2020年1月11日(土)昨日10日、海外市場の動き
日本は3連休前の金曜日。台湾では11日に台湾総統選挙と立法院選挙を控え、中東では米・イラン問題を抱え、15日には米国は米中貿易協議「第1弾」の調印式を控え、弱い米雇用統計にもドル売りは限定的で米国への信認は強いとみるべきなのだろう。
為替相場は、さすがに弱すぎる米雇用統計(非農業部門雇用者数は予想を下回り、過去2か月分は小幅ながら下方修正、週平均労働時間、平均時給は予想を下回る)に、直後はドル売りが加速するも、終わってみるとドル売りは予想外に限定的。
米国とは真逆に強いカナダ雇用統計にUSDCADが一時1.3029まで下落幅を拡大するも続かず。結局は雇用統計発表時の水準まで値を戻し、米イランの緊張の緩和による原油価格の伸び悩みと、先に1.30割れから売り込み1.2950台をボトムに反発した余波も加わるが、CAD高期待感は変わらず。
そんな中で、強さが目立ったのはAUD。AUDUSDはアジア市場で発表された豪小売売上高が強く、0.6851をボトムに続伸。弱い米雇用統計を受け0.6870台→0.6910台へと続伸。豪中銀の緩和見通しも遠のき市場参加者の上昇期待の表れ。
米雇用統計後に一時上昇していた米株は息切れしダウは前日比0.4%近く低下。米10年債利回りも発表後にやや上昇するも結局は一時1.814%まで低下し1.82%台で推移。原油価格も小幅低下するも、金価格だけは強く一時1,562.20ドルまで上昇し強さを維持。
USDJPYは、弱い米雇用統計にも関わらずJPYクロスの動きもあり、大枠109.45~70のレンジ相場。この109.70台は12月前半で試して失敗した水準で、さすがに110.00の超大台では魑魅魍魎が跋扈することは間違いない。時間足でみると200時間MAを高値にした動きとなっているが、オシレーター系は買いを示唆と複雑。
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22:30 CAD 12月 失業率=5.6%(予想5.8% 前回5.9%)、新規雇用者数=3.50万人(予想2.5万人 前回-7.12万人)→ 失業率は予想外に低下し、新規雇用者数は予想外に増加で、弱い米雇用統計もありUSDCADは大きく値を下げる。
22:30 USD 12月 雇用統計:失業率=3.5%(予想3.5% 前回3.5%)、非農業部門雇用者数=14.5万人(予想16.4万人 11月26.6→25.6 万人、10月15.6→15.2万人)、週平均労働時間=34.3(予想34.4 前回34.4→34.3)、平均時給=前月比0.1%(予想0.3% 前回0.2→0.3%)、平均時給=前年比2.9%(予想3.1% 前回3.1%)、時間当賃金=28.32(予想 前回28.29)、労働参加率=63.2%(予想63.2% 前回63.2%)
0:00 USD 11月 卸売売上高 確報値=前月比1.5%(予想0.2% 前回-0.7%)→ 2019年3月以来の大幅な伸びへ、卸売在庫=前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.1%)
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【米中貿易協議関連】
〇15日の調印式には、最低200人の関係者を招待、中国側からは鐘山商務相やの易綱総裁、財務省や外務省の事務次官などが出席
〇ホワイトハウス当局者
①「第1段階」通商合意の調印の合意内容は、完全に妥結できていない。
②翻訳はまだ完了していないと
〇ナバロ大統領補佐官
①86ページに及ぶ合意文書が中国語に翻訳されるのを待っている
②合意は保証されている。
〇中国当局者
①米政府が交渉中に何度も姿勢を変化させたため、中国は第1段階の通商合意に関する詳細について公式に議論しないよう気を付けている。
②米中双方が1カ月にわたり文章や文言の選択について議論してきた
【米イラン関連】
〇ムニューシン米財務長官
①イラン政権、米軍基地攻撃に関わった高官に制裁を科す
〇米政府
①対イラン追加制裁の内容を公表、イランが「テロ行為」を続ければ、さらに制裁を強化。
②イランの製造業・鉱業などの産業のほか、8日の駐留基地攻撃に関与した高官8人を対象。米国内の資産が凍結されるほか、対象者と取引する個人や国外金融機関が制裁対象になる可能性も。
〇ポンペオ国務長官
①イランのミサイルがウクライナ航空機を撃墜させたと確信。
〇ペロシ米下院議長
①下院は来週、大統領の弾劾決議案を上院に送付
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