2019/04/30

2019年4月30日(火)昨日29日、海外市場の動き

2019年4月30日(火)昨日29日、海外市場の動き

東京市場が休場の月曜日。米国市場は期待の円高への動きはなく、全般的に小幅な動きで、弱い経済指標にもかかわらずEURの上昇が目立った程度。

米株は上昇幅を縮めるも前日比で上昇傾向を維持、米債利回りは一時2.54%近く上昇するも2.525%で終了、WTIは一時62.46までの低下から米国市場に入り反発し63.50と小幅高。

欧州市場では、ユーロ圏の景況感指数は予想外に弱く2016年9月以来の低水準で10か月連続の低下となり、EURの先安感が一時強まる。EURUSDは1.2947をピークに1.2905のボトムまで低下。逆に米国市場に入り1.2930台を回復。S&Pはイタリア格付けの大幅引き下げに踏み切る可能性は小さいと説明。週末スペイン総選挙で与党社会労働党が第1党を維持する見通しに、スペイン債利回りは低下と好材料も。

米国市場では、個人消費支出が0.9%と予想を上回り9年半ぶりの伸び率となるが、コアPCEは前月比0.0%(予想0.1%)、前年比1.6%(予想1.7%)と予想を下回り伸び率が低下。先週の強い米GDPと合わせ今週末の米雇用統計がカギに。そんなかで、米財務省の四半期定例入札の概要を発表。第2四半期の国債発行予定額を従来530→300億ドルに下方修正したことで、FRBのバランスシート縮小停止に関連していると思われる。

米中通商協議では楽観的な発言が多い。ラガルドIMF専務理は合意の可能性を示唆、ムニューシン米財務長官は、あと2回の通商交渉によって米中が合意できることを望んでいると発言。今日から北京入りするライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官が率いる通商交渉団への動きが気になる。

また、FRBへの利下げ圧力は強く、市場では12月までにFRBが利下げする可能性を60%以上とみていることもあるが、クロドーNEC委員長は、FRBはインフレ鈍化を踏まえ、利下げに踏み切る可能性がある。FRBは内部でインフレ目標の引き下げについて討議している。FRBが適切と判断するスケジュールに沿って「金利を引き下げる可能性があることを意味している」と、先週に続きマスコミでアピールしている。

USDJPYは、アジア市場の111.50台をボトムに欧州市場に入り111.70台へ。米国市場に入り、強い米個人消費支出を受け米債利回りが上昇すると111.80を超え円ロングも巻き戻しも強く111.898まで上昇。これをピークに米債利回りも低下、米株も上昇幅を縮小し、111.60台へ下落。

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18:00    EUR 4月 景況感指数(経済信頼感)=104.0(予想105.0 前回105.5→105.6)、製造業景況感指数=-4.1(予想-2.0 前回-1.7→-1.6)、サービス業景況感指数=11.5(予想11.5 前回11.3→11.5)、業況指数=0.42(予想0.49 前回0.53→0.54)→ 景況感指数は予想を下回り、2016年9月以来の低水準で10か月連続低下へ。

18:00    EUR 4月 消費者信頼感・確定値=-7.9(予想-7.9 前回-7.9→-7.2)→ 予想通りながら前回は上方修正

21:30    USD 3月 個人所得=前月比0.1%(予想0.4% 前回0.2%)、個人消費支出=前月比0.9%(予想0.7% 前回0.1%)、個人消費支出(PCEデフレータ)=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.1%)、前年比1.5%(予想1.6% 前回1.4→1.3%)、コア個人消費支出(コアPCEデフレータ)=前月比0.0%(予想0.1% 前回0.1%)、前年比1.6%(予想1.7% 前回1.8→1.7%)→ 個人消費支出が予想を上回り9年半ぶりの伸び率となるが、コアPCEは予想を下回り伸び率が弱気。

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【北米】
クロドーNEC委員長(29日)は、FRBはインフレ鈍化を踏まえ、利下げに踏み切る可能性がある。FRBは内部でインフレ目標の引き下げについて討議している。FRBが適切と判断するスケジュールに沿って「金利を引き下げる可能性があることを意味している」

ムニューシン米財務長官(29日)は、あと2回の通商交渉によって米中が合意できることを望んでいる。合意内容の履行を巡る交渉の一部は最終段階に差し掛かっている。「まだ多くの課題が残されている」としつつも、「両国双方に、合意にこぎ着けることができるかどうかを見極めたいという強い意欲がある」。「中国、ワシントンで開催される今後2回の交渉で、大統領に通商合意すべきか否かを提言ができる状況にたどりつけることを望んでいる」。

トランプ大統領、安倍首相が「自動車新工場のため米国に400億ドル(約4兆5000億円)」を投資することに同意したと発言。

ガイトナー元米財務長官(28日)、バーナンキFRB議長、ポールソン元財務長官と共演し、「これは非常に緩やかな回復だ。人々の警戒心を非常に強めた深刻な景気悪化の後に起きた」と述べ、「何らかのばかげた間違いを犯さない限り、景気拡大は継続可能だ」との考えを示した。

アルファベットは、第1四半期売上高が予想を下回る。第1四半期売上高は前年同期比17%増の363億ドル。過去3年で最も低い伸びにとどまり、リフィニティ部のまとめたアナリスト予想の373億ドルを下回った。

米財務省、四半期定例入札(クオータリー・リファンディング)の概要を発表。第2四半期の国債発行予定額を従来530→300億ドルに下方修正したことで、FRBのバランスシート縮小停止に関連していると思われる。

【欧州】
スペイン総選挙(28日)は、サンチェス首相率いる社会労働党が下院(定数350)で123議席を獲得した。サンチェス政権は2期目に入る見通しだが、左派系政党を含めても過半数に届かないため、カタルーニャ独立派の協力が必要になる可能性がある。週末スペイン総選挙で与党社会労働党が第1党を維持する見通しに、スペイン債利回りは低下へ。

S&Pは、イタリア格付けの大幅引き下げに踏み切る可能性は小さいと説明。早期の選挙実施は必ずしもマイナス材料にはならない。

【アジア・その他】
ブルームバーグ・エコノミクスは、中国経済の4月の先行指標は投資家が米中貿易戦争の解決を待つ中で、拡張的な財政刺激策に支えられ、景気回復が続いたことを示した。株価は4月後半に下落したものの、年初からの株式相場の大幅上昇で、3カ月加重平均は依然プラス圏にある

ブルームバーグ・エコノミスト調査は、2019年の中国のGDP伸び率の予想は前回6.2→6.3%と上方修正。中国政府の景気刺激策でビジネス・家計の景況感が改善されている。

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