2019/04/12

2019年4月12日(金)昨日11日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年4月12日(金)昨日11日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

ブレグジット期限も半年間延長され、ECB理事会とFOMC議事録もサプライズはなく、楽観的な米中通商協議も広まりつつある中で、強い米経済指標(週間新失業保険申請件数+生産者物価指数)に為替相場はドル買いの流れが強まり、株安+米債利回りが低下する中で米リセッションリスクの後退を意識しているのか、JPY売りの流れが強まる。また、GBPはブレグジットの期間は半年延期で合意できたが、相変わらず離脱合意案を採決できず、不透明感なぬぐい切れずGBPは弱含みで推移。

WTIはOPECが7月から増産の可能性を示唆し軟化、米株は軟調で、ダウ・Nasdaq・S&P500 共に小幅低下、米債利回りは10年・2年債共に小幅上昇へ。

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらは、米経済が向こう4四半期の間にリセッションに陥る確率は、昨年末20%前後→10%強に低下と楽観的に。多くのFRB理事や連銀総裁の発言では、タカ派・ハト派が混在するもサプライズはない。また、ワシントンG20に参加した要人からも、予想範囲内でサプライズ発言はなし。

USDJPYは、目先のリスク回避材料も過ぎ、アジア市場早朝の110.90をボトムに111.00~17の狭いレンジが続いた。米国勢の参入に111.20を超えてからは短期円ロングの巻き戻しが加速し、強い米経済指標が続く中で、米株は弱く、米債利回りが上昇する中で円売りが加速し終盤にかけては111.70近くまで上昇中。110.80~112.20の大きなレンジを継続中。

EURUSDは、10日のECB理事会で期待された変化もなく、EUR売りが加速した直前・直後1.1230~1.1288のレンジを抜け出せず。欧州市場序盤では一時1.1288まで上昇するも上抜けできず1.1260台へ下落。強い米経済指標を受け1.1250台へまで値を下げるも、結局は大きなレンジを抜け出せず。方向感は今一つ不明。

AUDUSDは、アジア市場で中国CPIは前回を上回るも予想を若干下回り、アジア・欧州市場では早朝の0.7170台を高値に0.7150台まで緩やかに下落。強い米経済指標を受け0.7130台まで下落後に0.7147まで一時上昇するも、0.7130を割り込んでからは短期投機筋のAUDロングの巻き戻しも見られ0.7117まで下落してようやく下げ止まる。ただし、期待感はAUYDブル!

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21:30    USD 3月 生産者物価指数=前月比0.6%(予想0.3% 前回0.1%)、前年比2.2%(予想1.9% 前回1.9%)、コア前月比0.3%(予想0.2% 前回0.1%)、コア前年比2.4%(予想2.4% 前回2.5%)→ 予想を上回り2018年10月以来の高い伸び率

21:30    USD 週間新規失業保険申請件数=19.6万人(予想21.0万件 前回20.2→20.4万件)→ 1969年10月以来の低水準

21:30    CAD 2月 新築住宅価格指数=前月比0.0%(予想0.0% 前回-0.1%)、前年比0.1%(予想 前回-0.1%)

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【北米】
ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらは、利上げ停止でリスクが後退し、米経済が向こう4四半期の間にリセッションに陥る確率は、昨年末20%前後→10%強に低下。下振れリスク小さくするハト派転換、概ね計画通り機能と分析。

中国商務省は、米中交渉団は、通商協議の残りの課題について電話で協議。

ブラード・セントルイス連銀総裁は、米経済の見通しを巡って金融市場に気掛かりな兆候がうかがえ、FRBは景気拡大を維持するため慎重に対応する必要がある。3月FOMCは金融政策の正常化の終了を示した。逆イールドカーブ現象を深刻に受け止める必要があり、引き続き経済データに基づいて金融政策を調整する。

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、2.3%のインフレが数年続いても問題ない。量的緩和は効果的だが景気回復を勢いづけるものではない。米雇用は最大ではなく、インフレも目標を下回っている。

クラリダFRB副議長は、米経済は2018年の力強い成長から減速する可能性が高く、「重要な国際的リスク」が見通しを曇らせている。景気後退リスクが高まっているとは思えない。昨年12月の利上げは間違いではない。FF金利は全般的に中立水準にある。見通しに関して両方のリスクに対応。コアインフレは落ち着いており、インフレ期待は低い。景気は2018年からは減速するも良好な位置にある。労働市場は健全で、インフレは2%の目標付近で推移。世界経済の減速を示す指標を確認してるが、その際の米国の指標を見ている。

ウィリアムズNY連銀総裁は、金融政策の観点から見て米経済は健全と言えるが、より多くの国民が好景気を実感できるよう政策当局は努力する必要がある。バランスシートの正常化は金融市場の状況に変化を与えなかった。インフレは2%への上昇を望む。2019年のGDPは2%付近を見込む。昨年の超過準備への金利の調整は良く機能している。辛抱強くいる余裕を持ち、金融政策の調整余地を持たなければならない。

ブレイナードFRB理事は、インフレ2%を確認することに焦点を当てた。FRBは忍耐強くなれるだろう。

クドローNEC委員長は、パウエル氏が良いFRB議長になると信じている。ハーマン・ケイン氏をFRB議長に推薦すると考えは変わらず。
USD    ペロシ米下院議長は、民主党が準備を進めるインフラ再構築法案について最低1兆ドルの規模とする必要があり、2兆ドルが望ましいとの認識

【欧州】
EU緊急首脳会議は、英国のEU離脱を10月31日まで再延長することで合意。→ EU諸国は1年など長期を主張、メイ英首相は6月末まで、フランスは長期の延期に反対し、結局は半年間の猶予となった。

エッティンガー欧州委員は、EU離脱に関する2度目の国民投票、解散総選挙、EU離脱のさらなる延期などが、英国にとって可能な選択肢となる。

英労働党は声明で、メイ首相と野党労働党のコービン党首が協議。与党保守党と妥協点を見つけ出す協議を続けている。

メイ英首相は、英下院でのEU離脱協定案が可決されれば欧州選挙前の離脱も可能だが、合意に達することは簡単ではない。

コックス英法務長官は、英労働党からの2回目国民投票含めたどのような提案も検討する用意。

英国のEU離脱再延期に対し、11日の英議会ではメイ首相辞任を求める声が上がった。これを受け、メイ首相は離脱再延期を擁護、野党・労働党との妥協点を探る姿勢を示した。

ECBは市中銀行を対象とした長期資金供給オペ(TLTRO)の第3弾について、ゼロ金利やマイナス金利での貸し出しを検討している。関係筋4人がロイターに明らかにした。一方、マイナス金利の副作用を軽減するための中銀預金金利の階層化にはおおむね消極的という。

ビスコ・イタリア中銀総裁は、ECBはマイナス金利の効果を分析し、協議している。

クノット・オランダ中銀総裁は、ECB理事は様子見の姿勢で一致。ユーロ圏に景気後退の議論は必要ない。次のTLTROは大盤振る舞いではなく、より保守的になる必要。

ECB専門調査はインフレ・GDP共に下方修正、インフレ見通し=2019年1.5→1.4%、2020年1.6→1.5%、GDP成長見通し=2019年1.5→1.2%、2020年1.5→1.4%。

ドイツ政府(独シュピーゲール紙)は、2019年成長率見通しを1.0→0.5%に引き下げる見通し。2020年は祝日が週末にかかるカレンダー効果などで1.5%に加速するという。

【アジア・その他】
日本株市場、時価総額で世界4位に後退-香港に抜かれる。9日時点で香港は5兆7800億ドル-日本5兆7600億ドル

OPECは、ベネズエラとイランの原油供給が一段と減少し、価格上昇が続いた場合、7月から増産する可能性がある。

ワシントンG20参加者から、
◎ラガルドIMF専務理事は、世界経済の状況は非常に不透明。世界経済の回復は下振れリスクを見込む。世界経済の回復は下振れリスクを見込む。
◎黒田日銀総裁は、世界経済に関してはIMFの見解を共有しており、減速に直面していることは事実。中国や欧州で減速を確認するも、中国経済は刺激策の実施から下期には回復見込む。2019年下期から景気は回復し20年には十分な成長が見られるだろう。
◎麻生財務相は、世界経済に英EU離脱などの下方リスクがある。日米間の貿易と投資は更に促進する。
◎カーニーBOE総裁は、合意なきEU離脱は世界経済にとって3台リスクの一つ。離脱期限延長によって合意なき離脱のリスクは低下。市場は合意なき離脱を見込んでいない。

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