2019/01/20

今週の為替相場を考える(1月21~25日)

今週の為替相場を考える(1月21~25日)

今週のテーマは使い回しされているが、ブレグジットと米中貿易問題の行方。それに、どこまで続くか米政府機関の一部閉鎖。

これによって、FRBの金融政策を含めたの主要国の政策金利にも影響を及ぼし、金利と株価も連動して動くことになり、当然ながら為替相場もドルとポンドを中心として動くことになり、円相場はそれに伴いリスクオン、オフで動くことになりそうである。

USDJPYは目の前に迫った110の大台を達成し維持できるか? EURUSDは1.13~1.15のレンジに収まるか? GBPUSDが再び1.300の大台を再トライできるか? テクニカルよりもこれらの材料次第では?

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今週は21日がキング牧師誕生日で米国市場は休場となり、先週18日(金曜)はポジション調整による変動が要因となった可能性もあるが、世界的に株価は上昇、債券利回りは上昇、原油価格も上昇傾向を維持しており、米金利の据え置きや利下げのリスクを意識した動きも落ち着きを取り戻している。

米中通商協議は本当に先に光明が見えてきたのか? 市場はどうしても新しい材料に反応しやすく、「火のないところに煙は立たない」の格言がどうしても頭をよぎってしまう。また、メイ首相は21日に動議を提出し、英議会は29日に離脱代替案を審議し採決へと向かう。市場参加者は、「選挙リスクは後退」、「離脱時期の延期」、「2度目の国民投票」の選択肢を評価しているが!?

報道内容の信ぴょう性は不明ながら、17日にムニューシン財務長官は貿易摩擦を懸念する金融市場の安定を図る狙いに、貿易交渉で中国政府からの譲歩を引き出し、「関税の一部もしくは全部の撤回を提案している」と報道があったが、これは否定されていた。

財務長官の立場を考えれば、米中貿易戦争の影響に中国や他国のみならず、米国の景気鈍化のリスクが強まっていることは容認できないのであろう。WSJ紙では「財務長官は米国の対中関税引き下げで、ライトハイザーUSTR代表の抵抗に直面している」との報道もあった。

そして、ブルムバーグは関係者の話として、①1月初旬の米中次官級協議で中国は米製品の輸入拡大を提案。 ②「中国は毎年1兆ドル超の輸入を増やし、2024年(6年後)には貿易赤字を解消する計画を示した」、ただ、米国側は懐疑的な見方をし、迅速な不均衡の解消を求めたとの報道もあった。

一体この話はどこまで事実で今後どうなるのかは不明ながら、ダボス会議(22~25日)にこのムニューシン氏とライトハイザー氏が出席との報道もあったが、この場でなんらかの話し合いがなされ、月末の中国副首相の訪米と合わせ何かが決まるか、または、物別れの可能性がある。


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USDJPY 108.50~110.20がメインシナリオ、通商協議の動き次第で109.50~111.50のレンジへスライド。

USDJPYは昨年末の終値は109.684で一時104.60台まで暴落したが、先週末にはこの水準を若干上回る109.768とほぼ同水準で終わっている。これで、振出に戻ったと考えドル売りを選択するのか? ボトムアウトして上昇すると考えドル買いを選択するのか? 今週は思案のしどころ!

日本発の材料からは円高への動きは期待できず、本当に米国は中国から一部または、全部の関税撤廃へ向けたが動きがあるのか? 仮にあれば株高・金利上昇・ドル高(円安)が加速することになるが? 基本は引き続き108.50~110.20をメインシナリオに考えながらも、合意に向けた動きとなれば、109.50~111.50の円安へスライド。


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EURUSD 1.1300~1.1500がメインシナリオ、ブレグジット交渉とECB理事会のハト派内容次第で、1.1400台を回復し維持できなければ1.1250~1.1400のレンジへ。

1.13~1.15のレンジを一時上抜けして新たなブル相場を期待するも結局は元の1.13~1.15のレンジに逆戻り。ドラギECB総裁の「景気減速は予想より長引く可能性」と、「大規模は刺激策が依然として必要」との発言に売りが加速。もちろん、EURGBPが0.9060台→一時0.8760台まで急落したことも影響しているが、中間点と思われた1.14も維持できないていたらく。

今週は、21日にメイ首相は新たに動議を提出し、24日にECB理事会があり、EURGBPが動くおぜん立ては十分過ぎる。今週1.14台を回復し維持できなければ、続落の可能性も意識せざるを得ない。


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GBPUSD 1.2800~1.3000

メイ首相のEU離脱案は否定、メイ内閣の不信任案は否定、合意なきEU離脱のリスク軽減しソフトブレグジットの期待に17日に一時1.3000の大台を達成するも、逆に18日には以外にも1.28台へと逆戻り。これは週末・米国市場が3連休前のポジション調整の動きだけなのか? 週足や月足では陽線を維持している。

いずれにしても今週はメイ首相が21日に動議を提出し、英議会は29日に離脱代替案を審議し採決へ。どのような結果になるのか? 英首相報道官は「EUが容易に離脱期限の延期を提示してきたら、英国のNOと言う」と強気なのだが! 

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