2019/01/06

今週の為替相場を考える(1月7~11日)

今週の為替相場を考える(1月7~11日)

1月3日の早朝に米アップルの株価急落が一時円急騰を引き起こしていたが、トランプ大統領の利上げ批判攻撃とパウエルFRB議長のハト派発言。米中通商協議の駆け引き。不透明なブレグジットの行方。日米通商協議で円相場の影響など、世界的な株価と債券市場を動かし、為替相場が変動に巻き込まれる動きは変わらず、年初の相場の難しさに加え、突発的な材料に上下変化し相場水準を予測することは非常に難しく臨機応変に対応することになりそうである。

パウエル発言を受けた米金利の上昇抑制と低下期待は、予想外に強い米雇用統計でひとまず落ち着いてはいる。しかし、今週の米CPIの数字如何では、再利上げが強まる可能性と、利下げ圧力が強まる可能性と、異なる方向性へと動き、株式と債券市場に影響を与え、為替相場も変化することは間違いない。

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USDJPYは、107.50~109.00のレンジを予想

1月3日の早朝に米アップルの株価急落が円急騰を引き起こし104円台まで急落と他通貨を含めた円の急騰。その後、値を戻しひとまず108円台で小康状態を保ち、再急変のリスクは徐々に軽減していると思われる。

USDJPYを含め円はクロスでも下髭が長くでて、終値ベースでは値を戻し、水準的には円高にあるもひとまず急落のリスクは回避できたと考えたい。長期のレンジから見た105~120円のレンジの下限に近いこともあり、今後しばらくは105円±0.5円をボトムとして、時間をかけながら円安方向に動くことを期待しているが、105円台を継続的に割り込むことになれば考えを変えなければならない。

今週一週間に限定すれば、実需筋や投機筋の動きが活発となり、見える範囲で大口のストップも執行済みで、押し目買と戻り売りの二極化が予想され、107.50~109.00のレンジが予想される。過去の急落のパターンでは振出近くでは戻り売りが活発になることが多いが、株価と金利の動向をみながら3次元的に考える必要も。

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EURUSDは、1.1300~1.1500のレンジを予想

イタリアも予算案を欧州委員会が承認、スペインも政治的なリスクも今のところ深刻さは感じられず。年初のEURJPY急落によるEURUSDは1.1306をボトムに1.13の大台を維持し影響も以外にも弱い。ブレグジットの不透明なリスクは相変わらず残ってはいるが、10日のECB理事会議事要旨で、今後利上げを示唆することがあれば、再上昇の可能性も否定できず。ただし、この期待度は低く結局は1.13~1.15のレンジに収まる可能性が高いと考えている。

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GBPUSDは、1.2550~1.2900のレンジを予想

9日からの英議会審議、14日の英議会投票と、蓋を開けるまでは本格的な方向性は期待できず。ただし、年初のGBPJPYの急落にも、GBPUSDは1.2370台をボトムに短時間で反発し予想外に底堅いと言わざるを得ない。一方、ポンドのとりまく状況は険しく、調査会社ユーガブ保守党員1215人を対象に行った調査は、①59%がメイ首相の離脱案に反対、賛成は38%、②国民投票が再実施された場合にメイ首相の離脱案と合意なしの離脱のどちらを選ぶかとの質問に対しては合意なき離脱は64%が支持。合意なき離脱や離脱なしなど、どうなるかわからないリスクは相変わらず高い。

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AUDUSDは、0.7050~0.7250のレンジを予想(0.700割れがボトムアウト?) 

米中通商協議は再開し落としどころは? 中国の経済対策と中国株の反発、株価と中国経済の連動性は変わらず。年初のAUDJPYの急落を受けAUDUSDは一時0.6740台まで急落するも、0.70台を直ぐに回復し0.71台を維持していることはある意味では驚き。米10年債と豪10年債の利回り格差も縮小気味で、底堅さを意識したくなる。

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USDCADは、1.3300~1.3450を予想(1.3700台がトップアウト?)

年初のCADJPYの下落も極めて限定的で、1.3650台を5日連続して高値にした後に、USDCADは3連続と1.3370台まで下落中。さすがにここから連続して下落できるかは不明ながらも、戻り売りパターンに入っているように思われてならない。9日のカナダ中銀が利上げを実施することを先読みしている可能性もあるが、原油価格も何とか下げ止まり気味で落ち着いており、戻り売りを期待したくなる。

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