2019/01/12

2019年1月12日(土曜)11日、海外市場の動き

2019年1月12日(土曜)11日、海外市場の動き

週末金曜日、海外市場の為替相場は通貨間で動きは異なり、JPY売り+EUR売り+CAD売り、GBP買い+NZD買+AUD買とバラバラ。

EURUSDは、マクロン仏大統領がダボス会議の出席を取りやめるなどランス政局不安や、マクチ・スロバキア中銀総裁の「ユーロ圏の指標は下向き傾向にあり、楽観的な見方も薄れている」、「域内の経済成長は明確に減速しているとの認識」など、欧州経済の停滞リスクと欧州主要国の債券利回り低下や、EURGBPの激しい売り圧力に1.1500の壁を再び割り込み、1.1450台まで続落し、1.1460台で終了し市場参加者のEURブル期待にも1.1500の大台を維持できず。

GBPUSDは逆に、弱い「英鉱工業生産・製造業生産」と「赤字拡大の英貿易収支」で付けた1.2710をボトムに、「15日のEU離脱案が否定されたら、3月末が期限のEU離脱の時期を延長し交渉を続ける」との報道を意識してなのか、1.2850台へと急伸。米国市場に入ってもGBPは他の主要通貨では全面高で1.2770台をボトムに一時1.2860台へと続伸し1.2830台で終了。GBPショートの巻き戻しが続く。

USDJPYは、米債利回りの低下にも、米株は底堅く推移し、米中通商協議も中国副首相が1月中に訪米する可能性が高く、「なんらかの合意点」が見いだされる可能性に、日本の3連休を前にしたリスク回避の円買いも弱い。ただ、3日のフラッシュクラッシュのイメージが頭にこびり付いており、積極的にJPYをショートにできにくいことを考えれば、何もなければ円売りが強まるリスクの注意。

ダウは一時-200ドル近くの下げから徐々に回復し結局は前日比-5.97(-0.02%)とほぼ同水準で引けている。米10年債利回りは2.695%(前日2.742%)、2年債も2.537%(前日2.576%)と低下。原油価格(WTI)は高値53.31→51.18まで一時下落し51.64ドル近辺で推移。

米CPIの前月比は予想通りながら-0.1%で、前年比も予想通りの1.9%ながら前月2.2%から低下し2017年8月以来の低水準。為替相場の影響は軽微ながら


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18:30    GBP 11月 商品貿易収支=-120.23億ポンド(予想-114億ポンド 前回-118.73億ポンド)、貿易収支=-29.04億ポンド(予想-28億ポンド 前回-33億ポンド)、対EU以外貿易収支=-39.2億ポンド(予想-37億ポンド 前回-42.51→-43.2億ポンド)→ 赤字額は予想を上回る

18:30    GBP 11月 鉱工業生産=前月比-0.4%(予想0.2% 前回-0.6→-0.5%)、前年比-1.5%(予想-0.7% 前回-0.8→-0.9%)→ 前年比は2013年8月来の大幅低下で、予想外にマイナス幅が拡大

18:30    GBP 11月 製造業生産=-0.3%(前月比予想0.3% 前回-0.9→-0.6%)、前年比-1.1%(予想-0.7% 前回-1.0→-0.7%)→ 前年比は2016年3月来の大幅低下で、予想外にマイナス幅が拡大

18:30    GBP 11月 月次GDP=0.2%(予想0.1% 前回0.1%)、

22:30    USD 12月 消費者物価指数=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回0.0%)、前年比1.9%(予想1.9% 前回2.2%)、コア前月比0.2%(予想0.2% 前回0.2%)、コア前年比2.2%(予想2.2% 前回2.2%)→ 予想と変わらずだが、前回を下回り前月比はマイナスへ。


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【北米】
ムニューシン米財務長官は、中国の劉鶴副首相が1月中に通商協議で訪米する可能性が高いと発言。米中通商協議の進展を期待した動きに、人民元相場急上昇、対ドルで3日連騰し、週間では2005年以来の大幅な上昇になる可能性。

クラリダFRB副議長は、「米経済に対する金融市場や世界経済成長からの逆風が続くと判断した場合、当局として金融政策を調整するよう準備を整えるべき」、「米国以外の世界各国・地域の成長見通しはこの数カ月で幾分鈍化し、全般的な金融状況は大幅に引き締まっている」、「「力強い経済成長と低い失業率にもかかわらず、このところのインフレ動向には予想外の下振れが見られ、インフレ率が持続的に2%に戻ってきているのかどうか依然はっきりしない」。

【欧州】
マクロン仏大統領は22日からのダボス会議への出席を、抗議デモ対策のため参加せず。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、「ユーロ圏の活動は想定より弱いが、ECBが12月に示した成長シナリオは引き続き有効で、今年の利上げは依然として可能」、「何も決定されておらず、最終的には今後の経済指標に基づいて決定される」

マクチ・スロバキア中銀総裁は「ユーロ圏の指標は下向き傾向にあり、楽観的な見方も薄れている」、「域内の経済成長は明確に減速しているとの認識」。「一部指標は軟調なものも含め下方トレンドにある。クーレ専務理事が指摘したように、依然あらゆる政策対応が可能だ」。

複数の関係者は、3月29日のEU離脱日は先延ばしされる見込み。
英政府報道官は、「EU離脱について、英政府の方針として延期はしない」

 ハント英外相は、「離脱案が否決されると、ブレグジットがまひ状態に陥るリスクが拡大し何が起こるか誰にもわからない」、「メイ首相のEU離脱案に反対票を投じる議員はまひ状態を引き起こそうとしていることになり、英国のEU離脱が実現しない可能性も。

ユンケル欧州委員長は、ブレグジットの交渉がまとまることを望んでいるが、合意できないと最悪なことになる。

英内閣の閣僚らは、メイ首相のEU離脱案を議会が否決した場合、3月末が期限のEU離脱の時期を延長し交渉を続ける。

【アジア・その他】
複数の関係者は、2019年中国GDPは6.0~6.5%に引き下げる見込み。

中国財政相は「企業の負担軽減や企業活力への刺激、経済成長の促進に向け、今年、新たな減税および手数料引き下げを強化する」

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