2019/01/05

2019年1月5日(土曜)4日、海外市場の動き

2019年1月5日(土曜)4日、海外市場の動き

年初の週末も波乱! 強い米雇用統計、下振れリスクも意識したパウエル発言、米中通商協議でトランプ氏の前向き発言、人民銀行の預金準備率引き下げなど、材料は豊富。結果、米株は上昇、米債利回りも上昇、商品(含む原油)価格も上昇。

為替相場は、強い米雇用統計のドル買いから、パウエル発言でドル売りへと流れは急変し、米中通商協議を再開に貿易摩擦の解消期待もあり、ドルは全面安で円も一人負け。特に株高・商品高でAUDUSD(+1.56%)、AUDJPY(+2.37%)と急伸。

ダウは+746.94(+3.29%)急伸、米10年債利回りは2.668%(前日2.554%)、2年債も2.494%(前日2.379%)、原油価格は47.96(前日47.09)と上昇。

米雇用統計は、失業率は3.9%と予想外に上昇するも、NFPは31.2万(予想18.0、過去2か月は5.8万人の上方修正)と強く、平均時給前年比3.2%(予想3.0% 前回3.1%)も上回る。

パウエルFRB議長は討論会で、①政策運営に当たり市場が織り込む下振れリス
クを考慮。→ 2016年と同じく、金融引き締めの停止の可能性を示唆したことで米株は急伸。ただし、先物は今年1回の利上げ確率がゼロから小幅ながら織り込む動きへ。

米中両国は通商協議を再開、米中貿易摩擦の解消期待へ。トランプ大統領は記者団に、①中国との交渉は非常に順調に進んでいる。②米国の経済は好調で中国経済の減速は通商交渉で米国を有利な立場へ。③中国と合意するだろう、中国はそれを望んでおり、そうするしかないと考える。

中国人民銀行は、経済支援で2016年3月以来となる、市中銀行の預金準備率を1ポイント引き下げると発表。15日0.5ポイント、25日0.5ポイント引き下げる。

USDJPYは、アジア市場の107.50近辺をボトムに、株価と連動しながらも底堅く推移し、強い米雇用統計を受け一時108.60まで上昇するも、108.50~60の売りは厚く下げ止まるが、108.50でクローズと、円は他通貨でも全面安の展開で終了し、急落した3日の水準を上回る円安で終了している。

EURUSDは、アジア・欧州市場と1.1383~19の狭いレンジで推移し、予想を下回るユーロ圏CPIに反応は鈍い。強い米雇用統計を受け1.1346まで下落するも、パウエル発言を受け1.1418まで上昇。結局は1.1390~18の狭いレンジで動きは鈍い。

GBPUSDは、アジア・欧州・米国市場を通じ1.210台をボトムに、前日に続き強いPMIに底堅く推移。強い米雇統計でも下げ幅は限定的で底堅く、パウエル発言を受け1.2740台へ上昇し1.2721で終了。調査会社ユーガブの保守党員1215人を対象調査では、①59%がメイ首相の離脱案に反対、②保守党員の半数以上は、離脱案国民投票の結果を尊重していな糸指摘、③メイ首相の離脱案への支持が29%、④合意なき離脱は64%が支持となっている。いずれにしても14日の結果待ちながら最近の強い英経済指標と、英国のEU離脱で離脱なしの可能性も意識されている。

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19:00    EUR 12月 消費者物価指数(HICP)・速報値=前年比1.6%(予想1.8% 前回1.9%)、コア前年比1.0%(予想1.0% 前回1.0%)→ 前年比は予想と前回を下回る

22:30    CAD 12月 雇用合計: 失業率=5.6%(予想5.7% 前回5.6%)、新規雇用者数=0.93万人(予想1.0万人 前回9.41万人)、労働参加率65.4(予想65.4 前回65.4%)、フルタイム-1.89万人(予想 前回8.99万人)、パートタイム2.83万人(予想 前回0.41万人)→ 失業率は前回と変わらず、雇用者数もほぼ前回と変わらず

22:30    CAD 11月 鉱工業製品価格=前月比-0.8(予想0.0% 前回0.2%)、原材料価格指数=前月比-11.7%(予想 前回-2.4→-2.3%)

22:30    USD 12月 雇用統計:失業率=3.9%(予想3.7% 前回3.7%)、非農業部門雇用者数=31.2万人(予想18.0万人 11月15.5→17.6、10月23.7→27.4万人(2か月で5.8万人上方修正))、労働参加率=63.1(予想 前回62.9%)、時間当たり賃金=27.48(予想 前回27.35ドル)、平均時給=前月比0.4%(予想0.3% 前回0.2%)、平均時給=前年比3.2%(予想3.0% 前回3.1%)、平均週間労働時間=34.5(予想34.5 前回34.4時間)→ 予想を上回る

23:45    USD 12月 総合PMI・改定値=54.4(予想 前回53.6)、サービス業PMI・改定値=54.4(予想53.5 前回53.4)→ 予想を上回る

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【北米】
パウエルFRB議長は討論会で、①政策運営に当たり市場が織り込む下振れリスクを考慮。②インフレ指標がこれまで落ち着いている中で、われわれは経済動向を注視しつつ、忍耐強く当たる。③利上げは既定路線ではないと強調。④必要に応じて常に政策スタンスを大幅に変更する用意がある→ 2016年と同じく、金融引き締めの停止の可能性を示唆したことで米株は急伸。

パウエルFRB議長は討論会で、①FRBは忍耐強く臨むとともに、経済の勢いが堅調であっても市場が織り込む下振れリスクに対して敏感であるとの認識を示した。②将来の利上げやバランスシート縮小を巡って柔軟に対応する。③世界経済の減速から貿易戦争に至るまであらゆるリスクを考慮しつつ、好調な経済統計との均衡を図る

パウエルFRB議長は討論会で、①米景気の勢いは19年にかけ底堅さを保っている、「市場は下振れリスクを織り込みつつあるが、今朝発表された雇用統計を見れば市場がかなり先読みしていることは明白。

パウエルFRB議長は討論会を受け、今年1回の利上げ確率がゼロから小幅ながら織り込む動きへ。

トランプ大統領は記者団に、①中国との交渉は非常に順調に進んでいる。②米国の経済は好調で中国経済の減速は通商交渉で米国を有利な立場へ。③中国と合意するだろう、中国はそれを望んでおり、そうするしかないと考える。

トランプ大統領は壁建設予算の確保で、①非常に建設的な会合を持った、②非常事態宣言も検討、③ペンス副大統領ら政府高官が週末に協議。会合がうまくいくことを期待。

シューマー上院民主院内総務は、大統領は何ヵ月でも何年でも閉鎖を続ける意向。

ペロシ米下院議長ら民主党指導部は、政府機関の再開を巡りトランプ大統領と協議したが、状況の打開には至らず。

【欧州】
調査会社ユーガブが国内6大政党の長期研究の一環として12月17~22日に保守党員1215人を対象に行った調査は、①59%がメイ首相の離脱案に反対、賛成は38%。②保守党員の半数以上は、離脱案国民投票の結果を尊重していないと指摘。 ③国民投票が再実施された場合にメイ首相の離脱案と合意なしの離脱のどちらを選ぶかとの質問に対しては、メイ首相の離脱案への支持が29%にとどまり、合意なき離脱は64%が支持。。④バックストップは離脱案に盛り込まれるべきは11%にとどまり、23%はバックストップ自体が好ましくないが、合意を結ぶためには受け入れる価値はる。のこる40%はバックストップが含まれるいかなる合意案も拒否すべきと回答。

【アジア・その他】
中国人民銀行は、経済支援で2016年3月以来となる、市中銀行の預金準備率を1ポイント引き下げると発表。15日0.5ポイント、25日0.5ポイント引き下げる。

浅川財務官(金融庁・財務省・日銀の三者会合)記者会見、円急伸は日米金利差縮小が一つの理由。

黒田日銀総裁、足元の市場動向について「やや荒れ気味」とし、米国など海外で予想外のことが起こっていることが影響しているとの認識。

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