、資源価格の急騰にも関わらず、CADも小幅安。

EURUSDは、早朝の1.1179を高値に米・イラン対立激化にリスク回避のEUR買いではなく、USD高の流れに1.1125まで売られて下落。ただし、これをボトムに徐々も買い戻され、弱い米ISM製造業を受け一時1.1180とアジア市場の高値水準まで値を戻すも、これが限度で1.1150台に値を下げて推移と上値も重い。

USDJPYは、5日連続で下落し、大枠108~110のレンジの下限近くまで下落(細かくは107.89~109.73)。25時間MAを上限としたダウントレンドを継続しており、その水準は108.15にあり、108.27と合わせ上値のポイントとなっている。もちろん、今後のイランの対米報復攻撃があるのか? 米国のさらなるイランへの攻撃があるのか? 予断を許さず。

USDCADは、1.2961~1.3005のレンジで、前日比では小幅な上昇ながら、1.300の大台近辺で推移しており、他の主要国通貨が変動する中で、小幅な動きを維持しており強さも目立つ。原油価格の急伸のフォロー材料もあるが、引き続き中立的な動きを期待したい。


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0:00    USD 12月 ISM製造業景況指数=47.2(予想49.0 前回48.1)、生産=43.2(予想 前回49.1)、新規受注=46.8(予想 前回47.2)、雇用=45.1(’予想 前回46.6)、価格=51.7(予想 前回46.7)→  予想を大幅に下回り2009年6月以来、10年ぶりの低水準。仕入れ価格は上昇へ。

0:00    USD 11月 建設支出=前月比0.6%(予想0.3% 前回-0.8→0.1%)→ 前月が大幅に上方修正され、予想を上回る

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〇FOMC議事録(12月11日)
①下振れリスクが長く続くも、米金融政策は適切な可能性が高い。
②大きな変化がない限り、金利は当面適切な水準。
③国際貿易に関する長引く不確実性と海外経済の弱さに絡む世界の動向が、見通しへリスクをもたらす。
④低金利を長期間続けると金融セクターの不均衡を悪化させる可能性も指摘。

〇米・イラン対立激化
①米国務省
「トランプ大統領の指示により、米軍は海外に駐留する米職員を守るため、ソレイマニ司令官を殺害することで断固とした防衛措置を講じた」、「イランによる将来の攻撃計画を抑止することが狙い」、「緊張の高まりに米国民に対しイラクからの即時退去を命じた」。
②ポンペオ米国務長官
大使館襲撃はテロリストが画策したとし、「イランの精鋭部隊司令官に対する攻撃を正当化」、「イランとの戦争を求めていない」、「イランが状況をエスカレートさせ、米国民の生命を危険にさらし続けるのを、われわれが傍観することはない。混乱や防衛、抑止を伴い、状況悪化の緩和につながる機会を創出するやり方で対応する」
③トランプ大統領
イラン司令官は米外交官攻撃を計画した、米国はテロリストを探し出し排除する、米国は必要ならいかなる行動も躊躇しない。
④米国防総省の当局者
12月29日の米国による親イラン派勢力への空爆で戦闘員25人の死者が出たことに抗議するデモ隊数百人が12月31日、警備の厳重な「グリーンゾーン(Green Zone)」の検問を突破した。デモ隊はイラクからの米軍撤退を要求し、イラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊(Quds Force)」のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官に忠誠を誓った。12月31日にイラクの首都バグダッドでの米大使館襲撃事件を受けて数百人が追加派遣されていたが、米国は最大3500人を中東地域(クウェート)に増派する。
⑤米国防総省の当局者
米国が殺害したのは、イラン革命防衛隊で国外作戦を担う精鋭部隊「コッズ部隊のガセム・ソレイマニ司令官。米政府は、イラクで最近相次いだ米施設に対する攻撃の背後に同司令官がいたと主張。

〇エバンス・シカゴ連銀総裁
①イラクでの直近の出来事が不確実要素であることは間違いなく、原油価格はやや上昇したが、米経済は非常に良好かつ活発で、底堅い状況にあると考えられる
②製造業活動が若干縮小しつつある状況でも経済は成長を続けられるということが分かっており、現在のところ経済は非常に底堅いと期待している

〇ECBデータ
11月のユーロ圏の企業向け融資は前年比3.4%増と、2018年4月以来約1年半ぶりの低水準

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