2020/01/05

今週の為替相場を考える(1月6~10日)

今週の為替相場を考える(1月6~10日)

年末年始に起こった材料を考えると、まあ、大雑把に言えばこんなところではなかっただろうか?

①米中貿易摩擦の緩和(第1弾合意の署名は15日)、
②英国のEU離脱道筋の透明化、
③米国とイランの対立激化による中東情勢緊迫化、
④弱さが目立つ米経済指標、
⑤ゆるぎない米国への信認、
⑥米大統領選の前哨戦の動き、
⑦世界的な株高、
⑧FOMCは現行の政策維持、
⑨中国の緩和策継続(預金準備率0.5%引き下げへ)、

過去のセオリーは「本邦税が不在の年末年始の相場の流れは一時的で元の水準に戻る」と考えているが、今回は米中貿易摩擦の第一弾合意の署名が直前に控え、さらにサプライズの米国による「イラン革命防衛隊のコッズ部隊のソレイマニ司令官をイラクで殺害」のニュースに、今後は一触即発の事態となっていることである。

その結果、USDJPYは10月末から続く大枠108~110(詳しくは107.84~109.74)のレンジの下限に近付き、中東情勢の緊迫化に米債利回りは低下し、リスクオフに買い選好となっている。今週から本邦税が本格参入する中で、すべては今後の米国とイランの軍事的な動きの有無次第ながら、108.50台超を維持できなければ、JPY高を期待したくなる。

USDJPYと動きが似ておりリスク回避時に選好されるUSDCHFは、8月中旬の安値を一時下回り、2018年9月末の水準となる0.9700割れまでドル売りが進んでいる。

EURUSDは、2019年10月上旬の安値1.0879をボトムに下げ止まってから、1.1100~1.1200のレンジを一時上抜けながらも結局は元のレンジに逆戻している。米中貿易戦争の緩和方向と、ブレグジットの先行きに光明が見えた動きに経済は回復傾向にあるも、米国経済と比較すると弱さはぬぐい切れず。ECBは緩和傾向を維持し財政出動の可能性もEUR相場とってネガティブ材料で、積極的にEUR買いもできず。

GBPUSDは、2019年9月上旬の1.1958をボトムに上昇傾向が続き、英総選挙で与党保守党が大勝し他ことで一時1.3515まで急伸してからは伸び悩んではいる。今週7日からスタートする英議会の動きを注視しながら、1.3000割れをボトムに底堅い流れを維持できるか?

AUDUSDは、0.6670台をボトムに0.7000の大台を上抜け一時0.7032まで上昇し、ブル相場突入期待が強まるも失敗。ただし、米中貿易摩擦の緩和と、中国は預金準備率を0.5%引き下げるなどの緩和策を続けていることもあり底堅い流れとなっている。

USDCADは、1.3660台、1.3560台、1.3380台、1.3320台と上値を切り下げ、USMCAの合意期待や原油価格の上昇もあり、2019年7月中旬の安値1.3016を割り込み6週連続で下落中で、1.29~1.3100のレンジで上値の重い展開と期待したい。

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