2020/01/10

2020年1月10日(金)昨日9日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2020年1月10日(金)昨日9日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

オンゴール的なウクライナ機墜落事故の可能性もあり、米イラン共に戦いの矛先を収めようとしている動きを評価し、株高とUSD高傾向は止まらず。為替相場はJPY+NZD安が目だっており、USDJPYは109.50台と先の高値109.73に迫る動きへ。

原油価格も58.66ドルで下げ止まり59ドル台ミドルと前日と同水準で推移。金価格も1541ドルで下げ止まり1550ドル台と小幅安で推移。米10年債利回りは小幅低下し1.85%近くで推移。

米中貿易交渉の第1弾は15日に署名となる中で、トランプ氏は「第2段階」合意を目指す交渉は間もなく始まるが、大統領選後になる可能性を示唆。今後の米中貿易問題はしばらく進展が見られない可能性も。

ウクライナ機墜落に関して、トルドー・カナダ首相はイランでの旅客機墜落はイランのミサイル被弾が原因との証拠があるとあり、米当局者からもイランのミサイル2発によって撃ち落された可能性が高いとのことで、イラン政府の今後の対応が気になる。

USDJPYは、アジア市場の109.01をボトムに米イランが戦いの矛先を収めつつある中で、世界的な株高の流れは止まらず、米国市場に入り109.58まで続伸。12月上旬から中旬にかけての高値109.70台を目指す動きを継続中。クロスでも弱いNZDを除き他の主要国通貨でJPYの下落が続いている。

USDCADは、アジア市場の1.3027をボトムにドル高の流れや原油価格の伸び悩みを材料にして底堅く推移。米国市場に入り発表となったカナダ住宅着工件数と住宅建設許可件数が予想外に弱く出ると、31日に急落スタート地点となる1.3050~60の水準を上回り、一時1.3105まで急伸。終盤にかけては1.3060台で推移している。結果としてJPYと同様にリスクヘッジで買われたCADの巻き戻しが要因の一つとも考えられる。話はそれるが、ポロズ・カナダ中銀総裁は「カナダ経済は世界的な発展の影響を受けないことは明らか」とある。

GBPUSDは、英下院ブレグジット関連法案を賛成多数で可決。先日のフォンデアライエン欧州委員長に続き、仏のバルニエ首席交渉官も1月末の離脱までに包括的な合意を成立させるのは難しいとある。それが直接的な原因かは不明ながら、欧州市場に入り一時1.3010台まで下落し米国市場では大枠1.3030~70のレンジで推移。

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19:00    EUR 11月 失業率=7.5%(予想7.5% 前回7.5%)

22:15    CAD 12月 住宅着工件数=19.73万件(予想21万件 前回20.13→20.43万件)→ 予想を下回る

22:30    CAD 11月 住宅建設許可件数=前月比-2.4%(予想1.0% 前回-1.5%)→ 予想を下回る

22:30    USD 週間新規失業保険申請件数=21.4万件(予想22.0万件 前回22.2→22.3万件)→ 予想を下回り改善へ

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〇トランプ大統領
①米中の「第2段階」の通商合意に向けた交渉は間もなく始まるが、今年11月の大統領選が終わるまで妥結を見送ることもあり得る

【米イラン関連】
〇トランプ大統領
①イランに対する制裁強化を実施
②イランへの制裁強化について財務省に承認したところだとし、新たな制裁内容については財務省が声明を発表

【ウクライナ機墜落関連】
〇トルドー・カナダ首相
①イランでの旅客機墜落はイランのミサイル被弾が原因との証拠がある
〇米当局者
①イランのミサイル2発によって撃ち落された可能性が高い。
②国際的な協力が難しい状況となっており、調査は難航。
〇ウクライナ国際航空の広報担当
①仮説についてのコメントは控える
〇ウクライナ当局者
①複数のシナリオを検討していると語った。これには対空ミサイルによる撃墜やドローンとの衝突、エンジン爆発、テロ攻撃による機体爆破の可能性が含まれる

〇ポロズ・カナダ中銀銀行
①グローバルな貿易政策の進化は保護主義的行動の影響と、不確実性は、輸出と投資を世界的に抑制。
②USMCA批准は多くの国内企業にとって不確実性を取り除く
③世界のGDPは貿易紛争により約1%低くなると予測
④一部は、米国政府が欧州連合に対して同様の貿易行動を取ることになることを懸念
⑤カナダ経済は世界的な発展の影響を受けないことは明らか。
⑥来週、世銀の四半期ごとのカナダ消費者期待調査に関する定期報告書を発行し、これをビジネス見通し調査に関する現在のレポートと一緒に公開。

【FRB関連】
〇ウィリアムズNY連銀総裁
①インフレ期待は持続的に下振れする恐れがあるものの、回避することは可能
②中銀がかつて「好ましくないほど高いインフレ」退治に向き合っていた時代を考えると、現在の状況は真逆だと指摘。
③金利が景気後退前よりも低い背景には生産性の鈍化や人口動態の変化、安全資産への需要拡大といった要因が重なっていると分析
④もしインフレ率が今後も目標を下回るようなら、インフレ期待の下方スパイラルは継続する公算が大きい

〇クラリダFRB副議長
①昨年の利下げが「良いタイミング」で実施され、金融政策は新年に向け良い状況にある。
②インフレ率はFRBの上下双方向に対称的な目標に「緩やかに」近づいていくと予想
③金融政策は良い状況にあり、持続的な成長や堅調な労働市場、シンメトリック(上下に対称的)な2%目標に向かうインフレ率を引き続き支援する。
④全体的な準備金の水準が増加しているため、1月以降はレポオペの規模が縮小し始める可能性に言及。1月下旬のFOMCで議論されるだろう。

【ブレグジット関連】
〇英下院ブレグジット関連法案を賛成多数で可決
①離脱を巡る3年余りの混乱に終止符が打たれることになる。

〇バルニエ首席交渉官
①1月末の離脱後に始まる11カ月の移行期間中にEUと英国の将来の関係について包括的な合意を成立させるのは難しい
②1年未満でこの新しい関係のすべての側面で合意できるとは思えない

〇ビルロワドガロー仏中銀総裁
①物価目標は上下が対照的で弾力性を持つ必要があり、ECBが目標を設定する際、金融市場ばかりでなく世論の声も聞くべき

〇クロアチアのプレンコビッチ首相(2020年上半期のEU議長国)
①EU離脱を巡る交渉について来週にも取り組み始める用意がある

〇カーニーBOE総裁
①利下げ余地は比較的限られているが、経済活動の弱さが続く可能性を示唆する材料が積み上がれば、リスク管理の観点から比較的迅速な対応を支持するだろう
②追加利下げと債券購入策拡大を合わせて0.25%の利下げと同規模の緩和策が英中銀の採り得る現行の手段

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