2019/01/16

2019年1月16日(水)欧州・米国市場序盤の動き

2019年1月16日(水)欧州・米国市場序盤の動き

EUと英国が望まない「合意なき離脱劇」は現実のものとなるのか? メイ首相の内閣不信任投票は、日本時間17日午前4時に投票、午前4時15分前後に結果が判明する見通し。

信認を得るには318票が必要。メイ首相が信任されるとの予想も多数あり、不信任案が可決されてもメイ首相は辞任の義務はなく、14日以内に新政権を樹立する必要があるが、できなければ総選挙となる。また、メイ首相の離脱案に代わる代替案が必要になる可能性も。

原油価格は弱含み推移で51.60台へ、中国・欧州株は大きな動きは見られず、独・米債利回りは上昇。為替市場はAUDとNZDの下げが目立ってはいるが、全体的に以外にも落ち着いており、流れはドル高へ。

USDJPYは、前日から続いた108.30台~70台のレンジを上抜け一時108.88まで上昇。米金利の上昇や比較的落ち着いてる株価の影響もあると思われるが、日銀が物価目標を引き下げる可能性も気になり、リスク回避の円買いが有効ではないことの証明とも考えられる。今後のGBPJPYの動きに注意しながら108.60~70をボトムとして上昇傾向を維持できるか、それとも50を割り込み、もとの30~80のレンジに逆戻りするか?

GBPUSDは、前日の急騰の反動にアジア市場で一時1.2820台まで値を下げるも、その後は弱い英CPIやPPIにも1.2840~00のレンジで底堅さを維持しているが、あまりにも不透明な材料が多い。今日のメイ首相の内閣不信任投票の結果と、今後の代替案の有無とその流れを注目したい。

EUのバルニエEU離脱首席交渉官は、英国政府が現在の「レッドラインを変更した場合、EUは異なる離脱案を協議する用意があるが、アイルランド島における物理的な国境を回避する安全策は残される必要がある。

カーニーBOE総裁は、メイ首相の離脱協定案が議会で否決された後のポンドの上昇は、「私の見解を説明しているのではなく、市場の最初の受け止め方を説明している」として、市場が「合意なき離脱のリスクが低下した」と受け止めたか、「離脱が延期される」と受け止めたかいずれか。

モスコビシ欧州委員は、EUと英国はいずれも望んでいないものの、「合意なき」離脱に近づいている。

メルケル独首相は、依然として秩序だったブレグジットに向け努力しなければならないが、無秩序の可能性も残る。

複数の関係者によると、日銀は23日の金融政策決定会合で、原油価格の下落を受け、2019、20年度の消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)見通しの下方修正を議論する。

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