2020/01/16

2020年1月6日(木)昨日5日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2020年1月6日(木)昨日5日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

とりあえず目先のイベントは終了。注目の米中通商協議「第1段階」の合意署名、米株市場最高値を一時更新するも上昇幅を維持できず。為替相場はEURの上昇がやや目立つだけで総じて動きは緩慢。米株は上昇幅を維持できず、米債利回りも軟調。

USDJPYは、米中「第1段階」の合意署名は織り込み済みで大きな変化は見られず、一日を通じて109.79~00の狭いレンジで推移。ただし、110の大台を回復できず、25時間MA=109.91、75時間MA=109.88、200時間MA=109.17接近。クロスでもJPYは強弱混在で積極的なJPY売りの影は薄く、米債利回りの低下もありイメージとして上値が重くなっているようにも感じられる。

EURUSDは、予想通りとは言え独2019年のGDPは6年ぶりの低い水準0.6%になったと発表、2013年以来6年ぶりの低成長。さらに、ユーロ圏の鉱工業生産の前年比は弱く前回も下方修正され、貿易黒字も予想に届かず前回から大幅に減少。ただし、1.1189をボトムに、欧州市場では英国の利下げ期待が続く中で、EURGBPの上昇の影響もあるのか1.1155まで上昇、米国市場では1.1164まで上昇と、主要通貨で動きが鈍い中で底堅さが目立ている。

経済指標では、英CPIは前年比1.3%(予想1.5%)と予想を下回り、PPIや鉱工業生産も強さが見られず利下げ観測が強まる。米NY連銀製造業景気指数は4.8(予想3.6)と予想外に強く出るも、米PPIは前月比0.1%(前回0.0→-0.2%)、前年比1.3%(予想1.3%)と前月比はプラス圏となるも大きな変化は見られず。ベージュブックは「緩慢なペースでの拡大を維持したが、製造業で雇用情勢が悪化し、全国的に見られる引き締まった労働市場環境と相反する状況」とあった。

原油価格(WTI)はEIA石油在庫統計を受け一時57.36ドルまで下落するも、58ドル台で推移。金価格は15550台と続伸。ダウは一時29,127.59ドルまで上昇するも、終盤にかけて29000ドルを割り込み小幅な上昇にとどまる。Nasdaqはマイナス圏へ。米10年債利回りも弱く1.78%台を割り込み一時1.7777%まで下落、2年債も一時1.5516%まで下落し1.55%台で推移。


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18:30    GBP 12月 消費者物価指数(HICP)=前月比0.0%(予想0.2% 前回0.2%)、前年比1.3%(予想1.5% 前回1.5%)、コア前年比1.4%(予想1.7% 前回1.7%)、小売物価指数(RPI)=前月比0.3%(予想0.4% 前回0.2%)、RPI前年比2.2%(予想2.3% 前回2.2%)、RPIX(除く住宅ローン利払い)=前年比2.2%(予想2.3% 前回2.3%)→ 予想を下回り利下げ観測が強まる。
18:30    GBP 12月 生産者物価指数=出荷前月比=0.1%(予想0.0%. 前回-0.1→-0.2%)、前年比0.9%(1.0%(予想1.0% 前回1.1%)、仕入れ前月比0.1%(予想0.3% 前回0.5%)、仕入れ前年比-0.1%(予想-0.8% 前回-1.9%)→ 前月比の出荷以外は弱さが目立つ。

19:00    EUR 11月 鉱工業生産=前月比0.2%(予想0.3% 前回-0.5→-0.9%)、前年比-1.5%(予想-1.1% 前回-2.2→-2.6%)→ 前回も下方修正され弱さが目立つ

19:00    EUR 11月 貿易収支=季調前207億ユーロ(予想233 前回280億ユーロ)、季調済192億ユーロ(予想220億ユーロ 前回245→240億ユーロ)

22:30    USD 1月 NY連銀製造業景気指数=4.8(予想3.6 前回3.5→3.3)→ 予想を大幅に上回る

22:30    USD 12月 生産者物価指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.0→-0.2%)、前年比1.3%(予想1.3% 前回1.1%)、コア前月比0.1%(予想0.2% 前回-0.2%)、コア前年比1.1%(予想1.3% 前回1.3%)→ コアの前月比はプラスに変化するも、前年比と共に予想に届かず。

23:00    CAD 12月 中古住宅販売=前月-0.9%(比予想 前回0.6%)

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【米中通商協議【第一段階】の合意署名に関して】
〇米中は「第1段階」の貿易合意書に署名→ 貿易戦争開始後、初の追加関税緩和、中国側が米農産品の購入拡大や知的財産権保護を約束する一方、米側は発動済みの対中追加関税の税率を一部引き下げる。米中貿易戦争が本格化した2018年7月以降、追加関税が緩和されるのは初めて
〇協定は、中国による米農産品購入拡大のほか、知的財産権保護、金融サービス市場の開放、為替政策の透明性向上、合意事項の確実な履行を保証するための「紛争解決手続き」など9項目。署名から30日後の2月14日に発効する。米側は昨年9月に発動した1200億ドル(約13兆2000億円)分への追加関税率を15%から7.5%に引き下げる。
〇米側は第2段階の交渉中、年間輸入総額計3700億ドル(約41兆円)相当の中国製品に対する追加関税は据え置く方針だ。

①この8つの部分から成る合意文書は、世界の市場を揺るがせた2年にわたる貿易戦争の「休戦」の役割を果たす。
②米国は中国からの輸入品1200億ドル(約13兆円)相当に課している関税を7.5%に半減させ、予定していた追加関税についても実施を見送ることで合意
③中国企業への補助金や中国国有企業の問題は今後の交渉に持ち越されており、決着は11月の米大統領選後の見込み。
④中国が米投資家に不良債権の購入を許可
⑤中国政府・企業が米国企業に技術移転を強制しているという米国側の懸念に大きな重点が置かれた。両国は対策として営業認可や規制当局の承認を得るための技術移転を巡り圧力をかけない、または義務付けないことで合意。許可を得る条件として特定の技術の利用を「公式にも非公式にも」企業に対して迫らないことなどでも一致した。
⑥合意書には中国に対し、履行に向けた法規制の改正を義務付けていない
⑦中国は向こう2年間で米国の工業製品、農産品、エネルギー、サービスの輸入を2000億ドル拡大することでも合意
⑧合意書には大まかな輸出項目がドル建てで記載されたが、具体的な輸入計画は含まれなかった。

〇 ムニューシン米財務長官
①米中の「第2段階」通商交渉で、特定の技術やサイバーセキュリティーを巡る問題が解消される見通し

〇トランプ米大統領(米中貿易協議に関して)
①すべての関税は第2段階の合意まとめた時点で引き下げる
②第2段階の交渉は、合意が発効し次第、交渉を開始
③中国は知的財産について著しく執行可能なコミット
④包括的かつ完全な執行能力のある通貨の合意が成立
⑤合意が発効し次第、第2段階の交渉を開始
⑥すべての関税は第2段階の合意をまとめた時点で引き下げ
⑦中国との第3段階交渉は不要と考える

〇劉鶴・中国副首相
①第1段階合意は米中や世界経済にとって利益
②第1段階合意は最も緊急を要する案件を入れた
③中国は合意内容を厳格に履行する
④中国企業は米製品を市場情勢に沿って購

〇クドロー国家経済会議(NEC)委員長
①米中間では過去最高のディール
②今後の関税引き下げについては中国との了解はない
③中国政府はすでに関税の大幅引き下げを実現した
④米中貿易協議は第2段階に直ちに移行。
⑤夏には新ラウンドの減税策を表明できるかもしれない。

〇トランプ大統領
①一部を維持するのは「第2段階」の交渉で有利な取引材料を保持するため
②関税は「第2段階の交渉が終わり次第、引き下げられる」と発言。協議はすぐに始まる
③「為替操作については非常に強固な基準がある」と述べ、通貨切り下げは「非常に強力な制限」を受ける
④そう遠くない将来に中国を訪問。
⑤USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)は、来週成立する

〇事情に詳しい複数の関係者
①さらなる引き下げの有無は中国による第1段階合意の順守状況次第

〇米地区連銀経済報告(ベージュブック)
①米国の景気は2019年の終盤、緩慢なペースでの拡大を維持したが、製造業で雇用情勢が悪化し、全国的に見られる引き締まった労働市場環境と相反する状況

〇米下院、トランプ大統領弾劾条項の上院送付を可決
①米下院はトランプ大統領の弾劾条項の上院送付を可決

〇カプラン・ダラス連銀総裁
①米金融政策が資産価格に及ぼす影響を懸念
②低い米政策金利と、将来の利上げへのハードルが高いとの認識
③米金融当局のバランスシート拡大が資産価格の押し上げにつながっている
④技術破壊が物価上昇を弱める
⑤20年は2%程度の成長を見込む」
⑥マイナス金利が経済を支えるという証拠はない」
⑦バランスシート拡大を抑制する計画を望む。
⑧政策行動の見通しはない。しかし、正しいことを行う。

〇EIA石油在庫統計:原油は254.9万バレルの取り崩し
①これを受け原油価格の売りが強まる。

〇OPEC月報
①世界経済の見通し改善により、2020年の石油需要が押し上げられるとの見方

〇クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
①中国との通商合意は20、21年のGDPを0.5%引き上げるだろう」
②第1段階合意、中国の追加購入は製造関連で750億ドル、エネルギーは500億ドル、サービスが400億ドル」
③「第1段階合意の署名後に第2段階の交渉が始まる」

〇ドイツ連邦統計庁
①2019年の経済成長率は6年ぶりの低い水準
②2019年のGDPが0.6%(予想0.6%)増加したと発表。貿易摩擦や外需の低迷が響き、成長率は18年の1.5%から大幅に減速し、2013年以来6年ぶりの低成。
③昨年の経済成長率は0.6%。通商摩擦や全般的な需要の冷え込みが、根本的な構造問題を抱えるドイツ経済への向かい風を強めた

〇サンダースBOE政策委員
「中立金利はBOEの見通しよりも低くなる可能性」
「英労働市場が弱くなるリスクがある」
「ブレグジットの不確実性は引き続き経済の重し」
「BOEの政策余地はほとんどないにも関わらず、積極的な行動が必要」

〇ビルロワドガロー総裁
①米国か欧州が年内にリセッション入りする可能性は事実上排除できると発言

〇メルシュECB理事
①ユーロ圏経済への警戒態勢を完全に解除するにはまだ早いが、「安定化の良好な兆しが見られているのは確かだ」
②このシナリオに下振れリスクが依然あるかを見守ることになるが、下方向への傾きが減ったことは間違いない。
③他の政策分野の関与は依然必要だ

〇英首相府のスラック報道官
①英国はEU離脱後に規制面で連携するつもりは全くない

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